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封印惑星)第8回●侵入者アーヘブンは「天宮」端子のゴーストトレインの腹腔を突き破る。次に情報端子ユニコーンも爆破。北の詩人から手がかりが。総ては「天宮」の創作「情報ユニット」である。

封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第8回●

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/



●ユニコーンは、ゴーストトレインに向かって大声でどなった。


「ゴーストトレイン、腹の中にいる生物が、今、動いたそ」


それを聞いて、ゴーストトレインは,少しばかり、腹の中にいる生物を消化して動かなくしてしまおうと考えた。


生物の意識部分だけでも、残しておけば、調査には充分だろう。


ゴーストトレインの腹腔内に、分解液を分泌し始める。


分解液は今までに新機類ユニコーンを多く解体していた。


やがてゴーストトレインの腹腔内は分解液で充満し、アーヘブンの体は、液中に沈んだ。



●「何だ、この液体は?」


アー・ヘプンの触手の一部が解けていた。


アー・ヘプンはこの液から逃がれようと、再び、触手を全開する。


が、腹腔はアー・ヘプンの触手にあわせ、やわらかく包み込むように自在に拡張した。


いくら試みても、柔らかなゴーストトレインの腹腔をつき破る事はできない。


アー・ヘブンは今度は、自分の体に蓄積している体内エネルギーを放つ。


光合成によって蓄積されたエネルギーだ。


アー・ヘブンの全身は赤色に輝き、次第に熱をおび始める。



●ゴーストトレインの腹腔が、今度は、アー・ヘブンの発した熱で溶ける。


穴は徐々院ひろがり、充分々大きさになったのを見はからって、

アー・ヘブンはゴーストトレインの腹腔の外へころがり堕ちた。


 それでもゴーストトレインは惰性で走り続け、張力が効かなくなった腹腔は

溶けた穴のために前後二つに裂けた。


上半身は、大球と小球を結ぶ「コード」軌道内部で、つっぷし、下半身は後にとりのこされたが、あたり一面に消化液が、「コード」軌道内部にぶちまけられた。


 


●アー・ヘブンはゆっくりと立ちあがり、横たわるゴーストトレインに近づく。


ゴーストトレインはかま首を突然持ち上げた。悲しそうな顔だった。


『この動く″木″は一体何だったのだろう』


それがゴーストトレインの最後の意識であった。


動く″木″である、アー・ヘプンは、ゴーストトレインの半透明の体が、コード内部の空気中に、消えていくのをながめている。


■ユニットコードナンバー 836250

ユニットタイトル 幽霊列車ゴーストトレイン)


実体化された、情報ユニット「ゴーストトレイン」は消滅した。


大球と小球を結ぶコード軌道通路上には、二つの光るラインがずっと続いていた。


 急に、後からアー・ヘブンの体に衝撃があった。


 アー・ヘブンはゆっくりと振り向く。


 そいつは、ユニコーンだった。


ユニコーンの角が、アー・ヘプンの体を見事に突き抜けていた。


ユニコーンは自分のペアとゴーストトレインの敵討ちをしようとしたのだ。


「くそっ、僕の彼女とゴーストトレインをかえせ」


 ユニコーンはそう叫んでいた。


『無益な事をするな』


アー・ヘブンは悲しくなった。


アー・ヘブンのエネルギーが、ユニコーンの角に収斂する。


ユニコーンの両眼がまっ赤になる。ユニコーンの体はきしり、爆発した。


コード軌道ー面に、今度はユニコーンの肉片が散らばった。


角は、アー・ヘブンの体に突きささったままだった。


ゆっくりとアー・ヘブンの内部細胞は、ユニコーンの角を、体外へと押し出した。


角はコード上にころがりがち、ゆっくりと静止する。


角はユニコーンが存在したことの唯一の証拠に見える。


■ユニットコードナンバー 386574

ユニットタイドル ユニコーンの旅


情報ユニット消滅。


しばらくして、アー・ヘブンは、すぐ側に北の詩人が忍びよってきたことに気づく。


「北の詩人よ、教えてくれ、天宮はどこにある」


アー・ヘブンは、この生物の名が自分が「北の詩人」という事をなぜか知っている。


北の詩人は、少しづつ消滅しつつあるユニコーンの肉片の側にうずくまり、涙を流していた。


「ユニコーンよ、とうとう、君までいなくなってしまった。僕はひとりぼっちじゃないか」


北の詩人はアー・ヘブンに問いただす。


「アー・ヘブン。なぜ、ユニコーンや、ゴーストトレインを殺したのた。私の数少ない友人達を」


北の詩人の言葉には、アー・ヘブンヘの激しい怒りが含まれている。


「許してくれ、北の詩人よ。私にとっても以外なのだよ。殺戮とか抹殺とかいう狂暴なイメージをふりまく事すら、昔の私には耐えられきい事だった。


が、私はやってしまった。いかなる事があろうと私は「天宮」の元に辿りつかなければ左らないのだ。それが私の使命なのだ」


アー・ヘブンは、悲しげに北の詩人の眼をのそき込んだ。


「それに君達は、この世界には存在しないはずの生き物なのだ。ただの天宮の「情報ユニット」なのだ。それが実体化させられたものだ。生物ではない」


「存在しないはずの生物だって?」


アー・ヘブンを見ていて、北の詩人は想いおこす事があった。


北の詩人は思わず、アー・ヘブンの体に両手をのばし、その表面をなてていた。


アー・ヘブンは、北の詩人の心に悪意のない事を知り、なすがままにした。


「ああ」


急に、北の詩人はうめき声をあげ、ひざをおとした。


北の詩人の眼からは、新たなる涙がこぼれ落ちていた。


「わが家よ、暖かき住み家よ、、」


北の詩人の口からは、そんなフレーズが湧き出ている。


「住み家だと? どういう意味だ」


「わからない。ても、僕のイメージ脳が、そう告げている」


涙をたたえた目で、北の詩人は言う。


「さあ、思い出してくれたまえ。こう質問を変えてみてもいい。北の詩人、君は「大球」のなか、一体、どこで生まれたのだね」


「どこで生まれたかって? 大球だって、、、そういえば、、」


北の詩人は、アー・ヘブンの体から手を放し、遠い所に視線を移して、昔の事を想い出し始めていた。


「そう、大地の中だ」


「地中はわかっている」


「闇の中、いや光があった。そうだ。空洞があり、私の仲間たちがそこにたくさん居た」


「仲間がたくさん居ただと?」


「そう。まだ、実体化していない多くの仲間だ」


「いったい、君やゴーストトレインは何者なのか、君はわかったか」


「僕達は、、僕達は、そう、「情報ユニット」が実体化されたものだ」


北の詩人は、そこまで言うと、突如、その場に倒れた。


自分白身の記憶の復活があまりに強烈だったのだ。これは事実だったのたろうか。


イメージ脳がくるったのか。そう、北の詩人は考えていた。


 北の詩人脳裏に浮かぶ。


かつてアー・ヘブンに似たモノ、動く″木″、に記号を印した事を思い出した。


すっと昔の事だ。


『かしのきに、ナイフでしるしを……』


(続く)

●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第8回●(1987年作品) 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/




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