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初恋  作者: 周防駆琉
8/8

二人の秘密

 

 

「…俺は……」



何を言うつもりだ?


頭で考えるより先に、身体が動いていた。



柚衣の口に当てていた手を頭に移し、髪に絡ませ、引き寄せる。





唇が触れたのはほんの一瞬。







「歩永実くん…?」



さっきより顔を赤くして柚衣が俺の名前を呼ぶ。



「…次の発作でお別れだ。意味、わかるよな?」



その言葉に、柚衣は驚いた顔を見せたあと、ゆっくりと頷いた。



「…歩永実くん」



「…なに?」



「ほなみ、くん…」



柚衣は、なにも言えずに俺の名前を繰り返す。



「…うん」



「…っ、はぁ、んっ…」



答えると、柚衣は俺の胸に顔を埋め、声を殺して泣き出した。



「…ごめんな」



俺は柚衣の頭を抱くことしかできなかった。



どうしてか、温かい気持ちで胸がいっぱいになる。























君を好きになれて、本当によかった……


 

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