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初恋  作者: 周防駆琉
7/8

初恋のヒト

ICUに入ってから1週間、彼は行ってしまった。


学校があって最期には立ち会えなかったけれど、安らかな顔をしていた。


お葬式のあと、歩永実くんのお母さんに手紙を渡された。


彼からの、最初で最後の手紙だった。





―――――――――


市川柚衣様



柚衣がこの手紙を読んでいる時、俺は幸せに眠っているんだろうな。


ずっと、俺の病気のこと聞かないでいてくれてありがとう。本当はすごく気にしていたんだろ?



この手紙を書きながら、お前と初めて会った時から、思い返してる。お前はまだ小学校にも上がってなくて、苦しくて泣いているのを見て、自分のことなんておいといて、守りたいって思った。


気づかない振りをしていただけで、きっと、俺はずっと柚衣のことが好きだったんだと思う。



まあ、そんな事言っても仕方なかったのも事実だけれど。



長々書いても仕方ないから、伝えたいことだけ書こうと思う。



今までありがとう。


お前が居たから、今まで頑張って来れたんだ。柚衣にかっこ悪い所見せたくなくて。


だから、ありがとう。


幸せになってください。



あと、病院に来たって俺はいないんだから、風邪ひいたりしないように気をつけろよ。




幸村歩永実




P.S 

ICUでのことは忘れてくれ。




―――――――――



彼らしい口調で書かれた手紙に、せっかく止まった涙が溢れてくる。



「歩永実くん。私、頑張るから…頑張って、幸せになるから」



手紙を抱き締めて誓う。


彼の言葉を胸に抱いて。




 



いつから、俺は君を好きだったんだろう。


そばにいないと落ち着かなくて、どうしているのか心配で…


君が話す俺の知らない男になぜか嫉妬して。


その気持ちが『好き』だと気づかなければよかったんだ。


そうしたら、こんなに苦しまずにすんだのだから…



でも、気づかなければ、この温かさも知らなかった。



儚くて、甘い。

この温かさを……








Fin...



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