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恋愛楽譜  作者: 白霧蝶
8/11

大空の下で・・・・

「ん・・」

瞳をあけると私をじっと見つめる女の子が一人いた。

なぎささんだ・・。私はきっと気絶していたのだろう

「洋琴ちゃん・・は?」

「・・・」

そして、私の瞳からは沢山の涙があふれていた。

「私・・・約束した・・の・・。絶対・・一人・にしないよって・・・

すると・・ね・・洋琴ちゃんは・・えへへって・・・私に・・・笑ってくれたん・・だよ」

私は泣きながらそう言った。すると、なぎささんは私の頭を撫でた。

まるでさっき私が洋琴ちゃんを撫でた時と同じやさしく撫でてくれた。

「ごめんなさい・・・・。私が・・・」

「なぎささん」

「殺したくなかったの・・・本当は拳銃を向けた時に一瞬だけ迷ったの・・。でも。やっぱり仕事だしなによりも・・もう、洋琴さんに過ちを起こしてもらいたくなかったの」

「なぎさ・・さん」

私はこぼれ出そうな涙を拭きとった。

「・・はい」

「なぎささん?」

彼女は小さな髪を渡してきた。

それを受け取るとそこには住所がかいてあった

「洋琴さんきっと・・貴方がいるなら大丈夫だと思ったの・・・。

もう大丈夫だと」

「なぎささん・・・」

なぎささんはやさしく微笑んだ・・。あぁ・・この人も笑えるんだ。

「ありがとう」

私がにっこりほほ笑むと彼女は少し戸惑っていた

「・・・ありがと・・・初めてこんな言葉」

私に聞こえない声でぽつりとつぶやいた

「じゃあ行ってくる!!」

「あ・・・うん!いってらしゃい」

彼女は私にてを振った。私も振り返して部屋を出た。

ぽつりと一人だけになった少女

「お姉ちゃん。笑って帰ってきてね・・・」

その声は部屋に響いた。


その住所通りに新幹線に乗って、バスにのりタクシーかりてそして此処まで来た。

それにしても・・・こんなに近くに刑務所あったとか・・・すごいな

あ!洋琴ちゃんを探しに来たんだった!探さないと

「あの・・すみません」

「こら、嬢ちゃん此処はあんたの様な子が来るところじゃないよ」

門番の様な人に話しかけると私を追い払うかのような目で私を見た。

私は少しイラっときて無理やり入ろうと門番を押しのけた。

「ちょっと嬢ちゃん!」

「はなして!私洋琴ちゃんを」

「え・・」

門番は急に私を止めていた腕をはなした。

「話は聞いてるよ。君が心愛さんだったのか・・」

「は?」

門番の人はふむっとあごに手を当てた。

「なぎさ様は、たくましい方と言っていたんだがな・・まあいいだろう。さあ、はいりたまえ」

「いや・・・あの」

私は動揺を見せた。すると、そんな私を見て門番の人はにこやかに笑った

「なぎさ様は、洋琴様を助けに来る人が来ると言っていたからねぇ・・

そして、警察本部には内緒で門番の私に協力してほしいと先程電話をもらったんだ」

すると、門番の人は私の頭に手をのせてくしゃくしゃっとなでてきた

「わゎ!」

「洋琴様を助けてやってください。彼女は寂しい人なんだ」

門番の人はまるで昔を思い出すかのように優しい瞳をしていた

「・・・大丈夫です」

「え・・?」

「私が救いますから!」

私がニコっと笑うと門番の人は優しい笑顔で

「本当にたくましい子だなぁ・・」



「くっ!」

私は、警察に見つからないように物陰に隠れながら奥へ奥へと進んでいった。

そして、牢獄にたどり着いた。牢獄と言うか拷問部屋と言うか・・・

とてもうす暗く鉄の様ななまなましいにおいがする

牢獄を見渡すと皆ボロボロで沢山の血が床や壁にこびりついていた。

そうして、見ていると一人マロン色のふわふわした髪の女の子が横たわっていた。

「洋琴ちゃん!!」

しまった・・。声大きかった・・。

大丈夫だろうか・・・。ばれてないよ・・ね?

さーどうすることか・・・・。

洋琴ちゃんをだしてあげたいけど・・鍵がなぁ

「ふー。暇だなぁ・・」

低い声が響き渡る。

その声の持ち主はこの牢獄の見守り番だ・・。きっとあいつがカギを持っているのだろう

「どうしよう」

「誰かいるのか!!」

やばっ!ばれた?

どうしよう!どうしよう!

「どこだ!」

あーもう・・ばれたんだから仕方ない

私は、隠れることをやめ見守り番の前に姿を現した

「鍵を渡せぇぇぇ!!」

「な・・・!」

私は飛びつき、鍵をとろうと一生懸命に手をのばすがやはり身長の差で手が届かない

「きゃっ!」

見守り番は私を突き飛ばした。私は地面に尻もちをついた

「侵入者だ!!」

見守り番は、本部に私が来たことを伝えた。

「ほら・・おとなしくし・・!!」

瞬間、ガラスが割れて一人の女の子がその男に大きなとび蹴りを入れていた。

「なぎ・・ささん?」

「助けに来たわ・・。貴方一人じゃやっぱ心配だしね」

なぎささんはその男が気絶している真に鍵をとり私に投げた。

私はそのカギを手に取った。

そして、なぎささんは男の持っていた、発信器なのかな?

なんか喋るやつ・・・それをとり本部に向かって喋り出した

「なぎさです。ただちに洋琴さんの死刑を取り消して!!

早くしなさい!こっちには人質がいるわ!」

なぎささんは気絶している男に銃を向けた。

「早くしなさい!」

その瞬間だった。後ろから大男がなぎささんを捕まえた

「くっ!小規模本部・・・あなた離しなさい!こっちの方が上の人よ!

上に何やって」

「お前はもう、警察では無い。今さっきくびと言う命令が下された

おとなしくしろ」

「な!」

なぎささんは

手を払おうとするが大男の力はよほど強く振り払う事が出来ない。

「くっ!仕方ない・・・心愛さん!早く・・・洋琴さんを・・」

「なぎささん!でも・・」

「いいから!!」

なぎささんは真剣だった。

そのときふっと一番洋琴ちゃんの事思っているのはなぎささんなのかな・・とか思ってそんななぎささんに少し嫉妬してしまった

「わかったよ・・」

私は急いで洋琴ちゃんの入っている牢獄に手をかけた。

そして、牢獄をあけて洋琴ちゃんを抱え、走った。

「てめ!」

「待ちなさい・・よくも私に手出してくれたわね」

「くっ!」


私は、お姫様だっこして一生懸命に廊下を走っていた。

「あー。ここどこだろう」

「ん・・・」

洋琴ちゃんの目が覚めた。

「あ・・・心愛さん?」

洋琴ちゃんは不思議そうに私を見つめた。

「ど・・して?私牢獄に閉じ込められてまさか・・」

「ん・・そうだよ。助けに来たんだよ」

洋琴ちゃんは、びっくりしたような顔をした

「あ・・そろそろ外だ」

奥の方に扉が見える。私は、一生懸命に走り、扉を突き破るように外に飛び出した

「あ・・!門番の人!」

「さぁ・・のってください」

外に出ると門番の人が車に乗って私たちを待っていた

「でも・・なぎささんが」

「大丈夫です。ほら・・」

そういった瞬間上の窓からなぎささんが飛び降りてきた

「なぎささん!!」

「はー・・・結構てこずったわね・・さぁ、早く乗りなさい」

「あ・・うん」

私は迷いもなく車にのった。

そして、追手が来ることもなく私たちは無事に逃げることができた。

「・・大丈夫なの?上の人から・・何か・・」

「大丈夫よ。彼だって、私たちを処刑する勇気なんてないわよ」

「え・・?」

「それに、洋琴さんも殺す気はなかったのでしょうね」

「ど・・どうして?」

彼女は私が尋ねると安心しきった顔で

「だって、彼は私たちの親だもの」

「え・・えええええええええええええええ!!」

「あら・・言ってなかったかしら」

「言ってないよぉ!」

「あら・・ごめんなさい」

「びっくりだよー」

私は一度深呼吸をして胸をなでおろした

「そういえば、洋琴さんあなた大丈夫?」

「あ・・はい。大丈夫です」

「そっか」

彼女の表情はいつもよりやわらかくおっとりしていた。

「あ・・そろそろつくわね・・・私たちの里」

「はい・・。今度は新しい私で・・・」

「ふふ・・洋琴さん・・いや・・お姉ちゃん。これからは心愛さんと仲良く暮らして」

「え・・。なぎさは?」

洋琴ちゃんがなぎささんにたずねるとなぎささんは満面の笑みで優しく囁いた。

「私はこれから父へ会いに行くわ」

「ど・・どうして!?殺されるかも知れないのに」

「一応けじめをつけておきたいの。もう、この件は終わりにしようって・・・

これからまだこの件でぐちゃぐちゃになったらめんどくさいしね」

「なぎさ・・」

「さあ・・ついたわよ。じゃあ、さようなら。そして、また今度」

「うん!なぎさ・・。絶対戻ってきくださいね」

洋琴ちゃんは笑顔でなぎささんに「おわかれ」の言葉を言った。そして、私もこれではいけないと思い私も作った笑顔では無くて本当の笑顔で

「あの・・なぎささん待ってるから」

そう言った。そうすると、なぎささんは笑って

「ええ・・。お姉ちゃんをよろしくね。心愛さん」

「・・なぎささん。うん・・・わかった」

私は、最後になぎささんと握手をした。その手はとても優しく暖かくて幸福を表しているようだった。

そして、なぎささんを見送った後に私は洋琴ちゃんと顔を見合わせお互い笑いあった。

それは純粋で無邪気な笑顔だった。

これからも、この笑顔が絶えませぬように。

この思い出をしっかりと胸におさめてこれから歩んで行けますように。

何より、洋琴ちゃんが幸せであるように。そして、なぎささんが戻ってきますように

そんな無垢で美しい願いを大空の下で心の中で願ったのだった。


第一楽譜はこれで完結です。

第二楽譜は楽しみにしててくださいね

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