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恋愛楽譜  作者: 白霧蝶
4/11

ある日の日記

グロテスク表現がありますのでお気を付けください

あれから、もう一週間もたった。

あいかわらず、私はみんなに避けられている。でも、それも慣れてしまいどうも思わなくなっていた。

「心愛さん・・今日どこか行きませんか?」

でも、一人だけ私に話しかけてくれる人がいる。それは、洋琴ちゃんだ。

「うん。いいね行こうか」

私は、洋琴ちゃんの誘いをOKした。




私と洋琴ちゃん二人で、今日はケーキ屋さんに行くことにした。

最近、女の子たちにとても人気な店が出来たっていうから洋琴ちゃんが行きたかったそうだ。

「いらっしゃいませー」

店に入ると、店員の営業スマイルが向けられる。

でも、私だと気づくと目をそらした。でも、私はそんなの気にせずにケーキを注文する。

私は、チョコレートケーキ。洋琴ちゃんはモンブランだ。

「洋琴ちゃんはケーキが好きなの?」

「はい・・・。音楽を聴きながら食べるととてもおいしく感じます」

そう、洋琴ちゃんは音楽が大好きなのだ。楽器では特にピアノが好きらしい

まあ、名前もピアノだしね。

「でも、洋琴ちゃんはクラシックが好きなんでしょ?」

「はい。ヘビメタやパンク、ロックは少し・・・思いがつまってない気がするんです」

「じゃあ、今流れてる曲とか駄目なんじゃない?」

今流れている曲は洋楽だ。私は何を言ってるのか分かんない。

だってすべて英語だし。でも、洋琴ちゃんは分るんだろうなぁ。

「これは・・・そうですね。あまり好ましくないですね」

洋琴ちゃんは少し申し訳なさそうに答えた。

「じゃあ、今ケーキあまりおいしく感じないんじゃない?」

私の言った言葉に彼女は目を大きく目を見開いた。

どうしたんだろ?

「いえ・・今は、心愛さんがいるのでおいしいです」

彼女は笑顔でそう答えた。頬は少し赤らんでいた

それはとてもやわらかく幸せそうな笑顔だった。


それから、私たちはケーキを食べ終えて二人で洋琴ちゃんの家に向かった。

「心愛さん・・上がってください」

洋琴ちゃんは玄関のドアを開き私を家に入れた。

「わぁ~あいかわらず楽譜が散らばっているね」

「あぅ・・・あまり見ないでください。急に来ることが決まったので掃除してないんですから・・」

部屋には、楽譜が散らばっていて大きなグランドピアノにはほこりまみれだった。

私は、窓ガラスを触ってみた。すると指には白い粉がたくさんついていた。

「んー。これはひどいなぁ・・・。あ!そうだ。ここ掃除させてもらってもいい?」

「え!い・・いいですよ。悪いですし」

「いやいいよいいよ。暇だもん」

「・・・では、よろしくお願いします」

洋琴ちゃんは申し訳なさそうに答えた。私は、洋琴ちゃんの家を隅々まで掃除をした。

最後は、二階にある部屋だ。あまり使わない部屋らしく、今どのような状態になっているかもわからないそうだ。

洋琴ちゃんは、お夕食の買い出しに行ったし、今は私一人だ。なんかこの家は風通しも悪いし、明りもあまり入ってこない家だから少し怖いんだよなぁ

私は、ゆっくりドアをあけた。すると、ミシミシっと音がした

うわぁ・・ドアが傷んでるよ

「・・・すごい汚い」

この部屋は今までの部屋よりもかなり汚かった。部屋の、壁はカビがあるし床のじゅうたんはボロボロだ。私は、とりあえず床の掃除にとりかかった。

じゅうたんを廊下に引っ張り出して、掃除機をかけ、雑巾で綺麗に拭いた。

この次は、壁だ。まず、壁をおおざっぱに拭きカビ取りでカビをとったあと丁寧に雑巾で壁を拭いて行った。

最後に、棚を整理するときだった。

一つのノートを見つけた。それは、洋琴ちゃんの日記だった。

『ピアノの日記。小6年』と書いてある。6年生のころの日記だろうか?

私は、面白半分でそのノートを開いた。そこには、私の予想していたものとかけ離れている事が書いてあった。

「な・・何これ」

私はページをパラパラとめくる。私は、口を手で押さえる。

そこに書いてあった内容は生々しく残酷なものだった。

『1月3日。

今日、奏ちゃんを殺しました。バッドで一生懸命殴り続けました。

すると、奏ちゃんの頭からどくどく血が出てきました。

奏ちゃんは、最後息をしなくなりました。私は、死んだのを確かめて

ノコギリでバラバラにして、ダンボールにつめて山の奥に捨てました。

あの後、カラスさんに全部食べられたんだと思うと笑いが止まりませんでした。

だって、あの子、華月君に近寄るんだもん。今まで沢山、たーくさん葉月君の近くに居たから

これくらいの報いはしなきゃならないと思うの。

6月7日

今日は、葉月君を家に呼びました。

そして葉月君を私とずっと居られるようにしました。

すごく、簡単な事でした。葉月君は一瞬で死ねるように胸に包丁を突き刺しました

すると、葉月君は一瞬のうちで死んでしまったの。

私は、包丁を何度も突き刺しボロボロにして内臓など、臓器を取り出し細かくして小さい箱に葉月君を入れてバッグに入れました。これは、いつまでも、持っていようと決めました。葉月君の残った部分は私とカラスさんでわけて食べました。

葉月君の肉をフライパンで焼いてからこしょうで味付けをして食べました。

葉月君はとてもおいしかったです。』

こういう文がたくさん書いてあった。ページには沢山の血がついてあって文が見えないものもあった。

私は、気持ち悪くて動く事が出来なかった。

口を押さえていた手はふるえながら恐怖を感じていた。

「ねぇ・・・何読んでいるんですか?」

急にとても低い声が後ろから聞こえた。私はびっくりして後ろを振り向いた。

そこには、洋琴ちゃんが立っていた。洋琴ちゃんはいつもの雰囲気と全く違った。

「・・・・・心愛さん。人の物は勝手に見てはいけませんよ?」

私は声が出なかった。洋琴ちゃんは私を見下したような目で見て私の持っていたノートを乱暴に奪い取った。

「・・・この事は忘れてください」

洋琴ちゃんはにっこり笑ってそういった。

その日私は洋琴ちゃんに言われるままにすぐに家に帰った。

私は、家であの日記の事を考えていた。洋琴ちゃんの事を考えていた。



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