50 ライからの頼み事
妄想エジェルズの早速確保しましたとも……次はアリアだ!!
シンクロの発動条件の検証をしながら2日経った。
共有スペースで寛いで居た俺達の元に織姫が来た。
「ふふん、皆待たせたわね……完成したわよ! 貴方達の新しい装備!」
「「「おおー」」」
俺達は早速工房へと移動する。
工房に着くと早速女性陣から装備を着るために中へと入っていく。
「基本的には形は変えて無いから着方は同じよ」
「はーい」
俺達は男性陣は廊下で待つことになった。
それから暫くすると織姫から入室の許可が降りた。
「さあ! ご覧なさい! 私の最高傑作よ!!」
最初の頃も最高傑作と言っていた気がする。
しかし、そこに居るライ達を見ると間違いなく最高傑作だと思う。
「どうかな? 似合うかな?」
まずはライ……黄色と黒を基調に使った俗に言うスカジャンを着崩して、中には動きやすそうなシャツを着ているのが見える。
下は相変わらずのホットパンツである。
「おー、ライ似合ってるよ」
「次はぁわたしねぇ」
次にユキ……今回の和風メイドは藤紫に蜘蛛の巣を表現した柄が違和感無く入れられている。
ユキの雰囲気に有っていると思う。
「流石……本職の家の娘だな、ユキに凄く有っているよ」
「うんうん、やっぱり黒髪には和服よ!」
「ありがとぉ、ほらぁ最後はヨミちゃんよぉ」
「こ、これは私には派手だと思うのですけど……似合うでしょうか? 御兄様」
最後にヨミ……赤を基調に黒いレースがふんだんに使われたゴスロリドレスだ、決して派手さは無く上品に仕上げられて居る所は流石は織姫と言わざるを得ない。
ヨミが着ている姿はかなり神秘的に見える。
「ヨミ、凄く似合ってるぞ!」
「……! そ、それでしたらこのまま着続けて差し上げますわ」
顔を赤くしたヨミを連れて、ライ達が外に出ると次は俺達が服を着る番になる。
暫く経ち、俺達も装備を着け終わりライ達の元へと移動する。
トップバッターはシノブだ……シノブの装備は明治時代辺りの軍服を想起させる物だった。
シノブの武器である外套で更にらしさが上がって居るがクールなシノブにはかなり有っている。
「うーん、やっぱりシノブさんにピッタリだね」
作った本人で有る織姫も満足気だ。
次はクロガネ……意外な事にキッチリとした執事服だった。
しかし、姿勢の良いクロガネ上手く着こなしている。
「伸縮性に優れているから袖が弾けたりはしないわよ……立ち姿を見た時から着せてみたかったのよね」
「ふむ……悪く無いな、使用人の服ならば言葉使いに気を使うべきか?」
「そこはクロガネの好きにすると良い」
「……かしこまりました」
どうやらクロガネのキャラ付けが決まったみたいだ。
そして最後は俺の装備……フード付きのコートに動きやすい軽装だが全て気品すらを感じる漆黒の色合いに少し金色が入っている。
「何か闇の支配者だな」
「あらぁ、似合っているわよぉ」
「やっぱり王様感を少しは入れたかったのよ」
しかし、金色も派手な物でも無いので許容範囲内だ。
これで俺達の新装備お披露目は終了で有る。
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装備のお披露目が終わり、織姫は客室で眠るそうで既に居ない。
この場には俺とライ達が居る状態だった。
「さあ、新しい装備になった所で私から皆にお願いが有るんだけど聞いてくれるかな?」
そんな中、ライが改まってそんな事を言ってくる。
しかし、俺達の中では迷う事もなく決まっていた。
「ああ、俺達に出来ることならな」
「今さらぁ、遠慮するような仲でもないでしょぉ?」
「そうですわ……ライ御姉様、是非ともそのお願いを聞かせていただけませんか?」
ヨミの言葉にライは頷くと、意を決して話し始める。
「皆に着いて来て欲しい場所が有るんだ……ずっと、行けなかった場所だけど……皆が来てくれるなら向き合えると思うから」
ライの瞳に浮かぶ不安や恐れ、後悔……俺はそんなライの手を取って頷く。
「分かった……案内してくれライ」
「うん、ありがとうみんな」
ライはフッと表情をやわらげた……そうとう緊張していたみたいだ、目に見えてホッとした表情をしている。
「はーい、今日の所はゆっくりしてぇ……お出かけはぁ明日にしましょうぉ」
「そうだね……オリヒメちゃんにも留守にするって言わないといけないし、マザーにも話しておきたいしね」
「あら、私に話したい事とは何ですか? ライ」
ライからのお願いを聞き終えたタイミングでマザーがやって来た。
恐らく、少し前から話を聞いて居たみたいだ……それで尚こうして聞くと言うことはライの口から直接聞きたいのだろう。
「マザー、私行ってくるよ……あの人達に会いに……」
「そう、ようやく行く気になったのね……きっと彼等も喜ぶわ」
ライの言葉にマザーは敬語を辞めて優しくライの手を握る。
「辛くなったら辛いと言うのよ……貴女にはちゃんと頼れる人達が居るのだから……行ってらっしゃいライ」
「うん……ありがとうマザー」
ライとマザーはまるで姉妹の様に少し身を寄せ合いすぐに離れる。
その後、マザーは俺の所に来た。
「マヒトくん、ライ事よろしくお願いします。それと、明日はお見送りに行くわ」
「ああ、任せてくれ」
マザーはそう言うと、帰ろうとする。
しかし、それはライが手を掴む事によって止められてしまう。
「どうしたの? ライ?」
「……そ、そのさ……泊まって行きなよ……少し話そう」
「はぁ、全く世話が焼けるわね」
こうしてマザーのお泊まりが決まった。
ライはこの日、マザーと一緒に居る事が多かったとだけ言っておこう。
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翌朝、織姫には昨日の夜の内に出かける事を話しておいた。
織姫は暫くクルーデンで羽を伸ばしたらマザーに送って貰って王都へと帰るらしい。
一応見送りにも来てくれて居る。
「真人君、ライさんの事しっかりしなさいよ」
「分かってるよ」
「じゃないと優衣に色々言う事になるからね」
織姫は俺にそう釘を差す。
ちゃんと優衣とライ達を会わせるのは何時になるのか分からないが……何となく優衣の事だからすぐに仲良くなる気がする。
当のライにはマザーが話し掛けている。
「ちゃんとお花は持った?」
「勿論」
「私は行けないけど……ちゃんとマヒトくん達に話すのよ?」
「うん」
「それじゃあ、行ってらっしゃい」
ライはマザーとの話が終わり此方にやって来る。
「マヒトくん、オリヒメちゃんと何を話してたのかな?」
「しっかりしろって言われた……後、下手したら優衣に言い付けるってさ」
「……いつか、ユイちゃんにも会って見たいな」
「ああ、今度ちゃんと紹介するよ」
そんな会話をしながら、街の少し離れた場所に俺達は集まる。
「よし、それじゃあしゅっぱーつ」
俺達はライの背中に乗り込み飛び立つのだった。
クルーデンから飛び立った俺達は、ダクライトの上空を越え。
更に遠く飛びつつけると、森の中に不自然に拓かれた場所が見えてくる。
そして、その中心には湖があり更に真ん中に小さな島があった。
「ここがライの言っていた場所か?」
「うん……降りるよ」
ライはゆっくりと湖の畔に降り立つ。
ライの背中から降りて周りを見渡すと、簡素な小屋が見える……見たところかなり綺麗に管理されてるようだ。
「あー、マザーが掃除に来てくれてた見たいだね……今から行くのはあっちの小島のほうだよ」
ライはそう言うと、小屋の方へと歩き始める。
そして、小屋の前で立ち止まると此方を振り返り言うのだった。
「ようこそ、賢者が最期を過ごした場所であり……仲間達と共に眠る場所へ」
「そうか……ここがライの前の契約者が住んでいた場所なのか」
ここがライの大切な場所であり、今まで避けていた場所であった。
次回 その場所で眠る者の名前




