45 決戦、魔鋼の森の戦い!
ゼンゼロ……ザオ配布してくれないかなぁ(願望)
マジンクワガタの一撃をクロガネは手甲で弾く様に防いだ。
マジンクワガタもそれを予測していた様に一撃、二撃と顎をクロガネに叩き付ける。
「……!」
『ふん! どうした? 防ぐのでやっとではないか!! そのまま諦めて死ねぇ!』
クロガネは隙をついてマジンクワガタの横腹に蹴りを入れて攻撃を中断させる。
『ぐっ!』
「減らず口ばかりで技が疎かだぞ?」
互いに全力であった……それでいて互角の戦い。
しかし、その戦いの最中クロガネはじっと機会を伺っていた。
最大火力の必殺の一撃を確実にマジンクワガタに叩き込むタイミングを……
ライのお陰で大分調子の戻った俺はコネクトの扱いが大分分かってきていた。
魔力の出力も抑えられて、一回では疲れる事は無くなった。
と言うわけで戦線復帰! 取り敢えずライと共に怪我の酷いマコウカブトを撤退させている最中だ。
「……は! 重傷の子は即撤退! 命をすてるな!」
『ライ殿! 申し訳ない……』
「……“放電”! ライ! シノブ達と合流しよう、こっちの戦力が減ってる少しでも固まった方が良い!」
「了解!」
俺の言葉にライは短く返事をすると、更に二体ほどマジンクワガタを無力化する。
そして、何かに気付いた様に声を上げた。
「マヒトくん! シノブくん達も同じ考えみたいだこっちに来てる!」
『主……合流……』
「了解! 今シノブから念話が届いた!」
しばらくすると、無事に合流を果たしてミロスさんの無事も確認出来た。
その時、クロガネ達の戦いも最終局面を向かえて居た。
互いに決定打を決めれない状況で、先にしびれを切らしたのはマジンクワガタだった。
マジンクワガタは空高く舞い上がると、自身の顎に魔力更に込め始めた。
『遊びは終わりだ……この一撃で葬ってくれるわ!!』
「……」
『ふん、手も足も出せず傷だらけでは無いか……死ね』
マジンクワガタの言う通り、クロガネは数多の攻撃を受け流しながらも少しずつダメージを蓄積していた。
しかし、マジンクワガタは一つ思い違いをしていた。
そのダメージの蓄積こそがクロガネの必殺の一撃に重要な物……
『“魔刃空烈斬”貴様に引導を渡してやる!!』
「すうぅぅぅ……」
マジンクワガタの突進力を生かした必殺の一撃……完全にモーションに入った時クロガネは動いた。
「……“カウンターチャージ”“フルインパクトリリース”“オーバーヒート”」
(……!? 奴の雰囲気が変わった? 構わん押し切る!!)
クロガネの変化にマジンクワガタは気付いたが、既に技を止める事は出来ずそのまま必殺の一撃を発動させる。
それこそがクロガネの狙いで有った。
『うおぉぉぉぉ!!』
「……この一撃で……決める!!」
クロガネの手甲は赤熱し、身体からは魔力の湯気か立ち上ぼり傷口から流れた血は蒸発する。
そして、突撃するマジンクワガタの顎に握り締めた拳を合わせる。
「“赤鋼魔鋼撃”!!!!!」
『しねぇぇぇえ!!!!』
「うおぉぉぉぉ!!!!」
魔刃と魔鋼がぶつかり合う、その瞬間辺りに凄まじい衝撃波広がっていく。
ライは真人を庇い、ミロスとシノブはミロス盾に隠れ、周りのマジンクワガタやマコウカブトは何匹か吹き飛ばされる。
「ぬううぅぅう!!」
『くううぅぅう!!』
互いの必殺の一撃のぶつかり合い、その衝撃の中でクロガネの耳に声が届く。
「勝て!! クロガネ!!」
「……!! ふっ、仰せのまま……に!!」
『……っ!? ば、ばかな……我が負けるなど!?』
その激戦を制したのは…………クロガネだった。
マジンクワガタの顎を砕き、クロガネの一撃はそのままマジンクワガタへと叩き込まれた。
「はあぁぁぁぁあ!!」
『があぁぁ!?』
クロガネの一撃を受けたマジンクワガタはその巨体を殴り飛ばされ、その勢いのまま近くの木々を薙ぎ倒し戦闘不能となった。
「うおぉぉぉ! マコウカブトの角は折れぬぅぅぅ!!」
『『『うおぉぉぉ!!』』』
「す、凄い戦いだったな……」
「よし! クロガネ! よくやったぞ!」
こうして、魔鋼の森の戦いはマコウカブトの勝利で終わるのだった。
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クロガネの勝利で終わった戦い、マジンクワガタ達も率いていた長の息子が倒れて動きが鈍くなった。
その隙に、俺達はクロガネの元へと集まっていた。
「クロガネ! よくやった、この戦いは俺達の勝ちだ!」
「……」
クロガネは俺の言葉に反応せずに視線は吹き飛ばされたマジンクワガタへと向いて居た。
どうしたのかと思い、振り返って見ると弱々しくも立ち上がろうとするマジンクワガタの姿が有った。
「うわ、アイツまだやる気なのか?」
『まだだ……おれは……負けてなど……』
無理にでも立ち上がろうとするマジンクワガタ。
しかし、その側に突然メスのマジンクワガタが降り立った。
『長、時間です……今回は撤退を……』
『……!? わかった……』
メスのマジンクワガタが何かを言うと、マジンクワガタは大人しく仲間達に運ばれていく。
マジンクワガタの長は此方に視線を向けると、クロガネへと恨めしく言うのだった。
『次こそは俺が勝つ……憶えてろよクロガネぇ』
『……』
マジンクワガタの長は動けるマジンクワガタ達を引き連れて何処かへと去って行ったのだった。
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クロガネに敗北し、少なくない仲間を失ったマジンクワガタは焦っていた。
何故ならこの後に会うのは自身を向かい入れてくれた彼に取っての王だからだ。
「やあ、お帰り」
『……!?』
突然掛けられた声に、マジンクワガタの身体が跳ねる。
それは声の主に対する恐怖からだった。
『わ、我等が王……』
「うんうん、ずいぶん手酷くやられたみたいだねぇ」
そこに立っている青年は、見た目は何処か先ほどのクロガネの主に似ている。
しかし、マジンクワガタにはそんなことどうでも良かった。
『申し訳ございません!』
「良いよ、見てたから……顎も治さないとねぇ」
青年の言葉にマジンクワガタは顔を上げる。
そこには見知らぬ姿の三匹の虫達が居る。
「マジンクワガタ……君に新しい力と名前を上げよう……次は無いよ? ヤイバくん?」
『ぐぅ!?』
青年から名を呼ばれたとたんマジンクワガタの姿が変わり始める……姿を人形に変えたマジンクワガタ……刃は高らかに笑う。
「ははははは! 素晴らしい力です! 我が主!!!」
「うんうん、今は力を蓄えよう……然るべき時までにねぇ」
怪しげな青年はヤイバを含めた四匹の虫を従えて森の闇へと消えて行くのだった。
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場所は変わりドラゴニア帝国……その玉の間では一人の男が苛立った声を上げていた。
「まだ、姫は見つからぬのか!!」
「はっ! 城下町には兵達を配備し探させてはおりますが……まだ、見つかっておりません」
「……クソ!!」
男はドラゴニア帝国の皇帝……の弟であった。
龍人の王の力は兄が継ぎ弟で有るゴウリュウ・ドラゴニアそれに嫉妬していた。
それだけでは無かった意中の女性も兄を選んだのだ。
今、兄であるセイリュウ・ドラゴニアの娘を探しているのもドラゴニア帝国を完全に自身の手中に納める為だった。
「さっさと見つけだせ!!」
「はっ!」
そんなゴウリュウの元に一人の男が現れる。
顔色は青白く、その眼は全てを嘲笑うかの様に歪んでいる。
「ふふ、姫君を捕まえ妃とすればドラゴニア帝国は貴方を王と認めるしかないでしょう」
「ふん、ドラゴニア帝国を完全に手中に納めたなら次は……ワームルスだ」
しかし、ゴウリュウは気付いては居ない……怪しげな魔族が自分など眼中に無いことに……
一人の少女が二人の武装した男達と城下町を走っていた。
「姫、どうか無事に社へ」
「ここは我々が囮に……」
少女はそう言われ振り替えるが、何も言わずに再び駆け出す。
背後からは武器がぶつかり合う音が響く……少女はその音を背に唇をかみしめながらも走り続けるのだった。
次回は閑話の予定……




