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ムシテイマー~役目も無いので虫達と自由に暮らす事にしました~  作者: SUZUKING
第一章 想いは遥か遠くより君に……

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42 新たな契約虫と忠臣達

10月のチアスコアは115位だったけど……どうなんだろ?

 マコウカブトの長との別れを経て、俺達は魔鋼の森の更に奥へと進んでいた。

 マジンクワガタが追って来て居ないのを確認してから、くま吉を地面に下ろす。


「シュイ! シシュイ!」

「マコウカブトの里は近いのか?」

「シシュ!」


 くま吉の反応からマコウカブトの里が近いことが分かり直ぐに行くことになった。

 しばらく進むと、大きな木が並ぶ場所へと出る事が出来た。


『な、何者だ!』

『人の子? 魔族の子も居るぞ!』

『異様だが……他の四人は我等と似た気配がするぞ!』


 そして、そこには長程の大きさでは無いがそれでも十分にでかいカブトムシ達がのしのしと複数匹姿を現した。

 頭に響く様に聞こえる声から、彼等がマコウカブトで有ると分かる。

 俺はライ達に視線を送ると、皆が頷いたので声を掛ける。


「突然の訪問で失礼します……俺達はマザーからの依頼で来ました!」

『な、何と!? この人の子は我等の声が聞こえるのか!?』

『マザーとは長が言っていたお方か!? しかし、援軍に人の子を送るものか?』

『……人の子よ、完全に信用は出来ぬ……何か証拠は無いのか?』


 マコウカブトの言葉に、俺達が顔を見合わせるとユキがマコウカブト達の前に立った。

 ユキは優雅にお辞儀をすると、自己紹介を始めた。


「私は此方に居られる虫の王、マヒト様の重臣でありマザーの実の娘のユキと申しますわ……」

『何と! 実の娘……それに虫の王とな!?』

『実の娘足る証拠はこの姿で事足りるでしょうか?』


 ユキは何時もの間延びした喋り方を辞めて、粛々と言葉を交わしている。

 最後にデスフォレストスパイダーの姿になった所でマコウカブトの一匹が長の息子を呼びに行ったのだった。




 現在、俺達の前には他のマコウカブトよりも一回り大きいカブトムシがどっしりと佇んでいる。

 彼こそがマコウカブトの長の息子で在るらしい。


『そうか……親父は最後の力を振り絞ってお前達をここへと向かわせたのか……』

「長はマジンクワガタ達を救って欲しいと言っていたよ」

『……奴等と俺達は互いに助けあって行く筈だった……しかし、突然……アイツは!! 俺達を裏切った!!』

「マジンクワガタの長の息子の事だね?」


 ライの言葉にマコウカブトは頷く。


『あいつとは昔から何かと競い合ってきた中なんだ……両種族の交流の話しが出た時は互いに手を取り合おうと話し合った時もあいつはかなり歯切れが悪そうだった』

「そして、今回の騒動か……」

『禍々しい魔力を纏ったあいつに俺達は歯がたたなかった……そんな俺達を親父は逃がしてくれたんだ』


 悔しそうなマコウカブト達に俺は一つの提案をする。


「マコウカブトの長の息子、お前は俺と契約する気はないか?」

『……それはお前の下に付けと言うことか? それで俺は強くなれるのか?』

「それは間違いないよ? 君達は今ここに居る私達……ミロスくんを除いた四人に勝てるかい?」


 ライの言葉に長の息子は、ライ達に視線を向けてしばらくすると首を横に振る。


『無理……だろうな、俺も相当強いつもりで居たが……井の中の蛙だったか』

「でも、マヒトくんと契約すれば……少なくとも君の仲間達を守るのに不自由しないと思うよ?」


 次のライの言葉で長の息子は仲間達を見渡す。

 そこには不安そうな仲間達が長の息子を見ていた……そして、長の息子は決意したのか真っ直ぐに俺に視線を向ける。


『分かった……俺をマヒト殿の従者の末席に迎えて欲しい』

「よし、それじゃあ早速始めようか……ライ、俺の体とミロスさんを頼んだ」

「了解! さて、マコウカブトの皆も危ないかも知れないから離れてね」

『わ、分かりました』


 俺は長の息子の近くに行くと……


〈契約を開始します〉


 ……いつものあの声が響いてくる。


〈マコウカブトと契約をします〉

〈名前をお決め下さい〉


 名前か俺の世界で鉄を意味する言葉が有る、彼等の体は鉄そのものの様に屈強だ……だから。


「お前の名前は黒鉄クロガネだ俺の居た世界では鉄を意味する言葉だ……鉄の様に屈強なお前にピッタリだろ?」

『クロガネ……確かに名を貰い承けた……これからも仲間達とマヒト殿の為に戦い抜いて見せよう』


 クロガネの言葉に頷くと、無機質な声が更に続く。


〈契約完了〉

〈ムシの王の力により、契約虫“クロガネ”が従者へと変化します〉

〈“コネクト”により、“身体強化”“鋼鉄体”“カウンターチャージ”を獲得しました〉


 ヨミと契約した時から獲た“コネクト”によりクロガネに関連した能力を獲た様だ。

 しかし、今回はそれで終わりではなかった。


〈従者の数が規定数に達した為、新たなスキル“シンクロ”が解放されます〉

〈従者の数が規定数に達した為、従者達が家臣へと変化しました〉

〈家臣達は新たに眷属を持つ事が出来ます、眷属は家臣達の能力に影響を受けます〉

〈家臣へと変化した為、ライ、ヨミより“コネクト”を受けます“帯電”“超感覚”“高速化”“毒無効”“家事上手”“技巧”“魔力糸”を獲得しました〉


 多いな……頭が……パンクしそうだ。


「む!? マヒト殿しっかりしろ!」

「大丈夫、契約後は絶対こうなっちゃうんだ」

「マヒトちゃん、ゆっくりぃお休みぃ」


 心配するクロガネの声と、いつも通りのライとユキ言葉に俺は少し安心して目を閉じるのだった。




 ────────────────────




 しばらくして、俺は目を覚ますと目の前にはヨミが居た……今回の膝枕役はヨミの様だ。


「ヨミ……」

「ん? ああ、おはようございますですわ御兄様」

「おはよう、俺はどれくらい寝てた?」

「もう日が暮れ初めて居ますわ……」

「そうか……前よりは短くなったな」


 マコウカブトの長と会い、ここに来た段階では恐らく昼辺りそこから日暮れまでならかなり短くなったと言えるな。

 俺が体を起こすと、少し離れた所でライと見馴れない男が手合わせしてる様子が見える。

 オールバックの漆黒の髪に、筋骨隆々な肉体に何故かタンクトップを着ている。

 顔は少し険しい雰囲気が有るイケメンで有る。


「人間の身体での戦いには馴れが必要だからね……ガンガン行くよ!」

「……俺とて戦闘種族マコウカブトの端くれ……望む所だ!!」


 ライが高速で間合いを詰めて鋭い一撃を振るう!! 勿論手にはライの牙が握られている。

 しかし、クロガネも臆すること無く腕を覆うように出現させた手甲で受け止めてみせた!

 そして、攻守が交代し距離を取ったクロガネは手甲を輝かせてライに向けて拳を突きだす!


「“カウンターチャージ”!! “インパクトリリース”!! “鉄閃”!!」

「わわわ!? ち、ちょっとタンマーー!」


 クロガネの手甲から放たれた閃光をライが慌てながら交わす!


「なんと!? アレを交わすか!!」

「君こそ! 素晴らしい戦闘センスだよ!」


 今の攻防で区切りが付いたらしく、お互いに健闘を讃え合っている。

 なんだかんだ行ってライも戦闘が嫌いでは無いからな。

 ある程度言葉を交わしあったライとクロガネが此方に気が付いた。


「あ! おはようマヒトくん、今はユキが私達用のご飯を作っててシノブは周りを警戒してくれてるよ」

「俺はこの身体に慣れる為にライ殿に手合わせ願っていた所だ」

「そうか二人ともお疲れ様、所で何でクロガネは袖がないんだ?」

「しゅー! しゅー!」


 どうやらクロガネは人間の姿になりしばらくはカブトムシの角等が有ったがそれらも無くなり、くま吉から簡素な服を受け取った後身体を慣らす為に色々と動かしていたらしい。


「いざ、戦闘訓練と思って蹴りや突き等をしていたら袖がボロボロになってしまってな……くま吉殿から替えで貰ったのがこの服だった」

「へー、くま吉よくタンクトップ何て知ってたな?」

「シュー?」


 俺の言葉に首を傾げるくま吉を撫でる。

 こうして、新たにマコウカブトのクロガネが俺達の仲間に加わったのだった。

次回! 新しいスキルと家臣と眷属

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