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35 エリック領主の住まい

Switch2で盛り上がってますね……

 昨日の訓練後、俺とくま吉以外の皆は部屋に戻るとダウンしてしまった為夕飯はマザーお手製の料理だった。

流石はユキを育てただけは有る……因みにメニューはライが持っていたコカトリスの唐揚げだった。

 夕飯後は汗を流して就寝……そして、現在は昼の12時……なんで!?


「あ、おはようございますマヒトくん」

「あ、マザーおはようございます……じゃなくてなんでこんな時間なってるんですか!?」


 俺の言葉にマザーはコロコロと笑うと、楽しそうに答える。


「昨日は疲れて居たでしょうから、領主様にご挨拶に行くのは午後にして貰いました」 

「そ、それはお気遣いどうも」

「ふふ、もう皆起きて昼食を食べ初めてますから急いで下さいね」


 マザーはそう言うと、そのまま食堂の方へと行ってしまった。

 俺は一旦部屋に戻ると、服を着替えて(まだ寝ていたくま吉はフードへ)、顔を洗うと食堂に向かった。




 食堂に着くと既にライ達が居た、ユキとヨミは昨日の事が家事はお休みで朝食? は引き続きマザーが作ってくれていた。

 因みにライは配膳してくれているマザーに何やら噛みついて居るみたいだ。


「……絶対次にやったら私が勝つよ!!」

「ハイハイ、いつまでも過ぎた事をケンケン吠えて無いで席に座りなさいな」

「くうぅ、その余裕の態度……あ、マヒトくんおはよう!」


 どうやら昨日の敗北が気に入らないらしい、上機嫌なマザーに軽くいなされている。

 そんな中こっちに気付いたライはさっきまで態度を引っ込めて挨拶をしてくる。


「ああ、皆おはよう……って言っても、もう昼だけどね」

「おはよう、マヒトちゃん……まだ、昨日の疲労がぁ抜けて無いわぁ」

「おはようございます御兄様、ヨミは生きて帰って来ましたわ……」

「おはよう……主」


 ライ以外の三人は昨日の稽古で、まだ本調子では無いみたいだ。

 俺はそのまま、席に着くとくま吉も起きたのかテーブルの上に飛び出てくる。


「シュシュ!」

「くま吉もおはよう」


 全員が席に付き朝食? を食べて、この後はいよいよ領主様に会いに行くことになる……因みに朝食はマザーお手製のオムレツでした……超美味しかった。




 ────────────────────




 遅い朝食を食べて、身だしなみを整えるといよいよ領主様に会いに行く事になった。

 マザーが先んじて服装について聞いた所公式の場で無いため、いつもの冒険用の装備で良いらしい。


「一応皆の紹介にもなるから全員で行くことになるけど大丈夫かな?」

「問題ありませんわ」


 ヨミがそう言うと、他の三人も頷く。


「よし、じゃあ行こう……か?」

「こんにちは、マヒト様御一同で間違いありませんでしょうか?」


 出発しようと扉を開けるとすぐそばに執事が立っていた。

 突然の事に思わず……


「はい」


 と気の抜けた返事をしてしまう。

 しかし、執事は気にすること無く自己紹介を始めた。


「突然失礼しました……初めまして、私はイゴール家執事のセルフ・ベージュと申します以後お見知りおき下さい」

「えっと、マヒト・モリハラです……よろしくお願いします」

「ライです」

「ユキと言いますぅ」

「……ヨミですわ」

「……シノブ」


 マヒト達が挨拶をすると、セルフさんは綺麗にお辞儀をする。

 セルフさんは、白髪のまじる黒髪を短く切り揃えた初老の男性で見るからに仕事の出来る感じだ。


「それでは、マヒト様御一同とマザー様を屋敷までお連れするようにご主人様より申し付けられておりますゆえ外に停めて有る馬車へとお乗りください」

「そ、そうですかお迎えありがとうございます……でも良いんですかね? 此方からお邪魔させて貰うのに……」

「マヒトくん、彼方からのご厚意ですのよ。有りがたく甘えさせて頂きましょう」


 マザーは馴れているようで、戸惑う俺にそう声をかけてくれた。

 俺は頷くと、セルフさんに「お願いします」と頭を下げる。


「では此方へ、馬車へと案内致します」


 セルフさんに連れられて、家の前の豪華な馬車へと向かって行く。

 セルフさんが馬車の扉を開く。

 そして、中を見ると最初に気付いたのはヨミだった。


「この馬車……見た目に反して中は凄く広いですわね」

「人数を確認してから中を拡張出来る魔道具なのですよこの馬車は……さぁ、足下にお気を付け下さい」


 最初にマザーを始め女性陣を乗せて、俺、シノブと乗るとセルフさんは扉を閉めて御者席へと乗ると俺達声を掛ける。


「それでは出発致します……少々揺れますのでお気を付け下さい」


 そう言うとセルフさんは馬車を発進させるのだった。




 ────────────────────




 馬車が出発して数時間、正直思ったより長い。

 領主の屋敷は一応クルーデンの街の中にある筈なのに同じくクルーデンに有る我が家からどうしてこんなに時間が掛かるのか。

 そんな事を考えて居ると、馬車の揺れが収まった。


「……すぅすぅ……うぇ!? つ、着いたのかい!?」

「そうみたいだな……ライ、寝起きのところ悪いが頭を退かしてくれ」

「え? あ、ああ……ご、ごめんね」


 余りにも時間が掛かり眠ってしまったライは隣に座っていた俺の膝を枕にしていた。

 それに気付いたライが顔を真っ赤にして慌てて起き上がる。


「あらあら、ライちゃんたら……」

「……ちょっとだけ羨ましいですわ」


 ユキとヨミが、何だか不機嫌そうにしている気がする。

 マザーは横で「ホホホ」と上品に笑ってらっしゃる。

 そんなやり取りをしていると、馬車の扉が開きセルフさんが声を掛けてくれる。


「皆様、我が主領主エリック・イゴール様の屋敷に到着致しました……どうぞ足下にお気を付け下さい」


 セルフさんが開けてくれた扉から外へと出ると、目の前には豪華で立派な屋敷がたたずんでいた。

 周りを見渡すと、広大な庭があり入ってきたと思われる門は遥か遠くだった……ここって本当にクルーデン?


「ようこそ、我が屋敷に……お待ちしておりまたぞマヒト殿」

「え、えっとイゴール領主様……俺はそんな大層な人間じゃないので」

「はっはっはっ! そうかそうか! ではマヒトくんと呼ばさせて貰おう……君達も私はエリックと呼んでくれ」


 馬車から降りると出迎えてくれたのはなんとエリック領主本人……とエリック領主に良くにた男性が二人だった。

 そして、エリック領主が畏まった態度で出迎えて来たので俺は慌てて言うとエリック領主は愉快そうに笑う。


「はぁ、からかわないで下さい」

「だが、名で呼んで欲しいのは本当だぞ? これから長い付き合いになるのだからな」

「……ではエリック領主で」

「少々堅苦しいが……まあ良いだろう」


 機嫌の良さそうなエリック領主に、側に控えていた男性の一人がエリック領主に声をかけた。


「父さん、そろそろ僕達にも紹介してくれないかい?」

「兄貴の言うとおりだ……それにローレンスの知り合い見たいだしな」

「おお! そうだな……この二人は私の息子でね、ローレンスの兄達だ」


 エリック領主がそう言うと、知的な雰囲気の蒼い髪の男性が最初に自己紹介をする。


「初めまして、イゴール家長男ロニー・イゴールと申します……ローレンス共々よろしくお願いしますね」

「マヒト・モリハラです……」


 ロニーと名乗った男性は大体二十歳位で身長は高いがローレンス程がっしりしてるタイプでは無い様だ。

 そして、エリック領主とは違い蒼髪のストレートである。


「ふふ、髪の色が気になりますか? 母が蒼髪でして、私だけ母から遺伝したのです」

「成る程」


 俺が握手をすると、ロニーさんはそのままライ達へと自己紹介に行った。

 ロニーさんと入れ替わりで、体格の良い鎧姿の青年が自己紹介をする。


「イゴール家次男アイザックだ! まあ、よろしくな……」

「マヒト・モリハラです」

「俺は一応クルーデンの衛兵達を束ねてんだ、ハワード知ってるだろ? アイツの上司な」


 アイザックと名乗った男性は、赤髪を短く切り揃えロニーさんとは違い活発そうな雰囲気だ。

 どうやらイゴール家はロニーさんが領地経営をし、アイザックさんが街を守り、ローレンスさんが領地内を飛び回ってる様だ。

 ロニーさん達とライ達の自己紹介まで終えるのを確認するとエリック領主が俺達に声を掛ける。


「よし、自己紹介はすんだな? それでは私の執務室に案内しよう……セルフ、お前は下がっていいぞ」

「……かしこまりました」


 エリック領主の言葉に、セルフさんは何処かへと姿を消した……文字通り。

 ええ!? 何あの動き!?


「……あの執事……出来る」

「老人相手に対抗心を燃やすんじゃありませんわ」


 こうして俺達は今後の話し合いをするために、エリック領主の屋敷へと迎えられたのだった。

ようやく出番が来たイゴール家……

次回! エリック領主は仲間になりたそうに見ている

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