22 お仕事は虫探し?
ジャンボリーが気になる……けどマリルイRPGも買いたい!
暗い森の中、男達は人探しの依頼を受けていた。
「ちっ、何だって俺が人探しなんて……よりにもよって、消息不明の初級冒険者なんかをよぉ」
「しょうがねぇだろ! オルスタ! てめぇが彼方此方で問題を起こすからこんなことになってんだろうが!!」
「本当だよ、初級冒険者なんてほっとけよ……挙げ句、女に投げ飛ばされたんだろ? ぷぷっ」
「うるせぇ!! ちっ、さっさと終わらせて帰るぞ!」
苛立ちを隠せない男はマヒト達に絡んだ中級冒険者のオルスタだった。
オルスタは仲間達数人とギルドから問題を起こした罰として行方不明の初級冒険者の捜索に来ていた。
今いる森はその冒険者パーティーが依頼を受けて来ていた森なので有る。
「……? そう言えばよぉ、この森ってこんなに魔物少なかったか?」
「ん? 確かに魔物がすくねぇな……」
オルスタの疑問に仲間の男の一人が周りを見渡して首を傾げる。
そして、もう一人の仲間にも確認しようとするが……そこで問題が起こった。
「おい、カール……カール? あいつ何処に行ったんだ?」
「は? さっきまで近くにいただろ!?」
「様子がおかしい! 構えろシモンズ! 油断するなよ」
オルスタが仲間の男に声を掛ける。
しかし、返事は返って来なかった。
「し、シモンズ!? シモンズ! な、何だよコレ……!? 何だよあれ?」
消えた仲間達を探して周りを見渡すと、何かが動いているのが見えた。
見え隠れする細長い身体に六本の足……初めて見るその存在にオルスタは逃げ出した……
『……森が騒がしい……珍客はアレか?』
『……違うな……』
その存在の姿が完全に消える、何事も無かったかのように……
オルスタが逃走した森の中、カメレオンの様な魔物を撫でる男が一人。
角は無いが見た目は魔族に近いが角の変わりに蝙蝠の様な翼が生えている。
「今回来た連中もハズレか……食っていいぞ」
「グルルル」
しかし、帰ってきたのは何か不満そうな唸り声だった。
その様子に男は不審に思い魔物を見る。
「……? 何だ? もう食べたのか……足りなかったのか……」
「グワウ!」
「今日は撤退だ……また獲物を誘き寄せてやる」
男は気付かなかった、魔物は今日の獲物を食べてはいない。
魔物の目の前から倒れた者達は突然と消えた事に男は最後まで気付かなかった。
『まだ生きてる……』
『近くの村に捨てて来るか?』
男達を助けたそれは……一匹の虫だった。
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俺達は今、マザー……ユキの実の母親でライ達の育ての親と対面している。
さっきまで騒がしく言い合っていたがそれも終わり、今は落ち着いている。
「改めてよろしくねマヒトさん……貴女達、仕えるからにはしっかりとやるのですよ?」
「マザーは心配性だね……」
「ライ、貴女が一番心配なのだけれど……大丈夫? 変わる?」
「変わらないよ!? 同期だからって遠慮が足らないんじゃないかなぁ!?」
「冗談よ、元ニート程暇じゃないの」
「ああ!! 刺した! 痛いいたい!」
否、全然落ち着いて無いよ……とにかく用件を聞かないと……
「んん! それでマザーさんはどうして俺達に会いに来たんですか?」
「ああ、そうでしたね……実を言うと貴方達に頼みたい事があるの」
「頼みたい事?」
俺の言葉にマザーさんは真剣な表情で頷く。
「母さん? もしかしてぇ、私達のお役目と関係が有る事かしらぁ?」
「ええそうよ、ふふユキは名前を貰って前より頼もしくなったかしら?」
「お役目とは何ですか?」
ニコニコでユキの頭を撫でるマザーに質問をする。
マザーは決してユキのナデナデを解除せずに質問に答える……ユキ顔が赤いよ? 可愛いね。
「私達はかつての主である人物から虫達の不自由無いように管理する事を頼まれていました」
「はうぅぅ」ナデナデ
「御姉様、今助けますわ」
「故に私も何度か其々の棲みかに訪問した事も有ります……ヨミには可哀想な事をしました」ナデナデ
「自然な流れで巻き込まれましたわ!?」ナデナデ
おおう、話が入ってこない……何とか理解をして行くしかない。
何とか理解した範囲で言うと、最近は本業で忙しい事が多い為代わりに虫達の様子を見に行って欲しいと言うことだった。
「連絡の取れない者達も多数居ましてね……娘達も離れて少し寂しいです」ナデナデ
「あ! そう言えばぁお姉ちゃんは最近どうしてるのぉ?」
「元気にしているみたいだけど……中々顔を見せに来ないのよ」ナデナデ
「あの御姉様は結構面倒くさがりでしたものね……恐らく外出したくないだけですわ」
「まあ、とにかく話しはわかったから……マヒトくんこの件は受けて良いと思うよ」
「わかった」
俺達の言葉にマザーさんは嬉しそうに頷く。
そして、最後に立ち上がりながら俺達に言い残して行った。
「この仕事に関して注意して欲しい事が有ります……虫達の中には不審な動きをしているものが居ます呉々もお気を付けて」
「……分かりました」
「近くにある棲みかは少し離れた所の森です……それでは私は戻らないと行けないので」
マザーさんが立ち去るを見送り俺達もカウンターへと戻るのだった。
カウンターへと戻ってくると何だか騒がしい、何時もの騒がしさよりも幾分か緊張感が有るように感じる。
「本当なんだよ! 仲間達が次々と消えて、うっすらと見えたんだ! 細い6本足の化物をよ!」
「それで……仲間を見捨てて逃げて来たと?」
「ふざけんなよカイン! 俺は逃げてなんて……」
どうやらボロボロの冒険者が仲間を見捨てて逃げて来たらしい……ってあれ? アレって確か……絡んできた……オイスター? とかって名前の冒険者。
しかも、気になる言葉を言っていた……6本足の細長い化物?
「カインちょっと失礼……オイスターさん」
「オルスタだ……ちっ、何だよ……」
「その依頼俺達が引き継ぎます、ついでにお仲間さんの捜索も」
「は!? 何でだよ!?」
「そうだぞマヒト、コイツの尻拭い何て……」
カインさんの言葉はありがたいが一旦スルー、直ぐに近くで様子を見ていたマスターに声を掛ける。
「マスター! 例のご婦人関連です!」
「……!? わかった、マヒト今回の件はお前達に任せる……帰ったらその嬢ちゃんの事も合わせて言える事だけ教えろよ?」
「了解です!」
「色々巻き込むから覚悟しておくんだよ!」
「それでは行ってきまーす」
「……早く行くのですわ」
其々がマスターに声を掛けて、アイナさんに対応して貰う。
後ろからマスターに詰め寄るカインさんが見えたが何かを言われて渋々引き下がった様だ……何を言われたんだ?
「アイナさん、聞いてましたよね? 依頼を受けます」
「……正直、私はマヒトくん達に行って欲しくないです……初級冒険者が受けるものでは無いですから」
「すいません、こればっかりは譲れない理由が有りましてね」
「……その理由をちゃんと私達に話して下さいね? ……コホン、この依頼を達成した時貴方達は中級冒険者に昇級します、責任が増し、後輩を導く立場になります……無事に帰って来て下さい!」
アイナさんは真剣な表情で依頼書を渡してくれる。
中級冒険者はまだ早いと思うが、見透かした様にアイナさんは微笑む。
「当然異例の速さです、マスターから伝言です……その戦力は初級じゃ手に余るそうですよ」
「はは、謹んでお受け致します……」
「はい……それではいってらっしゃい」
「行って来ます」
アイナさんにここ最近は交わせなかった何時もの挨拶をして、俺達は冒険者の捜索へと向かったのだった。
目的地はここから少し離れた森、近隣の村〈ナナシ〉だ!
おまけ
カイン「マスター正気かマヒト達を行かせるなんて!!」
ドリトン「深い訳が有る……心配するな」
カイン「深い訳? 何を隠してるんだ……?」
ドリトン「安心しろ、仲間外れにはせん! 全員堕ちる時は一緒だ!」
カイン「藪を突いて蛇に噛まれた気分だ……」
真人(カイン、気分悪そうだけど大丈夫かな?)
二人のやり取り詳細。
次回! 閑話、勇者達の旅2です!




