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2 裏では色々合ったみたいです

今回の作品では進行が一人称なんですよね

 お披露目パーティの翌日からワームルス城での勉強という名の訓練? らしき事が開始された。

 後、今日はまさ達と一緒に旅に出る人達と顔合わせをするらしい。

 何でも最初はお披露目パーティでまさ達と話していた見るからにゴテゴテの貴族二人を付けられそうになって、まさ達が拒否したらしい。


「考えても見ろよ真人、明らかに下心丸出しの人間と一緒にいたら疲れるだろ?」

「そうそう、なんか視線も気持ち悪かったし」


 哀れ貴族の二人、ボロクソに言われてるぜ御愁傷様。

 そんな話しをしていると、昨日のモノクルの文官の女性が俺達が待機していた部屋へと入ってきた。


「皆様、お静かにお願いします。この度、皆様の教育、指南役を仰せつかりました……ベルーラ・オルスタインです」

「宜しくお願いします」

「「「お願いします」」」


 入ってきたベルーラさんの言葉に俺達はしっかりと返事を返す。

 ベルーラさんは出来る女性の雰囲気を感じる年齢は恐らく三十代後半位の美人さんだ


「ええ、宜しくお願い致します……ちゃんとマヒト様も来られたのですね」

「お、脅されたので」

「人聞きが悪いですよ、本当の事を言っただけです」


 ベルーラさんはそう言うと、黒板の様な板に文字を書き始めた。


「まず、皆様には簡単にこの国を取り巻く周辺諸国との関係を知って貰います。同時に近寄って行けない国も教えます」


 ベルーラさんによる授業が開始された。




 ────────────────────────




 ベルーラによる授業が開始された頃、とある部屋には一人の青年とこの国の姫であるレティアが国王に呼ばれていた。


「ふむ、お前達に来て貰ったのは他でもない……マサヨシ達の事だ……」

「ああ、何でもオルコット伯爵とメルゴール伯爵のお子様達の同行を断ったそうですわね」

「いやー、利口な判断だと思うよ俺は……あの二人が一緒じゃトラブルが絶えんで疲れちまうよ」

「そんなにか」

「あまり良いお話は聞きませんわね」


 王族二人が居るなかでも、萎縮する事もなく堂々としているのは少し辺境の街の領主、イゴール子爵の三男に当たるローレンス・イゴールである。

 父親譲りの赤髪を結んで肩に掛けてる、自信に満ち溢れたイケメンだ。

 そんなローレンスはイゴール領のみならずこのワームルスの城下町にもその名を響かせる程の冒険者でもある。


「ローレンスよお前には、我が娘レティアと共にマサヨシ達を支えてやって欲しい」

「おお! それは光栄だな剣姫けんきとそれに勇者達と冒険なんてワクワクするぜ」

「お父様、何故私に?」

「レティアよ、お前ももう16歳になるのだ世界を見て見聞を広げよ……必ずいつかお前の力になる」


 レティアはただの箱入りお姫様ではなかった。

 特殊なスキル〈剣姫〉にて類い稀な身体能力とセンスを持ち合わせていた。


「お父様……分かりました。この任、必ずや全うして見せます」

「うむ、くれぐれも無理はしないように……期待しているぞ」


 エリオット王はそう言うと、二人の肩を優しく叩きその場を後にした。


「あ、一旦帰って婚約者フィアンセのエリナに言わないと……」

「それなら既に伝令鳥が出されたわ、ローレンス準備なさいこの後は顔合わせが有るわよ」

「お、マジでサンキュー……それにしても勇者か強いのか?」

「まだ、魔法の適正も分からないし、武器も決めてないのよ分からないわ」


 二人はエリオット王が居なくなると砕けた口調で話し始めた。

 付き合いが長いため互いに気が置ける関係の様だ。

 二人は顔合わせの準備の為にそれぞれ別の場所へと向かうのだった。




 ────────────────────────




 ベルーラさんの授業により、俺達はある程度この国状況を知ることが出来た。

 まず始めにこの国の周辺諸国についてだ。

 この国自体が大陸の真ん中に位置しているため、今一触即発状態のドラゴニア帝国への抑止力になっている。

 そして、そのワームルス王国を支えるのは商人国と呼ばれる〈サカエ〉海に面した国で別の大陸との貿易が盛んな様だ……海か是非見てみたい。

 現状、ワームルス王国と足並みを揃えてドラゴニア帝国を抑えているのが魔王国〈ダクライト〉、この世界の魔族は高密度の魔力を角の形維持しているのが特徴らしい、魔法に優れ、魔王国内には国内外問わずその門を叩く魔法の名門学校があると言う。

 そして、どちらにも付かず中立を貫いて居るのは獣人や亜人の国〈エルフライク〉、獣人、エルフ、ドワーフなど種族として人族とも魔族とも違った特徴を持つ者達が住む国、この国こ特徴はそれぞれの種族が独立した自治体を持っていることだった。エルフにはエルフの、ドワーフにはドワーフの、獣人には獣人のテリトリーが有るため、この国には王が三人居るのだとか……超見てみたい。


「決してドラゴニア帝国には近付かないで下さい……そして、もう一つ近付いては行けないのは魔人の国です」

「あ、あの、魔族と魔人はどう違うのでしょうか?」

「確かに種族として似ては居ます。ですが優衣様、魔族は理性的で社交的です、しかし魔人は違います自身こそが最も優れた存在だと自負し他の種族をゴミの様に見下して来ます……」

「となると、一番怪しいのは魔人の国か……」

「例えそうだとしても……私は行くこと勧めません……今日の座学は此処までです、明日は魔法の適性検査をしますのでそのつもりで……また昼食後、訓練所にて皆様に合った武器種を探します、昼食後に案内が来ますので案内に従って下さい」


 ベルーラさんによる午前の授業が終了した、俺は「ああ゛」とおっさん見たいな声を上げると立ち上がる。




 俺達は案内人に連れられて、兵士用の食堂へと来ていた。

 この食堂では、希望した兵士や騎士、場合によっては隊長さんも居る時がある様だ。

 俺達は食堂のおばさんから昼食を受け取る。


「「「「ありがとうございます」」」」

「まあまあ、噂の勇者様達は礼儀正しいのねぇ……どういたしまして」


 そして、そのまま四人で纏まって端の席に腰を下ろすと、おしゃべりタイムに突入である。


「当たり前だけど……私たちが居た世界とは全然違うね」

「ああ、その通りだな……真人、死ぬなよ」

「ばっかまさ、それはお前達も一緒だろ?」

「私達は四人何だよ? 真人くん全然ちがうよ……」


 互いを心配し合う三人に聞こえるように、織姫が「パンパン」と手を叩いて注目を集める。


「突然だけど重大発表、私は明日の魔法の適正検査が終わったら本格的に服作りを始めるつもりよ」

「はや、素材とか設備は?」

「実は昨日のパーティの最中に商人を一人捕まえて、王様と一緒に色々と買ってたんだよねぇ」

「じゃあ、一足先に織姫ちゃんは動き始めるんだね!」

「そう、王様から最初の服の資金は四人分お金出してくれるってさ……良いの作るから楽しみにしててよ」


 織姫の言葉に俺達は頷く。

 そして、時間が迫ってるのに気が付いて大急ぎで昼食を食べることになった。




 昼食が終わると一人のメイドがやって来た。


「初めまして、ワームルスでメイドを勤めて居ます。アンナ・ルーフェンです……これから皆様を訓練所へと連れて行かせて頂きます」


 やって来たアンナさんの案内のもと、俺達は訓練所と思われる広場へとやって来た。

 そこには小柄な髭を蓄えた男と、鎧を着た金髪イケメンが並んで立っていた。

 と言うか、小柄な男性は間違いなくドワーフだよな……おお! 一気にファンタジー感がマシマシだ。


「おっ、来たか! ほらほら早速此処に並んどる武器を選んでくれ、選び終わったらそこの男に一振打ち込んでくれれば良い……おっと、弓や杖を選ぶならあっちの的へ行ってくれ」

「いや、武器を選んでくれって言われても……しかも、打ち込むって」

「此処に並んでいるのはゴーザの自慢の武器だ。手入れを怠らなければ一生の相棒にすらなる代物だ……あと、打ち込みに遠慮は要らない、本気でやってくれなければ調整出来ないからね」


 到着するなり男達はさっさと話しを進め始める。

 話しを聞く限りゴーザと呼ばれたドワーフはかなりの名工らしく、並んでる武器はすべて一級品らしい。

 来てからずっと黙っていたメイドが静かに呟く。


「自己紹介位出来ませんか? 皆様が困惑しています」

「ぬお! そ、そうだな、んん゛ワシは鍛冶屋のゴーザ・アインアットだ、よろしく!」

「俺はクライス・シュナイダー、一応騎士団で1部隊任されてる騎士だ」


 二人はアンナさんの言葉に慌てて自己紹介をし始める。

 見るからに、アンナさんを怖がっている様に見える。


「おっほん、まあ、なんだ……気負わんでも良いんだ一振見せて貰えれば調整出来るからな」

「分かりました、じゃあ俺から……これにします」

「ほうほう、片手剣だな……よし、クライス! 受けてやってくれ」

「了解……全力で来てくれ」

「はい!」


 一番手に名乗り出た、まさが片手剣を選んだ片手剣は片手で降ることが出来る軽めの剣でメリットとしてはもう片方の手を自由に使える事だろう。

 まさは片手剣を握り上段から振り下ろす。


 ガチィィン


 金属音が鳴り響き、それをゴーザさんが真剣な眼差しで見ている。

 また、一撃を受けたクライスは感心した声を上げる。


「おお、なかなかの一撃だったよ。惜しいな訓練を積めば良い騎士になれるのに……」

「はは、お世辞として受け取っておきます」


 まさの軽い返しにクライスさんは「本気なんだかな」と頭を掻いていた。


「うし! 次は誰が行く?」

「じゃあ私が」


 ゴーザさんの言葉に、優衣が手を上げて武器を選ぶ。


「まあ、杖かなぁ」

「杖か……じゃあ目を瞑って、杖に意識を集中させてくれ」

「はい!」


 優衣はゴーザさんに言われるまま、目を瞑った。

 すると、杖の先の石が光り初めて暫くすると粉々に砕けてしまった。


「ええ!」

「ゆ、優衣お前……」

「うえ!? ま、真人くん何!? そのやったなって顔!」


 慌てる優衣にゴーザさんは陽気に笑う。


「はっはっはっ! 大丈夫だ、そう言う物だからな……ふむ、魔石の容量が足りんみたいだな」

「な、なんだぁ~……もう、心臓に悪いよ」

「うし! さあ、どんどん行こうか!」

「次は私ね」


 次は織姫が前に出る、留守番なので必要無いように思えるが護身用に持っておくみたいだ。

 そして選んだのは弓だった。


「あの的を射抜けばいいのね」

「まあ、出来るならな」


 織姫はそう言うと、綺麗なフォームで弓を引くそして……


 ヒュン トス!


 と的に見事命中させる。

 それを見て、ゴーザさんは感心した様に頷く。


「おお! 見事なもんだ!」

「元の世界では一応やってたから」

「織姫ちゃんは習い事いっぱいやってたもんね!」

「ふむ、弦をもう少し調整した方が良さそうだな……それじゃあ最後!」


 そして、いよいよ俺の番である。

 と言っても剣何て使えないだろうし、身を守るにしても取り回ししやすい物が良い。

 そんな訳で短剣をチョイス、軽くヒュンヒュンと振ってみる。


「よし、勇者様と同じように全力で来てくれ!」

「了解!」


 クライスさんにそう言われて、全力で短剣を振り抜く。


 キィィン


 軽い金属が響く。

 ゴーザさんはうんうんと頷くと、俺達が持っていた武器を全て回収して行く。


「よいっしょっと、んじゃあ俺は調整するのに工房に籠る。あんたらが出発する時に完成品を渡すから楽しみにしてな!」

「よろしくお願いします」

「俺も騎士団に戻らないとな……アンナさん、後はよろしく」

「承りました……では皆様、顔合わせの会場へ向かいましょう」


 武器選びの終わった俺達は今日最後の予定である、まさ達の同行者との顔合わせへと向かうのであった。

次回! 顔合わせ後に魔法適正検査

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