表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ムシテイマー~役目も無いので虫達と自由に暮らす事にしました~  作者: SUZUKING
第一章 想いは遥か遠くより君に……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/66

19 クモさん素敵な服を着る

もうすぐシーザーガチャ!

 ベルモンドさんの依頼が終わった翌日、宿に配達員が来て手紙を渡してきた。

 そこには、服が完成したと書かれており二人に報告すると早速受け取りに行くことになった。


「さあ、いくわよぉ!」

「ユキはテンション高いなぁ……」

「仕方ないさ、ユキは凄く楽しみにしていたからな」


 ユキに手を引かれるライの言葉に、俺は妹が居たらこんな気分なのかなと思いながら歩く。

 そして、気が付けば織姫がお世話になっているメアリー婆さんの工房に着いていた。


「おはようございます! 誰か居ますかー」

「おや、早いじゃないか……おはよう」

「メアリー婆さん、おはよう」


 カウンター奥からメアリー婆さんが出てきて挨拶をしてくれるとライも挨拶を返した。

 ユキはそわそわしてそれどころじゃ無いらしい。


「来な、あの娘に来たら案内するように言われてるさね」

「はい、お邪魔します」

「お、お邪魔しますぅ」


 メアリー婆さんに案内されて織姫が居る工房へと入る。

 そこには数日前とは違って、物凄い隈を作った織姫が待っていた。


「おふぁいふぉう……」

「……おはよう、大丈夫か? 凄い隈だけど?」


 寝癖も酷く、以下にも徹夜してましたな風貌に俺は思わず聞いてしまう。

 すると、織姫は目を擦りながら頷く。


「だいじょうぶよ、正直貴方達の服を作ったときは殆ど寝てなかったし……三徹位余裕よ」

「はぁ、言っても無駄だと思うが無理するなよ?」

「心配しないで、この後服を着て見せて貰ったら今日1日寝てるつもりだから……ふぁ……」


 欠伸をする織姫を見て、俺は仕方ないと思いながら本題に入る。


「それじゃあ早速服を見せてくれ」

「分かったわ、二人とも此方に着て」

「「はーい」」


 俺の言葉に織姫は頷くと、ライとユキを連れて奥の部屋へとはいっていく。

 とは言え扉が有るわけでないので会話が丸聞こえだが……


「すごっ、ライさんスタイル良すぎ……胸も大きいし……サイズは魔法で調整出来るから良いけど……」

「あはは、ちょっとくすぐったいよー」


 ……何をしてるんだろうか?


「ユキさんは何て言うか……女の私でもため息が出そうね……」

「ふふ、オリヒメちゃんもぉとぉっても可愛いわよぉ?」

「……そ、そう」


 織姫の照れた感じが想像がつく……いやいや、無心だ無心になるんだ!

 俺が頑張って女子達の会話から意識を外していると着替え終わったのか三人が戻ってきた。


「お待たせ! さあ、ご覧有れ! 私織姫の最高傑作を!」

「あはは、は、ハードル上げるね……マヒトくんどうかな?」

「……!? に、似合ってるよ」


 最初に出てきたのはライだった。

 黒いクールな印象のパーカー、中にはキャミソールで中々大人な印象である。

 下はホットパンツで生足が……露出多くない? だいじょうぶ? 顔が熱いな……


「肌が多いけど、ユキさんから貰った糸が凄く優秀でね? チェンジ以外にも色々付与出来たから見た目より固いし自己修復もするし、温度も快適になってるわ」

「へぇ、凄いな」

「そう凄いのよ、性質も変化するから見た目通りの質感なのよね」


 凄いなユキの糸、高スペック過ぎるだろ。

 そして、最後にユキが嬉しそうに出てくる。


「素敵な服ねぇ、どうかしらぁマヒトちゃん?」

「おお!? 違和感無いし滅茶苦茶似合ってる!」


 ユキの服は言うならば、和装メイドで有る着物に似た服にヒラヒラとした可愛らしいエプロンで雰囲気的にもピッタリの出で立ちだ!

 二人の姿に「むふー」と織姫も満足気だ……ハイテンションのユキがお礼に結構な量の糸を手渡して居るが今回は見逃そう。


「素敵! ふふ♪︎」

「気に入って貰えて良かったわ……この糸は真人君達用の試作品に使うから安心して?」

「ああ、そうしてくれると助かる」


 もしかしたら、仲間が増えるかも知れないし……


「シュイ!!」

「お、くま吉も何か着てる?」

「ああ、材料が余ったからくま吉君にもスカーフ作ったのよ」


 どうやらくま吉も作って貰ったらしい……カッコいいぞくま吉!

 服の披露も終わり、次は変身した時を確認するために外に移動することになった。




 この前と同じくライが認識阻害を掛けて、各々作って貰った服を着たまま変身する。

 最初に変身したのはライで、服の残骸は無く代わりに首に巻かれた黄色いスカーフが有った。


『おお! 確かに発動したみたいだね!』

「それも似合ってるぞライ」


 トンボ姿のライは器用に前足で首のスカーフを撫でている。

 暫くして満足したのかライが人に戻る、ちゃんと服も元に戻っているため成功と見て良いだろう。

 次にユキもクモの姿に変身する。

 ユキの場合は首に可愛らしい赤いリボンが結ばれて居る。


『此方も気に入ったわぁ、オリヒメちゃんありがとぉ』

「気に入って貰えて何よりだわ」


 ユキは織姫にお礼を言うとそのまま人に戻る。

 此方もちゃんと元の服に戻っている。

 それを見て織姫は満足そうに頷く。


「よし! 我ながら完璧な仕立てね!」

「ありがとう織姫、いくらだ?」

「ああ、お代は良いわよ? 素材は持ち込みだったし……」


 呆気からんとそう言う織姫に、俺は思わず首を横に振る。


「いやダメだろ、素材持ち込みでも色々使っただろうしさ!」

「いいから、いいから、そんなに言うならこれからもご贔屓にしてよ? 可愛い子なら大歓迎だし……それにさ、私は服作るぐらいしか出来ないから! 協力出来るだけでも嬉しいのよ……」

「……はぁ、分かった……じゃあこれからも服が要る時はここに来るよ」


 俺の言葉に織姫は微笑むと頷いた。

 こうして服の問題は無事に解決したのだった。




 ────────────────────




 服が完成した後はユキのテンションが上がりすぎて大変だった。

 俺とライそして織姫はユキに引っ張られて町中を歩き回ることになった。

 まぁ、これぐらいならと織姫も笑って許してくれた。

 そして翌朝、俺達はクルーデンへと帰る事にしたのだった。


「約束わすれないでよ!」

「分かってるって……優衣達に会ったら宜しく言っといてくれ!」

「何か有ったら言ってねぇ? 直ぐに来てあげるからぁ!」

「はい! ユキさんもライさんも待たねー!」


 織姫に別れを告げると馬車へと乗り込む。

 今回の馬車は前の御者のおじさんでは無く、別の御者の人だった。


「宜しくお願いします」

「おお! ギル爺さんから聞いてるよあの時助けてくれたのはあんたらだってね……あの時はありがとう」

「はは、たまたまですよ」


 御者の男性にそう言われると、俺は謙遜気味に答える。

 そのまま馬車に揺られて俺達はフェルト村まで来ていた。

 村に入ると村の人達が次々に声を掛けてくれる。


「森にはそのまま入るのかの?」

「ええ、くま吉が森を迷わずに抜けれるので……」

「なるほど、それでしたら構いませんよ」


 一応村長さんには森に馬車に乗らずに入ることを説明すると心配そうな顔をするのでくま吉の事を話したら了承してくれた。

 今から森に入って朝には抜けれる様にしたいところだ。


「それじゃあ出発! 頼んだぞくま吉!」

「シュイ」

「それではくま吉隊長に続くであります!」

「何のノリなのかしらぁ? それ?」


 俺とライが敬礼してくま吉に追従する。

 くま吉も前足を敬礼みたいに上げてキリッとした表情で進んでいく……可愛い。

 迷うこと無く進むくま吉……結構歩いた所で不意にくま吉が止まった。


「シュ……」

「ん? どうかしたのか? くまき……」

『見つけましたわ』

「は?」


 突然聞こえた声に上を見上げると……そこには月明かりに照らされた。

 美しい漆黒の蟷螂が、俺に向かって怪しく光る大鎌を振り下ろしていた。


 ギィィィィン


 振り下ろされた大鎌は俺に到達する事は無かった。

 何故ならその大鎌の一撃をユキの鋏が受け止めていたからだ。

 突然の襲撃者と俺達は対峙する事になったのだった。

次回は閑話挟みます! 一体、漆黒の蟷螂の正体とは以下に...…そしてその……

『お姉様ですわ!!』

……い、一体その目的とは!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ