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ムシテイマー~役目も無いので虫達と自由に暮らす事にしました~  作者: SUZUKING
第一章 想いは遥か遠くより君に……

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16 素敵な服を作って下さい

青衣先輩強い!

 宴の夜が明けて、俺は謎の寝苦しさで目が覚めると……


「むにゃあぁ~マヒトく~ん……ふへへぇ……」

「スー……スー……」

「な、何で俺のベッドに……」


 二人とも近すぎる……二人とも少しお酒の匂いが残っているが少し女性特有の優しい甘い香りが……ってまるで変態みたいじゃないか!

 俺は正気を取り戻すと、二人を起こさないように静かに起き上がる。


「ふぁ……?」

「……あらぁ?」


 注意したつもりだったが起こしてしまったらしい。

 二人は寝惚けた顔で俺の事を見ている。


「えっと……おはよう?」

「あ!? えっと、違うんだ……その、部屋に入ったらマヒトくんが寝てて寝顔を眺めていたら気付いたらと言うか……」

「ふあぁ~おはようぉ、マヒトちゃん……この後すぐに王都に行くのでしょぉ?」


 慌てて言い訳をするライとマイペースなユキ、俺はユキの言葉に頷く。


「ああ、御者のおじさんが馬車を出してくれるらしいから、準備が出来たら行こう」

「はーい、じゃあさっさと着替えよう!」

「この寝間着凄く着心地良いわぁ……買って良かったぁ」


 二人が着替え始めたので、俺は先に顔を洗いに水場へと向かう。

 顔を洗い終えると、入れ替りでライ達が来たので今度は俺が着替える。

 着替え終えて食堂へと向かうと、宿屋の主人が料理を並べてくれて居た。


「おう、おはようさん! 飯は出来てるから食べてくれ!」

「朝からありがとうございます」

「あ! 来た来た、マヒトくーん!」

「ライちゃん、はしたないわよぉ?」


 嬉しそうに手招きするライをいさめるユキと二人は結構バランスが良い感じがする。

 朝食が食べ終わったら宿屋から出る。

 すると、御者のおじさんが丁度此方に向かって歩いて来ていた。


「お! 丁度呼びに行く所だったんだ、馬車の用意が出来たから何時でも出れるぞ!」

「ありがとうございます!」

「それに村の連中も見送りをするって集まって来てるんだ」

「なら、もう準備は終わってるし出発しようか?」

「さんせい!」

「わかったわぁ」

「シュイ!」


 二人と一匹の了承を得られたので、御者のおじさんと一緒に馬車へと向かう。

 馬車に着くと、助けた親子や村長等が見送りに来てくれて居た。


「お見送りありがとうございます」

「いえいえ、此方こそマヒト殿が居なければ村が無くなっていましたわい」

「にーちゃんたすけてくれてありがとう! クマ吉も!」

「シュー」


 俺達は簡単に別れを告げると馬車へと乗り込む。


「また、村に来てくだされ! おもてなしさせて貰いますぞ!」

「にーちゃん! またね!」


 馬車の窓から手を振る。

 そして、俺達は王都へと向かって馬車を進めていくのだった。




 ────────────────────




「おー、クルーデンと比べても大きい街と大きい城だね!」

「マザーの住まいの方が大きいわよぉ……人が住む建物にしては大きいかしらぁ」


 ワームルスの門が見えて来た頃、ライとユキがそんな話をしている。

 デカイトンボと蜘蛛が住める住みかって一体何なんだろう?


「おーい、兄ちゃん達! もうすぐ着くから身分証を準備しててくれー」

「分かりましたー、ライとユキもカードを出してくれ」

「はーい」


 しばらくすると馬車が停まり門番が声を掛ける。


「身分を証明出来るものはあるか?」

「はい、ギルドカードです」


 俺が三人分のギルドカードを見せると、門番は頷いて馬車を通してくれる。


「問題なし、通って良いぞ」

「ありがとうございます」


 そして、久々のワームルス城下町へと戻って来たのだった。




 御者のおじさんに別れを告げると、俺達は城へと来ていた。

 城の門に着くと二人組の門番が此方に気付いて用件を聞いてくる。


「ワームルス城……む? もしかして、マヒト殿か?」

「おお!? 久しいですな! 元気でおられましたか?」

「はい、お陰様で……」


 割りと兵士の皆さんは気の良い人達であるが、今回は別の人に用事がある。


「織姫って居ますか?」

「オリヒメ殿? ああ、ゴーザ殿の知り合いの服飾職人の店に拠点を移されましてな」

「場所は近いのでそちらへと伺って見てはいかがですかな? あー、少しお待ちを店までの地図を渡しましょう……」

「ありがとうございます」


 どうやら拠点を移して居たらしい……まぁ、いつまでも王城の工房に居るわけにも行かないよなぁ

 門番から地図を受け取ると早速その服飾職人の店へと向かう事にした。




 門番から貰った地図を頼りに何とか店へと到着する事が出来た。

 店の見た目は少し古びた風貌をしている。


「おー、雰囲気のある店だね!」

「確かに……取り敢えず入って見よう」

「お邪魔しますぅ」


 店に入ると幾つかの服が飾られて居るが……どうやら全体的に冒険者向けの服を扱う店の様だ。

 ユキが興味津々の様子で服を見ているのを横目に店のカウンターへと向かい、声を掛ける。


「あのー! 誰かいますかー!」


 しかし、返事は返ってこない……仕方無くもう一度声を掛けようとした時だった。


「なんだい……お客さんかい?」


 突然店の入り口の方から声が聞こえて来た。

 振り返るときつめの印象のお婆さんが店へと入って来た。


「は、はい……その織姫って女の子が居ると思うんですけど……」

「なんだい、あの娘の客かい? ちょっと待ってな……あんた名前は?」


 お婆さんの言葉に俺は慌てて自己紹介をする。


「マヒト・モリハラです」

「あたしゃ、メアリー・ウィークだ……メアリー婆さんて呼びな……それじゃ呼んでくるから待ってな」


 そう言うと店の奥へと行ってしまったメアリー婆さん、ライはユキと一緒に服を覗いてるようだ。

 しばらく待っていると、久々の顔が店の奥から出てきた。


「よう!」

「ん、久しぶり……で、真人君……だれ、アレ?」


 何故か冷たい視線を向けてくる織姫……何故?

 異様な雰囲気にライとユキが此方に近付いて来た。


「マヒトくん! 彼女が君の知り合いかい?」

「まあ! 貴女が服を作ってくれるのねぇ!」

「え? あ、なに? この人達、馴れ馴れしいし名前呼びだし……真人君! 優依に報告するからね」

「え? 何が? いや待て! 誤解だ!」


 再会して早々に収まりが着かなくなってしまったので自己紹介をしながら落ち着くことになった。


「わたしはマヒトくんと契約したエンシェントドラゴンフライのライだ! よろしく!」

「ど、ドラゴンフライ……トンボってこと?」

「その通り! 永く生きすぎてドラゴンすら倒せるただのトンボさ!」

「絶対ただのトンボじゃ無い!?」


 ライの自己紹介に驚愕する織姫……因みに移動して織姫専用の工房に居るので誰かに聞かれる心配は無い。


「次はわたしねぇ、初めましてデスフォレトススパイダーのユキですぅ。よろしくねぇ」

「トンボの次は蜘蛛……真人君、説明してくれるわよね?」

「はい……」


 俺は織姫の鋭い眼光に怯えつつ現状を説明していく。

 その際に織姫の眉間にかなり皺が集まって居るがやぶ蛇なので指摘はしない。


「オーケー、取り敢えず真人君のムシテイマーで契約する際に不思議な力で女の子になった……さ・ら・に! その後は魔力切れで危ない状態になった!」

「はい! その通りです! すいませぇん!」

「はぁ、話を戻すわ……それで元の姿に戻ると服がダメになるからどうにかならないかって話ね……」


 そこまで言うと、織姫は考え込んでしまう。

 そして、俺に向かって質問をしてくる。


「真人君、魔法、糸の両方が必要になるわ……何か心当たりはある?」


 しかし、その質問に答えたのはユキだった。


「良質な糸がご入り用ならぁ、私の糸を使えば良いわぁ」

「ユキさんの糸?」


 ユキはそう言うと、手からスルスルと糸を出し始める。

 驚いた様子の織姫だが、糸の束を受け取ると目の色が変わった。


「す、凄い! クマ吉くんの糸が比になら無い程の凄まじい力を感じる!」

「本当はマザーから注意されてるのだけどぉ、自分達の為だから問題無いわぁ」

「問題は魔法か……」


 次に手を上げたのはライだった。


「空間魔法に入れ替え魔法“チェンジ”があるんだ! 効果は指定対象を文字通り入れ替える、丁度良いと思わないかい?」

「空間魔法……でも、この糸の魔力伝達力なら……行けるわ! じゃあ後は……」

「まだ何か有るのか?」


 俺の言葉に織姫は呆れた顔をする。


「服はともかく虫の姿の採寸が要るでしょ? 外に行きましょう、早くしないと日が暮れちゃうわ」

「認識阻害を掛けておくね、流石に街の近くで元の姿に戻ると大変だからね!」


 俺達はライ達の採寸を採るために街の外へと向かうのだった。




 現在、目の前では風の魔法を巧みに使って織姫がトンボ姿のライ採寸を採っている。

 織姫はスキルの力で大体のサイズを測れるらしくぐるっとライの周りを飛ぶと何かを紙に書いている。


「動きの邪魔にならないなら物……スカーフが良さそうね……凄く似合うと思うし……次はユキさんね」

「はい! わたし、出来ればリボンが良いわぁ」

「了解! 可愛いのつくるわね!」


 ユキは蜘蛛の姿になりながら要望を伝えて居る。

 それに織姫は快く了承すると、そのままユキの採寸を始める。


「ふぅ、大体の形は出来たから……服の方で要望は有るかしら?」

「はい! 動き易いのでお願いするよ! 思いっきり動けるの!」

「だったら、下はホットパンツで上はジャケットとシャツでクールに……よし」


 ライから要望をメモしていく。


「わたしはぁ、家事を色々するのでそれに合った服装で可愛いのをお願いしますぅ」

「んー、冒険兼家事……可愛い……メイド! 和風メイド何か良いと思う!」

「ワフウメイドぉ?」


 なるほど、和服とメイド服の合わさった感じの物だった気がする。

 ちょっと想像するとめちゃくちゃ似合いそうだ!


「織姫! ナイス!」

「今頃何を言ってるの! 私の目に狂いはないわ!」


 そんな謎テンションのまま、どうにか服の目処をたたせる事が出来たのだった。

織姫は人に似合った服を着せるが大好きです。

織姫「ライさんは絶対脚を魅せるべき! 更にクールな服で大人っぽく!」

織姫「ユキさんは艶やかな黒髪でおっとりした雰囲気……和風メイドがトンピシャなのよ!」

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