第三話
「この度は、本当にすみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!」
「「...........。」」
「まさか、私達死んじゃった系?」
ボソッと呟いたのは麻里子。
「はぁ?うちら死んでんの?ないわぁ」
「んで、この目の前の人は神様かなんかでこの人のせいであの世にいるとか....。」
「いやいやいやいや。流石にないわぁ。
流石にその発言は厨二病やで。ないわぁ。」
「でもこの人めっちゃ目が泳いでるよ?」
笑美子がないないと笑いながら言ってる隣で麻里子は目の前の人に指差しながら笑美子に聞いていた。
目の前の人はダラダラと汗を流しながら目を左右せわしなく泳がしていた。
「あの、、、、。すみません。」
目の前人はか細い声で、こちらをみながら謝ってきた。
「「?!」」
目の前の人はオドオドしながらこちらをチラッと見て、てへっと可愛く舌をだして、頭に拳骨をコツンっとてへぺろをした。
そう。あのテヘペロだ。
「はぁぁぁぁあ?!えっ、ちょっと待って?えっ?はっ?いやいやいやないやろ?はっ?........ ........ ........嘘やろーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
笑美子、キレる。
それはそうなるだろう。何せ笑美子の3番目の子供に子供が産まれたばかりで、孫フィーバー真っ盛り中なのである。
なのに目の前人はテヘペロをしたのだ。
キレるわな。
「ちょ、何可愛い子ぶってんのさ!本当に私達死んじゃったのぅぅぅぅぅぅ?」
笑美子の声はこだました。
「あの、本当にすみません。すみません。すみません。わざとじゃないんですぅぅぅぅぅぅ。」
目の前の人は土下座をしながらペコペコ頭を下げている。
笑美子は肩に掴みかかり、「どうゆうことぉぉぉ!」と叫びながらガクガクと揺らしていた。
麻里子は「まじかぁー。」と頭に手を当てて悩んだ。
でもこのままでは話が進まないと思い、一旦笑美子を落ち着かせることにした。
「なぁ、まずは話を聞かない?」
笑美子を綺麗な顔の人から離し、目の前の人に聞いた。
「んで、あなたは神様なの?」
「はい。その通りです。」
「ならここは天国?私達は戻れないの?」
もじもじしながら目の前の神様は話をつづけた。
「すみません。現世の貴方達の身体は電柱に押しつぶされ、車が炎上し、元の身体にはもう戻れません。」
「「まじかぁー。」」
麻里子も笑美子も揃って天井をあおいだ。
「ここは天国とは違い、現世とこの世の狭間の空間です。私はあなた達の言う神様という存在で間違いありません。」
「私の不手際で、あなた達双子は亡くなったで間違いありません。本当にすみませんでしたぁぁぁぁぁぁあーーー!!!」
まじかぁー。双子は声を出さずに心の中でもう一回言った。