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プロローグ

はじめましての方も久し振りの方もこんにちは、銀猫です。

今回は田舎の公立中学生によるバーレスクです。たった一週間の馬鹿騒ぎで、何が何か変わり起こるのか。最後まで彼らにお付き合い頂ければ幸いです。




何も変わらず何も起きてはいない、この物語に祝福を。





あの時のコトは、正直、なんて云ったら良いか未だにわからない。


 だってあれはゲームや漫画だ。ファンタジィかアクションかSFかミステリかはわからないが、少なくとも世間一般で言う「現実」では有り得ない、それは歴然とした「物語」。しかも登場人物だって色々微妙だったりする。「キャラが立ってる」、「良くも悪くも個性的」、「我が強い」って点においては文句なしだけれど、「神サマ」にお告げを下されて世界を救うために立ち上がる、なんて古典的なおハナシの主人公にしてはどうよ? ってヤツらばかりだし。


 ひとりは少年。体育は好きだけれどもお約束どおり壊滅的に馬鹿、しかもカラオケはジャイアン級。

 ひとりは少女。才色兼備の快活な美人だけど、常時ハイテンションで格闘技をこよなく愛すプチ変人。

 ひとりは少年。可愛らしく整った顔立ちとサラサラストレートの長い茶髪のせいで、小柄な美少女に見える。性格はおいといて。

 そしてひとりは少女。趙子龍を理想とする、無駄に漢らしい槍使い。見栄っ張りで意地っ張りで天邪鬼、おまけにいっそ感心するほど口が悪い。


 色々数奇で非常識な(「有難くない」、がつく)(ここ重要)運命を「天の神サマ」とやらに与えられたのは、心清き優しい少女でも、勇気と正義感あふれる少年でもなく、そんなふうなそこらに転がっているごく普通のガキ共4人と、あといくらかの脇役連中だった。…いやァ、ちょっと普通じゃないかもしれないけれどさ。主に性格とか思考回路とかそこらへんが特に。あとそれから性格とか思考回路とかそこらへんが特に(二回云った!)。

 まァなんにしろ、「神サマ」が選んだその登場人物たちは、とにかくどこまでも小市民な一般中学生+αだった。どんなに大変なことが起こったとしても何にも出来やしない、ただの子供(ガキ)ども。なんのチカラも持たない平均的地球人。まったく一体どんな基準で選んだモノか、一度腹割って「神サマ」に訊いてみたいもんだ。つか、現役中学生しかも受験生をこき使うとか、労働基準法違反で訴えてやりてえ。その場合どこに届け出たもんだろう。


 どっから突っ込めばいいのかわかんないくらいに突っ込みどころは多々あるけれど、そんでも物語の大体中心にいたのは、そんな連中だった。


 「神サマ」は、誰の願いも叶えてはくれなかった。

 そのかわりに、死ぬほど大変な仕事をくれたんだ。

 幾重にも「偶然」を紡ぎ、「運命」とすりかえて。


 そんなもの、だれひとりとして、望んじゃいなかったのに。

 





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