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目覚め

……眩しい。転送が終わったみたいだな。目を覆おうとするが腕が短いことに気づく。……なるほど、こういう魔法だったのか。横には金髪の女が寝ている。音も申し分なく聞こえるし、目もはっきり見える。完全に赤ん坊ではないみたいだ。そう思考を整理していると扉が大きく開く。……少なくとも看護師ではなさそうだな。


「……寝ているようだ」


 低い声に驚きながらも察知する。こいつ、今俺が入ってる体の父親か。声の持ち主である白髪かかった男の近くには金髪碧眼の少年が二人立っていた。片方の少年は顔に火傷を負っている。その少年が父親であろう男を見上げながら問いかける。


「父さん、こちらを見ているのは弟か」


「ああ。お前たちの弟だ」


「ボクたちの、弟……」


 もう一人の気弱そうな少年がまじまじと俺の方を見る。なるほど、少なくともこの体には兄貴が二人いるんだな。じゃあ俺はこの世界でも末っ子ってわけだ。父親であろう男が俺を見下ろしながら呟いた。


「美桜」


「それがこいつの名前か、父さん」


「そうだ。母さんが綺麗な名前にしたいと言ってな」


 火傷の少年も父親に倣って美桜、と呼びかける。気弱そうな少年も小さく俺の名前を呟いた。そんな連呼するな、と言いたいところだが恐らく喋れないから黙っておく。ふと気弱そうな少年が俺に手を伸ばす。そして頬を撫で始めた。

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