夢....
晩御飯を食べ終え、一段落し時間を見たら、20時になろうとしてた。俺は、月姫を家まで送る為、2人で家を出た。
「今日は、ご飯誘ってくれてありがとう」
「母さんも喜んでたし、またおいでよ」
「ありがとう♪」
そんな話をした後、特に話したりせず、気がついたら月姫の家の近くまで来てた。
「ねぇ颯」
「どうした?」
「呼んでみただけ…」
月姫は、何か言いづらそうに、誤魔化す感じで言った。どうせもう遅いし、少し遅れてもさして変わらないか……
「少しこのまま歩かないか?」
「え?」
「このまま帰りたいならいいけど,まだ時間大丈夫なら、もう少し一緒に歩かないか?」
「仕方ないわね,もう少しだけ颯と歩いてあげるね♪」
「すまんな」
そうして俺達は、意味もなく学校まで歩いて、その後家まで送った。その間、お互いの好きな物とか、趣味等話したりした。付き合ってるとはいえ、お互い知らない事が多かったしな。
家に帰ってきた後、俺はお風呂に入ったりと、寝る準備をしてベットに入った。
ピロン♪
『今日はありがとう』
『いいよ別に』
『明日8時にスーパーの前で待ってるから』
『は?なんで?』
『え?』
『ん?』
『颯アレかな? ワザと聞いてるのかな? 私に言わせよう的な?』
言いたいことはわかるが、あえて言わせてみようかと思ったのだ。
『月姫が明日8時に、スーパーの前で待ってるのはわかった。それで、俺にどうして欲しいんだ?』
『…イジワル』
『ん?』
『一緒に登校するためよ! 私が颯と登校したいから』
『家まで迎えに行く』
『え?』
『明日、家の近くになったら連絡するから』
『わかった。ありがとうそれじゃ、おやすみなさい』
『おやすみ』
さてと、俺も寝るか…
その日俺は、不思議な夢を見た…何も無い空間、ただ真っ白で、立ってるから地面があるのは、認識できる程度のただそれだけの空間……そこに、1人の女の子が居て、コチラを見てる。白いワンピースを着ていて、綺麗な夜空みたいな、青い髪の小さな女の子だ。
その子は寂しそうな顔で、俺の方を見ていた。俺はその子に近づき、視線を合わせるためにしゃがみ込んだ。
「君は?」
『…アレ』
そう言って、その子は右手を横に上げ指さした。そこには、映像が映し出されてて、小学生の時の俺と、その子が写ってた。
「なぁかぐや、今日も俺の家で待ってるのか?」
「お母さんが退院するまでは、そうさせてもらいなさいって…ごめんね……うぅ…」
「お…おいかぐや! 謝らなくていいし泣くな!」
「うん…ごめん…なさい」
「だから……ったく,ほら今日も帰ってゲームやるぞ!」
「うん!」
その後その子……かぐやと俺は、家でゲームしたり、宿題したり、それから、ご飯を食べたりしてる映像が続いていた。ふと、目の前のかぐやを横目で見ると、とても楽しそうにその映像を見ていた。
ピンポーン♪
チャイムの音が聞こえ、俺はまた映像の方に目を向けた。
「パパ!」
「よしよし♪ 深風さん達を、困らせたりしてなかったかい?」
「うん!」
そう言ってかぐやの父は、かぐやの頭を撫でながらこちらを見て、母達にお礼を言ってきた。
「すみません。この子を見てもらって」
「竹中さん、困った時はお互い様です♪ それに、颯の相手をしてくれて助かってますから♪」
「そう言って貰えると助かります。それでは今日は失礼します」
「はい♪ 気をつけて帰ってくださいね」
親達が挨拶してるのを見て、俺も挨拶をしていた。
「かぐやまた明日な! 明日こそはゲーム勝つからな!」
「うん! また明日ね♪」
そこまでで映像が終わった。
『颯君…』
「えっと…かぐやだっけ?」
『うん……思い出した?』
「すまん……」
確かに、俺の夢の中で、俺の小さい時の記憶を見たんだとしても…この子との記憶が全くない……おぼえてないんだ。
『し…仕方ない…よ……』
「本当にすまん! 必ず思い出すから」
『ありがとう…でも、無理に思い出そうとしないでね?』
「あぁ、わかった。でも、ちゃんとお前の事は思い出す」
『ま……待ってる』
そう言ってかぐやは、俺の顔を見てニコって笑った。俺はその子の頭を、そっと撫でてあげた。
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