こんな事ってあるのかよ?
初めまして
メイン作品の合間に更新していきます
いつから追うようになったのか...視線を逸らしても、気がついたら追ってしまう。
いつから好きになったのか...それはもちろん、あの時だ。
2人を繋ぐ、見えない紅い糸、その先にあるのは...お互いに付けてる印だ。
もし、あの時にアレを見なかったら、俺達は交わることも無く、変わらない日々を送ってたのだろうか。
この関係は無かったのだから...
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青春を謳歌できる、高校2年の夏休みが、終わりを告げ、今日始業式が行われた。俺は特に、青春らしい青春を送る事は、出来なかった。
なにせ、夏休み中は、勉強とバイトで、ほとんど終わったからだ。
俺は、普段からバイトをやり続けるのが、面倒だと感じてて、夏休みや冬休み等、長期学校が休みの時に、一気に稼いだらいいやと思った。
そんな俺、(深風 颯)にも気になる人はいる。––普段はグレーっぽいが、日に当たると青みがかる、つまり、色はブルーグレーで、髪はショートヘアーにしてる。綺麗な二重で、少しつり上がってるが、透き通った黒い瞳をしている。全体的に、整った体型をしていて、正直言って、下手なアイドルよりは、断然綺麗に思う。それでいて、普段の彼女は、教室で静かに本を読んだりしてる。読書をしてる時、たまに眼鏡を使う、という知的な魅力も、また周りの男子を、魅力するのだ。そんな彼女、(蒼井 月姫)に、俺も、もちろん魅了されてる、1人になるわけだ。なんか、これだけ聞くと、モブ感半端ないんだけどな。
きっかけは、至って単純だ。物静かで、子供に説明するような物言い、なのにどこか、無気質に感じる時がある、そんな不思議な感じだった。そんな彼女の声を、初めて聞いた時、その声が何故か耳から離れなかった。
その時から気になっていき、気がついたら、毎日ついつい目で追いかけてしまってた。と言っても、特に接点も無いし、告白は? そんなの結果が見えてるからしないぞ?まぁ、そんな俺は、遠くから見てるだけで、この淡い恋心は、終わるのだった。
とまぁこんな感じで、誰に説明してるのか、分からないが、回想っぽく考えながら、俺は1人教室に、鞄を取りに行ってた。
放課後、担任の安西先生に、俺は捕まってた。理由は、何故夏休みの登校日に、出席して来なかったのか、それについて色々と、事情聴取を受けつつ、俺は夏休みの宿題を、職員室まで運ばされてたのだ。
教室に着き、中に入ろうとしたら、中から声が聞こえてきた。
「本当は、夏休み前に言いたかったんだけど..好きだ! 付き合ってくれ!!」
告白タイム真っ最中!? 俺の帰宅予定時刻未定警報発令! 帰宅予定時刻未定警報発令!
俺は、誰がしてるのかと、申し訳1:興味9で、教室を覗こうと、こっそり顔を覗かせ、教室を覗いた。その興味本位で、覗いたのが、間違いだったと、気がついた時には、もう遅かった。バッチリ女子生徒と、顔を合わせてしまった。俺は慌てて顔を、扉に隠し女子高生が、誰だったのか、わかった。相手は蒼井さんだったのか...
「ごめんなさい。貴方に興味が無いから」
「そ..そうか。時間を取らせてすまなかった」
バッサリと斬られた男子生徒は、それだけ言って教室を出ようとした。だから俺は、バレないように、慌てて教室から離れた。
その後、少し時間を空けようと思い、自販機で珈琲を買ってから、教室に戻ってきた。 流石に、もう帰って居ないだろ、そう思いながら教室の扉を開けた。
「遅い! 待ってたんだけど?」
「うわっ!?」
もう帰ったと思ってた女子生徒...蒼井月姫が、教室で何故か俺を待ってた。さっきの告白を、覗いてたのを、見られたからか?
「悪かった。覗くつもりじゃなかったんだ」
「ふ~ん、覗き魔の深風君なのにねぇ~」
「ちょ待て! 覗き魔って!? 俺が?」
アレ? 俺いつから犯罪者枠に居るんだ?思い当たることなんか、何も無いんだけど...?
「そうよ? いつも色々と、私を見てるじゃない?」
「それは...色々ではないと思うが...」
「そうね私と目が合うと、覗かなくなるわね。訂正するわ」
「すまん...」
「あら?素直に認めるのね?」
「確かに俺も、蒼井さんを見てしまってたから...」
「まるで他の男子と同じ位と、言っている様に、私には聞こえるけど? もしかして、無自覚なのかな?」
「なんだよ? 無自覚も何も、周りと同じだと思うが?」
「ほぼずっと、君の視線を感じてるんだけど、気のせいだったのかな?」
え? まじか!? 俺そんなに見てたのか? もしそうなら、自分で自分がキモすぎる...もし、そんなの周りの連中に知られたら....俺ヤバくね?
「キモイよな...すまん。以後気をつける。だから...」
「心配しなくても誰にも言うつもりは無いよ」
「...助かる」
「それに私は、深風君に多少なりとも、好意を持ってるんだけど?」
「はぁ!? 流石にそんな事無いだろ? だって、どちらかと言うと、気持ち悪い部類になるぞ? 自分で言うのもなんだが?」
「あら? 私だけを見てくれるとか、素敵じゃない? 深風君って、自分で分かってないだけで、束縛心や独占欲強いんじゃないかな?」
「そんなの知らねえよ...」
俺は褒められてるのか、馬鹿にされてるのか、訳わかんなくなってた。
「なぁ、からかってるのか?」
「そんな事ないわよ? そ・れ・よ・り、深風君は私の事どう思ってるのかな?」
「それは...」
「流石の私も、好意もないのに見つめられ続けられるのは、正直引くんだけどなぁ~♪」
そう言いながら蒼井は、俺に近づいてきた。そして、小悪魔みたいな笑みを浮かべながら、俺の顔を覗いてきた。
「お前...キャラ違いすぎだろ?」
「もう! 強情ですねまったく。まだ素直にならないんですか?そ・れ・にです! そもそもコッチが素なんだよ? わかる? 学校では猫かぶってるの」
蒼井は、もったいつけるように溜めながら、言葉に合わせて、右手の人差し指だけを伸ばし、左右に振って話していた。
「お...おぅ...てか、そんな事、俺に話していいのかよ?」
「どうせこの後、どうなるかわかってるし。それに、深風君も早い方が良いだろうなと、判断したのであります!!」
何故か蒼井は、そう言ってドヤ顔で敬礼してきた。それを見た俺は、俺の中にあった、蒼井月姫のイメージは、シュレッダーにかけられ、風に運ばれて消えていった。それにしても、素の蒼井月姫も、これはこれで...可愛いなクソ!
俺は、表情や態度がコロコロ変わる蒼井の事を、不覚にも、可愛いと思ってしまった。それになんだか、目の前で敬礼してる蒼井を、見てたら、あまりにも子供っぽく思えた。
「えらいえらい、よく出来ました」
「ふぇ!? い...いきなり乙女の頭を撫でるとか、何考えてるんですか!? アレですか? 子供っぽいな、とか思ったり、あっさりテイクアウトで、ぐへへ♪とか、変態さんだったんですか!?」
「どんだけお前の中で、俺は変態なんだよ!!」
俺も、無意識に頭を撫でてたのは、流石に驚いた。しかし、謝るよりも、蒼井に対して、自然とツッコミを入れてた事に、更に驚いた。
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