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コント「とある異世界の地下街」

作者: 月野灯花莉

場所……夜の地下街(異世界)

役……若い男=ツッコミ、老人=ボケ


老人「今日も明かりが差さんのう…」

老人はゆっくりと近くにある椅子に座る


若い男が舞台袖から現われ周りを見渡す


男「こんな所に地下街があったなんて…それにここは現実世界とは違う異世界!?」


若い男が椅子に座る老人を見付ける


そして老人も若い男に気づき、ゆっくりと椅子から立ち上がる


老人「なんじゃお前… 見た事ないのぅ。ここの住人じゃないな」

男「えーっと、そうですが…あなたは誰ですか?!」


老人「ワシか?ワシはここの住人で長老じゃ」

男「長老?村長じゃなくて?!」


老人「同じことじゃよ、ふぉっふぉっ」


老人は軽く笑う


男「いや、そこはハッキリさせといてよ」


老人「うむ…ならワシは長老じゃな」

男「そこは変わらないんだ……」


老人「んで、お前さんは旅人かのぅ?」

男「いや、違います。気がついたら来てたんです!」

若い男は焦る仕草をする


老人「紛れ込んだんじゃな…ならば直ぐここからされ!迷い者よ」


男「え?急に態度が違くない?!迷い者は追い出されるん?ヤバない?」


若い男は再び焦る仕草をする


老人は若い男に近づく


老人「もし旅人ならワシら歓迎じゃが迷い者は何か悪いものに導かれ来ておる。この地下街に変なもんを持ち込むな」


男「そんな言われようあります…??オレはただ知らないうちに来ちゃっただけなのに酷いなぁ…」

老人「忠告だ、さっさとここから出ていかんとヤバいことになるぞ」


男「えー、よく分からんけどヤバいのは伝わったから早く出ていきたいんだけど、出口が分からないんで近くまで案内してくれません?」


若い男が老人に頭を下げる


老人「うむ…それなんじゃがお前さんはいつの間にか奥深くまで来おって。案内したいがワシは用事があるから案内が出来んのじゃ、すまんのぅ…」


男「え?いや、あのぅ…はい。自力で脱出します、すみません…」


辺りを見渡す

周りには老人と男以外誰もいない


老人「ではサラバじゃ!」

男「んな!?置いていかないで~~~」


老人「なんじゃ怖気ずいたんか、貴様」

男「怖気ずいてないですけど1人じゃ怖くて…」


老人「ほれ、直ぐそこじゃよ。」


老人は笑う。


男「え?いつの間に!?出口がある」


老人「では強く生きろよ」

男「はい。ありがとうございます」


そしてフェイドアウトしていくように老人が舞台袖に消え、男だけが残される


老人が消えた直後に辺り一面が真っ暗になりモニターには-残された男は現実世界に戻っていく-と表示


おわり

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