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長文タイトルに至る

 今日も産み出してしまった。




 異世界に転生したわけでも、転移や召喚された訳でもない。


 現実地球、令和な現在。


 なろうの谷底に野菜の話とハーレムの物語をせっせと埋める作家がいる。


 作家は物語を書いて気付いた。


 面白いお話を書く才能が無いと。


 精密に練り込まれた世界を用意出来ないことに。


 魅力あふれる主人公、それを固める人間味のある脇役たち。可愛いヒロインとのロマンス。ただの悪役ではなく、悪に堕ちるに至る濃い背景を持つ敵役。誰ひとり描けない。


 文才の無い作家は気付いた後も物語を書いた。


 頭の中にあるふわふわしたものが、文章にすることで形が出来ていく。楽しくなった。


 読者がいなくても書けた。


 ただ、やはり煮詰まった。単語ひとつが出ないため先に進めない。


 行き詰まった作家は『ひとつ頭の体操でもするか』と思った。


 タイトルの長文化だ。


 短いタイトルを好む作家は逆に息抜きになると考えた。


『スキル:タイトル長文化が発動しました』


 スキルにより産み出されたタイトル。

『「実は……」と語りだした娘が学校では『魔王』と呼ばれ、常に男子2名を従え「オレ様、そんな事は知らん!」と一喝する魔王ムーブをしていた件。しかも娘の親友も魔王で『双魔王』だった件』


 は? はは……。


 文章を面白く書けない作家には、皮肉にもタイトルを長文化する才能があった。


 やけになった作家は自身の野菜の話でスキルを発動させた。自嘲しながら。


『紫色に変色したブロッコリー。傷んでいるからいらないと返却されたが、栄養豊富で妊婦の味方だと知り帰ってきてと言われても、もう遅い。すでにシチューの中だ!』


 コメディにもならんなと作家は自分を卑下した。


 しかし数時間後、長文化タイトルを上手に使ったレビューを貰うことになる。


 作家は心臓のバクバクが頭の中で響く程喜んだ。


 いらないスキルじゃ無かった。


 それから作家はちょくちょくスキルを使った。


 詰まったとき、筆がのったとき。息抜きに。


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