第0話 現在のセイン
誤字脱字、ご容赦下さい。
3ヶ月とはいえ魔族四天王筆頭の討伐旅から、王都の大教会へ戻った教団聖女のセイン、教団幹部へ。
「討伐旅、大変だったのですわよ~」
何が大変だったとは言わないセイン。
討伐旅の実情は、仲間達のスキルにより快適だったのです。
衣服は浄化スキルで常に清潔、寝具は出し入れ自由な収納スキル利用で公爵家御用達の品々を使用、湯浴みは魔法でお湯が使い放題、食事は3食全て料理上手が美味しい手料理を提供、苦手な虫は常に結界を張ってもらい、スキルの恩恵が無かった唯一の移動ですら、幼少時から乗馬をしていたセインには苦では無かったのです。
「道中の話しでは無く、肝心の魔族四天王筆頭との戦いはですって?」
「わたくしは癒やし担当ですから戦わないですわよ」
「同行の剣聖が、身体を張って専用護衛さながら守ってくださり、戦い事態は愛しの勇者が獅子奮迅の活躍でしたわ」
教団幹部は、次に何をお願いされるのかと戦々恐々
何故なら、セインからのお願いを拒否できる強者が教団内には居ないのです。
大変だったと前置きをして、本題の我が儘「我が儘では無くお願いですわよ」を教団幹部へ。
「叔母さまに、教団聖女のお勤め、正式に担ってくださるようお願いするのですわ」
お願いは、教団聖女の代替わり。
セインが討伐旅で王都を離れていた3ヶ月間、教団聖女代理として奮闘頂いた叔母を、正式に教団聖女とし、セインは教団を裏から牛耳り楽をする企み。
牛耳ると言っても楽をするのが目的なので、面倒な教団運営には関わらず、我が儘「先程も言いましたわ、我が儘では無くお願いですわよ」を言って面倒毎を回避するのです。
教団幹部、セインからの教団聖女の代替わり、想定していたお願いの1つだったので胸をなで下ろし安堵。
教団聖女の代替わり
セインの叔母、癒しの能力はセインに劣るも、セインの前に教団聖女と成るはずが、国王の承認行事が行われず、修道女のままだった経緯の持ち主。
セインの教団聖女就任時、国家権力からの独立が必要だと、国王の承認行事を教団聖女の代替わりから排除したので、我が儘、いえいえ、お願いは、あっさり実現。
セインは教団聖女の座を退いたとはいえ、叔母には行えない毒の浄化と深刻な除霊案件に、重度な怪我の癒やしのみ担っていますが、一般的な怪我の癒やしと比べ、格段に依頼数が少ないので寛ぎの日々。
少し前までは、討伐仲間達から男装の魔法使いと呼ばれている、リーデン伯爵家長女のウィッチを連れ、公爵家長女として買い物に舞踏会参加と楽しい時間を過ごしていたのですが。
王太子による無謀なお達しが立て続けに成され、貴族間で不穏な動きも有るから教会内で大人しくしているよう、父親の公爵より指示「お父さまからの言い付けは絶対守ると幼少時に誓ったですわ」を受け、王都の大教会最奥の自室で、修道女達を代わる代わる招いては、お茶を飲みながら会話を楽しんで、外出の許しが出るのを待つ日々。
「念のためお伝え致しますわ、お茶を飲みながら会話を楽しんでとお聞きになって、老齢だと思っておりませんこと?わたくしは19歳ですのよ、お間違えなく」
「付け加えてお伝えすると、愛しの勇者との恋バナをしたいのを、修道女達との恋バナは御法度なので我慢しているのですわ」
「え!19って行き遅れですって。愛しの勇者って片思いだろうですって」
「あ・な・た~天に召されたいのですわね、お名前はなんとおっしゃるのかしら」
更新、不定期です。
2日に一度はとは思っています。