其の五恋心
登校した彼女は新城幸人の一言で悩んでしまう。一方彼も…?!
ー翌日ー
彼は明日から無理をしてでも登校する。と言っていたので私は不安でならなかった。気づいたら私は1時間早く学校に来ていた。少したつと、クラスメイトの田口亮君がいたので挨拶を交わしてから下駄箱に走っていった。なぜなら、窓の外に新城君がいたからだ。彼と目があった私は、恥ずかしくて教室から逃げ出してしまった。はっ、恥ずかしい…でも、すれ違ったりするだけで嬉しい…
下駄箱を通り図書室に逃げ込もうとしたとき、ばったり新城君とあってしまった。
「あっ…お、お前!」
「はっ、はい!」
顔が…も、燃えそう!!新城君は私の気持ちなど知らないような感じでさりげ無く
「あの時…、俺のこと助けてくれたんだよな、ありが…」
「あの!お礼なんていらないです!私、人間としてやるべき事をやっただけなので!」
そういって私は走り出してしまった…そのまま図書室に駆け込んだ。誰もいない静かな図書室は私を取り残して動く世界のようだった。私は図書室の柱の陰に倒れこむようにしながら彼は前私が助けたことのお礼を言っていたことについて考えていた
『ありが…とう』
私はこの一言がどうしても言えない。その時私は、先輩は、私より凄い、私の一歩上を行く人だなと思った。そしてまだ子供のくせにイキったことをしてしまった私がとても恥ずかしく思えた。
「あのとき…死んでればよかったのに…」
ふと、そんな言葉が口から出てきた。
今回も読んで下さり有難うございました。投稿の感覚が空きましたが、必ず続きは投稿します。