其の一、ハンカチと凛
初めて投稿します。奈々と申します。
今回は死にたい理由を追い求める作品になります。日常生活でよく口にする人もいる『死にたい』を考えてみました。
私はどこかの屋上に立ち、今死のうとした。え?死にたい理由?
明日が辛いから
学校が辛いから
明日雨降るから
愛する人が居るから
面倒くさいから
まだまだいっぱいある。
死にたいのに死ねなくて足掻いて悩んで悔やんで…今、やっと死ねるね。
「またね、この世界。」
「 」
えっ…誰?私の手を握って…暖かくてたくましい男の人の手。
「はなしてよっ!」
私は思いっきり足掻いててをふりはらおうとすると、二人の手がはなれ手を握ってくれた誰かのハンカチも落ちてしまった。良かった…そう思いながら意識は闇の彼方へ落ちていった…
「つっ…こ、ここは…?」
なんだか鼻につくこの薬の匂い。どうやら死にそこねたらしい。
「死に…損なった?」
その時、小机の上にどこかでみた白いハンカチがきれいに折りたたまれておいてあった。少し気になり覗いてみると、私のではなく、誰かのだった。
「金魚の…模様?」
ハンカチには綺麗な赤い金魚が刺繍されていた。やっぱり女の子のハンカチかな…いや、でももしかしたら死のうとしたときにに手を握ってくれた男の人の?
私はどうしてもハンカチを持ち主に返したいと思い、まず私の親友千秋にハンカチの事を打ち明け、協力してもらうことにした。しかし、携帯がない。私は焦って探していると、病室のドアが空いて看護婦さんが入ってきた。
「あのっ、私の携帯何処にありますか!?」
「ああ、神下凛さん、お加減はいかがですか。」
「あっ、大丈夫です。ところで私の携帯は!?」
「携帯ですね。落ちた衝撃で壊れてしまいました。なので小机にあるお電話をお使いください。」
「私の携帯は修理に出せますか!?」
「多分大丈夫かと。でも、ご自分で修理に出だしてくださいね。」
「分かりました…」
そして私は2日後退院することが決まった。つまり、明後日だ。今日は流石に疲れていたので面会謝絶にして1日ゆっくり過ごすことにした。
つづく
読んで下さり、有難うございます。なるべく早く次話をのせたいと思います。
誤字脱字は確認しているつもりですが、抜けていたら連絡してくれるとありがたいです。