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ミャーニウル地下迷宮第五層

 

  ミャーニウル地下迷宮第一層、ここは探究者たちの中でも初心者が最初に訪れる第一のフロア。現れるモンスター…魔物も比較的弱く早々のことがなければ死者は出ない。

 主に現れる魔物の平均ランクはE、前後こそすれど高くてもDそれ以上の魔物は第三階層以降から現れる。


 我らの実力ならば最低でも第十階層から位なのだがレベルを鑑みるに五階層からが無難なところだろう。

 我らがいるのは第一層、目的なのは第五層以降下から登っていくのもいいがそんな時間は掛けたくないので転移門という迷宮独自の空間移動装置があり、五層ごとに転移門が用意されている。これはギルドが取り付けたのではなく何故か最初からあったそうだ。


 現在もその謎について研究がされているが、わかっているのは五層ごとに存在しているのと、維持に使われている魔力は迷宮内の生物から供給しているのと、現在の五魔族連合の技術力では実現不可能なこと。


 共和国エデンと中央聖教国では試作品が開発されつつあるとか…。そんなことは今はどうでもいいので思考の隅っこに放り投げておく。



 転移門の前に来て戦闘準備を始める、我とエスではない。エル達の為の訓練なのであくまでも我らは傍観者、危なくなることはないだろうが一応念のために付いてきてるだけだ。


「さて、お前達ここは別に対して苦戦はすることはないだろう。所詮第十層までは肩慣らし本格的な訓練はその先からだろう。目標は第十五層だ、そこまでいけばノルマクリアそうしたら褒美をだそう、とオルが言っていた。期限は我の公式の戴冠式を行うその三日前までの一週間だそうだ。」


 

『カイザー様その褒美というのはなんでしょうか』

「それは、我も詳しくは聞いてはいないがオルが言うには今お前達が望む最上のものを与える、とかなんとか言っていたな」

 そう言うと、全員の目の色が文字通り変わった。まるで獲物をかる獅子のように。


 何故かエスの目の色も変わっていたが、我にはわからん。お前さんは傍観者だろうにそれとも、なにか取引でもしてたのか?そして、スライムお前は話せないはずだがどうやってオルに伝えたのだ?いや、いつものごとくジェスチャーで説明したのだろう。


 なんかエスを中心に激励をしているが…我は知らない見ていない。エスさんがなんかいろいろと危ない発言をしているのを聞いたが我は知らない。例えば、今回の褒美でカイザーと…とか、あとは、この薬をうまく飲ませればとか…我は知らない。



「そろそろいいか?我は早く帰ってこのさっき買った菓子を食べたいのだ」



 ちなみにさっき買った菓子というのは先程エスが食べていたものだ。我には便利な亜空間倉庫があるので例え生物だろうと取り出さない限り保存は効く。


 何故今食べないかと言うと、城に帰ってから城の料理人達にこれを作れるように見本として持ち帰る為なのと。

 城にあるティータイムには最適な場所があるからそこで食べるためだ。

 ふふ、我のような高貴な者はティータイムですら最高なものを求めるのだよ………。





 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○


 ミャーニウル地下迷宮第五層、別名駆け出し探求者の最初の関門と呼ばれるこの第五層。魔物のランクは

 平均ランクCとされている。上限はB+で低くてもD+な第五層。


 最もB+は第五層のボスのみで他はB-前後、全員ランクB-レベルの四人パーティなら問題なく探索できるレベル。ここで補足しておくと魔物のランクとは同レベルのランクのものが二人もいれば勝てる程度だ。格上なら二倍の人数が必要だが、ここはボスにさえ挑まなければB-でも概ね安全といえる。



 ここに出現する主な魔物はゴブリンの進化個体ホブゴブリン、蛇のような魔物鋼鉄蛇(アイアンサーペント)、オオカミのような魔物黒狼(ブラックウルフ)、と言ったところだ。


 ボスの魔物はホブゴブリンの上位個体ゴブリンジェネラル。そしてその取り巻きにホブゴブリンナイトが数体。ホブゴブリンナイトはBでゴブリンジェネラルがB+だ。


 今回は一人一階層のボスの相手をしてもらう。正直十層超えるまでは一人でも余裕そうだし、とまあそんな感じで十五層を目指す。


 ここである程度の経験をつませておけば後は、個人で探索に来てもそうそうのことがなければ問題ないとオルが考えたようだ。


 そんなどうでもいいといえばどうでもいい思考をしつつ。我らは第五層を進む。



 しばらくすると先程言った鋼鉄蛇(アイアンサーペント)が現れた。身体のサイズは五mと言ったところだろうか。さて、問題は誰から相手をするかだが…。




『なんだよ、最初の相手は蛇かよ、つまんねえな』

 といいつつ大剣を構えたのはカルドだった。大剣を正面に構え先程までの軽い雰囲気から戦闘モードへと変わる。


 鋼鉄蛇は蛇特有のあの舌をだしチロチロと身体をうねらせる。先に動いたのは鋼鉄蛇だった。一直線にカイザーに向かってその鋭い牙を突き刺さんと迫る。しかし、この程度の動きならカイザーは軽く躱す。横に少しズレて躱すと同時に大剣を振り下ろす。


 しかし鋼鉄蛇は自身のスキルなのか身体を名前の通り鋼鉄のように固くしその恐ろしい一撃を防ぐ。

 大剣は大きくその反動で弾かれる。そこを狙ったかのような動きで鋼鉄蛇は自身の尻尾をカルドを拘束すべく伸ばす。


 カルドは為す術もなく拘束される。カルドは大剣を振り下ろした反動で尻尾の拘束から逃れられていた右手の手刀で鋼鉄蛇の胴体へと振り下ろす。

 その瞬間カルドの右手には魔力が纏われていたのが見えた。


 ザスッ、と音がしたかと思うとカルドの拘束が解かれ鋼鉄蛇が尻尾を切られた痛みか奇声?をあげてのたうち回っている。


 カルドは落ちていた大剣を拾うと暴れる鋼鉄蛇の頭を切り落とした。それも綺麗にまるで紙をナイフで裂くように。




ここまでお読みいただきありがとうございます。

戦闘描写は難しいので今の私にはこれが精一杯…頑張って上手くならないと。


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