峠の攻防 VS狼 その①
どうやら因縁?があるようです。
荷車の右横ではリーナが地面にミラを下ろしつつ辺りを窺っている。
そのリーナの横にはアンヌが降り立ち防御を固め、
ヒューイはその上空で睨みを利かせてる。
荷車の左側には私とミィナ。キィーロは後方に立って警戒中。
荷車の前方に誰も立たないのはいざとなったら荷車だけでも逃がす為。
鳥馬のぶっとい嘴やらその強力そうな脚で蹴りかけられたりしたら狼も無事ではすまんのが
分かるのかそっち方面からの攻め方も薄い様じゃがの。
(しかしミラが威圧みたいの発動してるお陰で、右側面からの攻撃は薄そうではあるものの
向こうは余り怯んでいる様子はないんじゃよなぁ?)
森林狼ってアホなのかそれとも弱っちそうなのだけ襲う心算なのか。
こちらには竜人もおるんじゃぞ?ふつーなら逃げ出しそうなモンだと思うんじゃが。
『MAP』上では森の中の一番奥まった所にいる赤い点がボスらしく、下っ端な連中がこちらを囲みつつある。
(全部で6匹いるんじゃが、過去の『鑑定』だと狼は仲間を呼ぶんじゃったよな。
まだ別動隊が控えてるとみて間違いは無いじゃろう。)
ふといつか『鑑定』に失敗したその狼の事を思い出した。そやつが群れのボスなのであろうか?
それとも私が過去に埋葬しそこねた魔森鼠の死骸を喰らったお陰で
強くなってしまった個体に率いられてるのかの?
『魔石』を回収してあったとはいえ強化はされてる筈と『吸収』失敗の時のログを思い出す。
もし仮に後者の奴だとすれば私のせいでもあると言えるので何かミィナ達には申し訳ないのぅ・・・
「ねぇ、御者のおじさん、今までこんな事無かったよね?」とミィナが御者に訪ねてる。
御者なたれ犬耳のおじさんは麦藁帽みたいの被り直しつつ緊張した面持ちで回りを見回してる。
「あぁ。森林狼は臆病で昼間にヒト前に出てくる事なんて滅多にない筈だよ。」
と落ち着かない鳥馬を宥めている。
・・・つまりこの群れを率いてる狼はふつーの森林狼ではないって事じゃしこれはもう確定じゃろ。
過去からの因縁というか自分の仕出かした事の尻拭いをする刻がついに来たという事かの。
「グルルルル。」ついにおっかなびっくりながらも森林狼達が身体の姿勢を低くしつつも
目前に現れた。森奥の赤い点も徐々にこっちに来てるが動きは慎重じゃな。
強化はされてても大本の性格は変わらない・・・か。
さて、どんな手を使ってくるにしても目の前のこ奴らからぶっ倒すしかないか。
戦闘シーンが1話分に入りきれないー。魔物の肉を喰らった事でパワーUPした狼さんが再登場?な回でした。次回も引き続き戦闘シーンです。




