現状確認
『ゴーレム』じゃないじゃと・・・
地面に転がる『自分の』動かない右前脚。パーツが外れた痛みは無い。
「いやいやいやっ!?『痛覚』とかどうなってんのよこの『身体』っ!!」
と残った左前脚で動く範囲内でビシっと転がる右前脚に突っ込んでみる。
「これって単なる『玩具』じゃなくて私ってば生きてる『ゴーレム』なんかではなぃのかーー!?」
と慌てて転がっているパーツを『鑑定』にかけてみる。
「か、かんてぇーー。『鑑定』じゃぁっ!!」
:木n`P@rjt=)8
I@h界の『玩nU<Ai`m+*・・・・
oh・・・。『鑑定』が育ってないからか途中バケてて読めんではないか・・・orz
「す、すくなくとも『玩具』扱いの様じゃな。しかし『ゴーレム』では無いのか・・・?」
と文字バケながらも突きつけられた『現実』に首を捻り続ける。
「てか、可動する『口』が無いみたいじゃが、何も喰わんくても平気なのかのぅ・・・???」
例え“別世界”に“転生”しようが腹は減る筈。生き物ならそれが普通なのだが・・・
「いずれレベルアップすれば『口』が開く様になるのかの?声は一応ヘッドから出てる様じゃが。」
と今だ未解明な事が多い己の状態に疑問を己の内面に投げかけてみる。無論、返事は無い。
悩んでいてもしょうがないと外れた右前脚に身体を引き寄せ倒れこむ要領で肩を嵌めてみる。
カチリ。何かが嵌る様な感じがして外れたパーツが接続された。
元の姿勢に戻って念の為に装備画面を確認すると右前脚が装備されている。
右前脚をブンブン振ってみるが違和感は無い。試しにフルスイングしてみる。
「む。肩から先だけ回転させ続ける事は出来んのかの?攻撃するのに楽だと思うんじゃが。」
そこでイメージするのは両腕大回転車輪。ほーれグリグリグリ。流石に両脚を途中で切り離しはしない。
「ふはははは。駄々っ狐連続キックを受けてみよっ!!」
スカスカスカ。前両脚が空しく回転し空を斬る。ある程度回転させて気が済んだので次の確認に移る。
「うーむ。慣れれば切り離したパーツを引き寄せて装備出来そうではあるが今はやめて置くかの。」
○ーンxの様にバラバラ攻撃も何れは出来る様にはなるかもしれないが、今はバラけたら終わりだろう。
「それよりもじゃ、『MAP』とか おわっ!?」いきなり目の前に現れた『地図画面』にびっくりする。
「なんじゃ。便利な機能が付いて・・・駄目駄目じゃな。これは『オートマッピング』ではないか。」
目の前に現れたのは『世界地図』ではなく、枠内が灰色の画面にちんまりと進んだ軌跡が
虫喰いのごとく緑の線がちまちまと進んで止まってる様子。拡大ボタンも今は意味をなさなそうである。
何度目かのため息を付くと『MAP』画面を仕舞いトボトボと歩き出した。
「こんなんで“魔物”とか出てきたらどうしたらいいのかのぅ。戦えそうな相手なら良いのだが。」
とフラグになりそうな物騒な台詞を呟きつつ前に進む。
本来の『ゴーレム』はもっと大きくて人並みの大きさなので“異世界”の定義からしても『玩具』判定されてしまってる様ですが本人?は知りません。