学園7不思議
リーナ視点です
この龍凰学園には6つの不思議があるという。
曰く、夜一人でに鳴る音楽室のピアノとか
曰く、夜な夜な表情の変わる美術室の肖像画とか
曰く、階段の段数が上る時と下がる時とで変わるとか
とにかくそんなたわいもないような噂話の類いである。
そして・・・最近新たに7つ目の不思議が加わったとリーナは生徒達の雑談の中から聞いた。
(ついに・・・来たのね。隠しキャラの一人と遭える日が。)
その噂の内容とは、
『どの学年にも属さないマントを羽織った幼い獣人の女の子が校内を時々うろついている。』
という内容のモノだ。リーナはその子の事を『知っている』。
所謂お友達キャラの中でもゲームの中盤の終り頃に入ってから現れる『彼女』は
基本的には校内でだけでしか遭遇する事は出来ない。
最初はマント姿で購買の近くにしか現れず、雑談位しか出来ないが、
ある特定の『アイテム』をあげて彼女と親しくなっていけばその姿を拝める様になる。
(確か・・・。お昼休みの終り頃の僅かな時間帯が彼女の出現時間だったっけね。)
居た。何故かミィナと一緒だと遭えないんだよね。『彼女』。
恐らくは購買で売っている物が欲しくてうろついているのだろうが
人前に出るのも戸惑っているのか柱の陰から購買の方を伺っている真っ最中。
・・・なんだけど、やけにちっこいわね。
(まぁ人込みにびびってて縮こまってるだけだったとは後で分かるんだけどね。)
「ねぇねぇ。そこのお嬢さん。購買に何の御用かしら?」
とちょっと気取った感じで声を掛ける。『ゲーム』の中じゃ確かこんな感じで声掛けてた筈。
「ギクッ!!」あ。案の定というか『ゲーム』の流れの通り怯えちゃった。
ギギギギギ。
という様な擬音が似合う位にこちらにマントの陰に隠れてる顔がこちらに向けられた気がする。
「あ、あの・・・。私、買い物とかしたいんだけど・・・その。お金が心もとなくて。」
とおどおどした声がマントの中からする。
「持ってる物売りたいんですけど、購買で買い取って貰えるかも分からなくて・・・。」
そうそう。この子、何故か剣とか魔石を購買で売ろうとしてたんだよね。
クエストで手に入れた物ならクエストの報告窓口で売ればいいんだけど、
それ以外の手段で手に入れた物ならば購買でも売り買いは出来る。
まぁ報告窓口よりかは買い取り価格はちょっと安くなっちゃうんだけどね。
今何を持っているか聞くと今は薬草1個と角兎の魔石5個だって。
買いたい物は?と聞くとやっぱりゲームの通り『魔石の破片』だった。
こういう所は地味にゲーム規準なんだよね。ちょっと安心した。
もしかしたら錬金術師とか目指してる子なのかも知れないけど、
思い返してもやっぱ見かけた事ない子なんだよねー。流石謎だわ。
ふと足元みるとミラが興味津々といった感じでその子の顔見上げてた。気になるよねー?
さて、どうするかな?
マントで顔隠した女の子の登場です。って正体バレばれですね。次回はソラ視点。




