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生まれ変わってケモノな玩具!?  作者: きつね耳モフモフ
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校内授業と続く嫌がらせ

図面として残す様です

 ガウリンの巣退治は無事終了した。冒険者達は次のクエストへと次々に去って行き

巣の解体も攻撃魔法の的代わりにする事であっというまに粉微塵に砕いて終了。

 錬金術系の技術を持つ生徒達によって荒れた植生やらは改善改良され

最盛期と目される状態にまで状態を引き上げる事に成功したとか。

「うー。こうやって図面にすると分かるけど、攻城戦みたいなモノだったのねー」

とミィナが学習机を寄せて作った床に広げれた用紙の上で書き込みを一休みしつつ

「うん。ただ単に包囲してるだけだと思ったけど結構良く考えられてるよ?」

と外郭に当たる配置の絵を見つつアンヌが細かい部分を書き込んでいく。

 ヒューイが上空からの監視の一旦を担っていただけあってその位置は正確である。

「貴族の方々って攻撃受けたら即逃げ出しそうな気がするけどあの配置も意味あるの?」

とリーナが自分達のいた辺りの絵や注訳を見つつ聞く。

 今日の授業はガヴリンの巣の攻略報告用の絵図の作成。

巣に突入した男子達はそれぞれが所属した班でマッピングした絵を元に

細かい部分を補完しより正確な地図を作る作業を、

 女子達は自分が採取していた辺りの植生やら素材の分布図や配置を描いて

ガウリンの巣だった辺りの当時の様子を出来るだけ正確に書き込んでいく。

「んー多分貴族の方々はそれぞれが移動式の小型砦みたいな扱いなんじゃないかな?」

とアンヌが当時の配置を思い出しながら手を頬に当てて考えを纏める。

「小型砦?そりゃまぁ警護の人達も居るし機動力もあるんだろうけど・・・」

とリーナが首を傾げる。先頭に巻き込まれたら即尻尾巻いて逃げ出すであろう

彼らにその役目があるのか疑問なのだろう。

「たらればの話なんだけどさ、巣そのものを囮にして外側から攻められた場合、

 退路を断たれたらやばいのは攻めてる側なんだよね。補給とかも含めて。」

とアンヌがと貴族な方々の馬車が停まっていたよりもさらに外側を指し

その次に自分達のいた側からより巣に近い方を指す。

「前面に立ってる人達は後方の私達が居るから前面の敵と戦えるのは分かるし

 その後方から攻められたら困るのも分からないでもないけどそれと貴族の方々がどう関わるの?」

とミィナが小首を傾げて口を挟む。

「あ。そうか。逃げるにしたって行先の候補はそんなに無いんだよね。

  前面の方に逃げるかより後方の安全そうな所を選ばなければならないし。」

とリーナが貴族達の役割に気付いて彼らが逃走するであろう経路を指し示す。

「そうそぅ。馬車を使う以上は道を利用するだろうし、逃げるのに便乗して外から攻めて来た側を

攻撃するも良し、あるいは一緒に脱出して援軍を呼ぶも良し。」

とメリットを上げるアンヌ。

「でも脱出に手間取ったりすればその貴族の方々も全滅したり追剥団とかにも合う可能性もあるから

絶対的な切り札になりえるかと云うと難しい所なんだろうけどね。」

とアンヌが絵図を見回しつつ答える。

「まぁ幾つかあるであろう戦い方の選択肢の一つ位に思ってた方がいいと云う訳ね。」

とリーナが納得する。

「そうだよねぇ。毎回貴族の方々が付いて来てるとは限らないんだし。」

とミィナも同意する。

(ふむ。この間の牛騒動も言うなれば後方から攻められたせいで混戦になってしまったのじゃったな。)

と私はあの採取クエストの生徒達の配置を思い描いてみる。

 簡単に図にすると女子達のクエを中心としてその周りを男子のクエが取り囲んでいる構図。

牡牛の牛舎はその男子側にあった。つまり女子達に取って後方の一つに当たる。

 もしあの牛一頭一頭が貴族の馬車とそれを取り囲む様に守る護衛団みたいな存在で

尚且つ敵だったならもっと酷い事態になっていたであろう事は想像に難くない。

 だがリーナという竜の雛持ちがそこに居るという事を見越してアレを起こしたとすれば

余りにも計画がお粗末過ぎる。被害者達の中に犯人が居れば見逃して貰えるとでも思ってたのかの?

 牛舎の門扉が閂ごと吹っ飛ぶだなんて事態がそうそう自然に起こる筈ないのだ。

学園側に責任が無いと判断されたという事は生徒達か外部の者の何れかに探索の的が絞られたという事。

 そういえば荷物入れに泥を塗りたくった様な地味な嫌がらせはまだ続いている様で

こないだもリーナの教科書がメッタメタにされていたらしい。

 本人はミィナ達を心配させない様に隠れて修理してた心算じゃろうがそれを見つけた時に

「あちゃ。」とか小さい声漏らしてたし地味な包装で本を包んでもアンヌの目は誤魔化せんぞ?

修理し終わった後でミィナとアンヌが彼女の教科書を見せて貰って本の傷の具合を探ってたしの。

リーナは修理もバレてない心算じゃったろうが最終的には二人にお小言喰らっておった。

 最後は3人仲良く笑い泣きしておったから直ぐに仲直りしてたのは分かるがの。

「キューィ。」うんうん。ヒューイよ。こういう時はお喋りの輪に参加出来んのは寂しいよのぅ。

もっと身近で会話を聞きかじれる状況のミラが羨ましいわ。

 まぁ『命令』が無くても勝手に動き回れるタイプの私ならば彼女らの足元に

行って話を聞くという選択肢が無い訳ではないがそれではぼっちになるヒューイが可哀想だしの。

図面にするのは後学の為。字だけでは伝えきれない部分もあるでしょうしね。地味にリーナの周りのイベントも消化されつつある様ですがまだ攻略対象は現れる様で!?

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