VSガヴリン その1
お昼休みは貰えない様です。
程なく目の前に旅人風の服を着た緑色の小人が3人現れた。
緑色した顔が濃ゆいというか老人ぽいというかなんかヒトの美的感覚からすると悪人顔しとるな。
あれがガヴリンか。前世の『世界』ではゴブ○ンと呼ばれてた魔物と良くは似てる。
真ん中の一番偉そうなのが弓を持っている。あやつがヒューイに向かって矢を放った奴かの。
『‘+:@〆!!!!』『‘~∥:⁅』『^‐!”%&(‘』
うん。全然何言ってるか分かりませんでした。『共通語』でない事は確かじゃな。
口汚く何か罵ってるかと思えばカサコソ動く虫に驚いて大げさに飛び退いてみせたりと
見ていてある意味飽きないのは良いのじゃが。
ミィナ達の顔が見える距離に入ったら何かのスイッチが入ったかの様に襲ってきおった。
剣を振りかざし迫ってくるガヴリンその①。
その②は弓持ちの前に立って持ってる小型盾で守りを固めている。
成程。一応連携は取れる様じゃな。数の上では3対6だからこちらは勝てない相手ではない。
リーナとミラが戦えないのを考慮したとしても3対4。
ふつーならミラの気迫を感じたら避けるか逃げだすだろうにこいつらにはそれが無い。
一応ミラの方は観ない様にこっちに向かって来てるとこみると本能的には分かってるじゃろうがな。
ミィナが私に『指示』を出す。「ソラ、構わないからそいつらやっつけちゃって!!」
えー。いいのか?一応こいつらも『狩り』とかの『クエスト』の途中じゃよなぁ?
突っかかって来たその①の剣をひょい。と避け、体当たりをかますと
そやつは持ってた小型盾でドカッ!と防御する。
む。やはりやりにくいの。戦うしか無いんじゃろか。
と内心迷ってる内にミィナが「ナイフ受け取って!!」とナイフを投げて寄越した。
迷うまでもないって事なんじゃろうな。この状況。
口でナイフをハッシと受け止め、ナイフで〝最初から”小型盾を狙う。
ビシッ!相手は余裕で小型盾で受け止めた心算の様じゃが
私の目的はあいにく小型盾なんでな。
1、2回は余裕そうな歪んだ笑い顔で小型盾で防御していたガヴリンだったが
思いの外重い衝撃に耐え切れなくなり剣で私を払いのけようとする。
それを避けて着地した所にリーダー格の放った矢がヒュンと飛んでくるが、
カキン。と尻尾での『剣技』で難なく叩き落とす。
あ。なんかギーギー悔しがってる様じゃが私の二刀流モドキを見破られた訳ではなさそうじゃな。
そう、今の私ってば口のナイフと『硬化』した尻尾で疑似『二刀流』が出来るのですよ!
いちいち『剣化』して叩き斬るよりも尻尾状のまんまの方が防御面積を多いからメイス代わりも
やろうと思えば出来るしの。
私は間髪を入れずガヴリンその①に向かって尻尾打ちを決行。
剣でそれを払われるも予め狙っていた通りに咥えていたナイフで
盾を持っている方の小型盾の腕留めをたたっ切ってやった。
支えを失い盾としての機能が落ちたそれで私の攻撃を躱そうとするがもたつくそやつを見かねたのか
その②が助けに入ってくる。
その時「キューイ!!」と上空からヒューイの鳴き声が響き、
次の矢をつがえようとしていたリーダー格に急速降下しその矢を叩き落とした。
ナイスフォローじゃっ!!
後方をちらりと見るとミィナとアンヌが用心しつつリーナの周りを固めているのが見えた。
ふむ。『MAP』ではこやつら以外には赤い点は見えないが、索敵範囲外からの長距離攻撃とかあるかも
しれんしのう。いい心がけじゃ。さて。その②はどんな攻撃を見せてくれるのかの?
牛事件の後という事もあってミィナ達は遭遇に対してかなり敏感になってるみたいです。余談ですがまたもや戦闘シーンが1話分に入りきりませんでした。ちょと反省。




