クエスト再開と意外な料理
ご褒美が貰える様です
休養を取って元気を取り戻した女子達が徐々に『採取』クエストに戻っていく。
雄牛舎の新調された門扉には新たに防御呪文が書き込まれ
制御用の宝珠も埋め込まれた事でちょっと豪華さも増し生産職系の生徒達
の記念碑代わりになっておるそうじゃ。
今日のミィナ達の任務は消費しすぎてしまった中級魔力回復薬
の材料の『採取』じゃ。ミィナやアンヌ達に遅れない様にリーナも随伴中。
『翼変化』の後遺症がまだ残ってるのは尾羽が元の大きさになりきれてない事から
傍目で観てても明白なんじゃが、もうなんでもない様な顔して
皆と同じ様に『クエスト』に行くと言い出しおっての。
ミィナもアンヌもリーナを心配して着いてこようとするの止めてたんじゃが、
ミィナへのミラのガジガジ甘噛み攻撃とリーナの粘りに
二人とも折れて極力戦闘やら補助やらを禁止しての随伴許可とあいなったという訳なのじゃ。
無論、私やヒューイも彼女をフォローするのは忘れてないし、
ミラもリーナを気遣ってるのかミィナの頭に載ったりアンヌの頭に載ったりと
座り心地を確認しつつも周りを警戒してくれてるみたいじゃな。
丸まって寝てるばっかりかと思ったら時々身体伸ばしたりしてるその体型は
やはり4つ脚の龍っぽい。フワモコ龍とでも言うのかのぅ?
今まで毛で隠れてて良く観れかなったその目はオッドアイで金色と青い瞳で
かなり知性の伸びが期待出来そうな目付きをしておるようじゃ。
・・・『鑑定』はやらんぞ?うっかり使って機嫌損ねて
吐息で『消し炭』にでもされたら洒落にならんしの。
「少し早いけど、お昼にしよーかー。」とミィナが早めのお昼を提案する。
アンヌもそれにすかさず賛同し、リーナがえーもう?という顔しつつも嬉しそう。
「今日は皆で作った食事だから特別おいしいと思うよー。」とニコニコしつつ
リーナが持ってた籠からお昼の食事を出す。
最初はリーナがせめて皆の分の昼食位はつくらせてくれと言ってたんじゃが
結局3人掛かりで賑やかに作っておったんじゃよな。何作ってたんじゃろ?
「はぃ、これどうぞ。ソラにも食べて貰おうと思って作ったんだよー。」
と目の前に差し出された白いお皿に載せられていたモノは
どっからどうみても『お稲荷さん』じゃった。良くこれ再現出来たの?
あ。そうかあくまでも似た物じゃよな?まったく同じ『素材』がある筈が無いんじゃし。うんうん。
ヒューイにもちょっと小さめな同じ様なモノあげている様じゃが、喰えるのかの?
まぁ私の前世の『世界』の猛禽類も喰ってたりするから多分大丈夫だとは思うが。
ミラも気になるのかリーナに同じのくれとねだっておる様じゃの。
でもこれってひょっとして私のパワーアップ用アイテムだったりするのかのー?
喰った途端ファンファーレが鳴ってちび狐玩具大行進とかだったら流石に泣くがの。
「あれ??『クィナ』君が『お稲荷さん』は狐族の好物だって言ってたけど『召喚獣』は違うのかな?」
と思わず『お稲荷さん』前にして固まってた私にリーナが首捻りながら言う。
ほぅー。クィナから得た情報とかで再現したのか・・・。レシピとか貰ったかの?
材料はミィナとアンヌが居れば揃えるのはある程度簡単なんじゃろうが・・・
しかしクィナのあの謎めいた台詞が偶然かはたまた『ひっかけ』じゃったかはまだ分からんが、
クィナの根回し力というか飛び込み力?は馬鹿には出来んという事か・・・
まぁ難しい事は後回しにして今はこの『お稲荷さん』頂くとするかの。
ソラにお稲荷さんあげたかったんですがタイミング難しくてこういう形に。材料の豆腐とかは流通品として存在するという事にしておきます(ぉ




