『転生せよ。』
頼まれ事だったようです。
それよか“異世界”転生かー。中々体験出来なそうな事だし楽しそう?だな。
『なんじゃ。御主、既にこの状況を想定済みか。それなら話は早い。』
と人魂?がさらに勢い良く青白く燃え上がった。
『あぁ、別に他の神が遣わし者を倒せとかそういうのでは無いぞ? ただ生きれば良い。』
む。生きろとな。勇者派遣とかいう奴じゃないのか。しかし生きろと云ってもいろいろあるぞ?
『ふむ?目標が欲しいのか?まぁ頂点でも極めれば良いのではないか?出来ればで良いがの。』
随分曖昧だな。まぁ出来ればで良い。ってのならその内頂点を極めるのもいいかな。
『記憶はそのままでいいとしてもいろいろ困るであろう。必要そうな能力は与えておいてやるわ。』
ほぅほぅ。チートとか貰えるのかね?それならまぁ困る事は無いんじゃないかな。
『御主が行く“いせかい”にはいろんな“じゅうじん”が住んでおる。普通の“ひと”もおるがの。』
良いねぇ。『じゅうじん』てのは『獣人』の事だろう。どんなのが住んでいるか楽しみだ。
『とりあえず御主の記憶を参考に“すてーたす”だかも観てる様にしておいたでの。』
おぉ。という事は『魔法』も普通にあるという事か。この歳で『魔法使い』は早い気がするが。
『なんか御主結構枯れとるのぅ。まぁ魂に揺らぎがある時点でお察しじゃが。』
多分でなくてもその揺らぎってのは『俺』がこの『世界』に合ってないって事なんだろうな。
『まぁそうじゃの。本来『女』であるべき者が『男』に生まれついておるんじゃしのぅ。』
ぐはっ。やっぱりそうだったのか。『俺』も薄々気が付いてたんだ。時々女言葉になる『意味』を。
その『癖』のせいで『俺』にはオカマ疑惑すらまれに浮かんで来てたんだよな。
今までも何とか誤魔化して生きてきたけど冗談じゃない。『俺』は『男』だ。
『“てんせい”すればその様な事をもはや気にはせんでも良くなるじゃろうよ。』
あ、そうか。今『俺』は『魂』だけの状態。て事は新しい身体を貰えるって事じゃん。ラッキー!
『ふふ。その辺は楽しみにしておく事じゃ。“あれ”の頼みでもあるでの。』
ん。“あれ”ってなんだろう。あの助けた女の子の事かな?
『さて。準備も整った事だし御主を“いせかい”に送ってやろうとするか。』
おお。ワクワクしますね。所でどんなチート貰えるの?
『“ちーと”?なんじゃそれは・・・。ふむ?まぁ似た様なのはあるみたいじゃしいちいち気にするな!』
おぃ。何か不穏な気がするんだが、 大丈夫だよね?
『さぁさぁ、“いせかい”へれっつらごー!!とやらじゃ。達者でのーーっ!!』
と『俺』がまだ聞きたい事があるのにその“神の使い”とやらは『俺』の『魂』を足元に突然空いた穴に
“ボッシューと”した。
『あ。“まっぷ”とか“すとれーじ”について伝えるの忘れてもうた。ま、いいか。』
と暗がりから浮かび上がった巨大な“影”が白い『狐』の形をしていたのを『俺』は知らない。
転生はお願いタイプがいいか放置タイプがいいか悩みますよね?