採取クエ その④ 事態好転
ようやく事態が収拾する様です。
草原で『牛』と生徒達の攻防が続く。『魔物』とか所有者の居ない動物なら兎も角
学園で飼っている『牛』なだけに気絶させるか取り押さえる位しか選択肢が見当たらない
相手に全員が苦戦していた。
(まぁ中には氷に閉じ込めちゃった子もいる様じゃが
背に腹は代えられんからのぅ。後で解凍してやればいいんじゃないかの?)
ミィナと一緒に駆け回り、豹な男子のケイルのけん制や補佐もあって
暴れる『牛』の顎に頭付きかましたりしていると
城から来たという王子らしき者が自分のパーティーの陣頭指揮に立っているのが
視界に入って来た。装備は普通のっぽいが綺羅っ綺羅っした金髪に・・・ありゃ犬耳かの?
なんとなくシベリアンハスキーっぽいフワフワッした黒耳が頭に付いとるな。
「王子、ここはお下がり下さいっ!!」って取り巻きな奴の一人が進言しとるが
「はっ!こんな事で下がってたまるかっての!!」とか喚き返しているし王子で間違いないじゃろ。
ケインも王子とこっちのどっちか守るか躊躇しとった様じゃが
ミィナと私とて走り回っておるんでか慌ててこちらに付いて来た。
本当は龍の雛連れて行ったアンヌの方を追いたい所なんじゃろうが
種族特性でか長距離移動は苦手っぽいし女子であるミィナを護らなきゃいかんしで
使命と指令の板挟みといった所かの?まぁいい経験にはなるじゃろうて。
俺様系王子っぽいのも生き生きとした目付きで指示を出したり自分も手を出したりしとる。
ここは種族特性というか犬種特性?の発揮させまくりといった所かも知れん。
「「ウィンドカッターっ!!!!」」
何度目かのリーナの技が地面に炸裂してまた1頭『牛』の進行方向が変わる。
王子がちらりとリーナの方を観たがリーナは気に留めず他の『牛』の行動を止めにいっている。
なんか時間経過と共に飛び方が振ら付いて来てないかの?無理が掛かって無ければ良いが。
ん。『MAP』にアンヌが走っていった方向から纏まって黄色い点が現れた様じゃの。
ちらりと目線をそちらに向ければ、縄とか長い棒持った先生方が団子状になって現れた様じゃった。
(やれやれ、この騒動もこれでようやく収束かの?)
私はミィナの指示を受けつつ残った『牛』達に頭突きをかましまくるだけだった。
王子の犬種がハスキーなのはまぁ狙いすぎたかも。ライオンとか鷲とかパンダにするか?とか散々悩んだんですがこれで落ち着きました。純粋なヒト枠は誰にするべきかな・・・うーん;




