採取クエ その①
クエスト開始です。
街の郊外で『採取』クエスト中じゃ。ミィナが敷物広げて『解体』やら『餞別』やら
やってる傍らでリーナが龍の雛をあやしつつそれを補助し、
アンヌが『召喚獣』の『魔鷹』の『ヒューイ』で上空から『偵察』やら
先制攻撃を行い、地上から私、すなわち「ソラ」が獲物に対し追撃というか袋叩きにする。
郊外ならスキルは使いたい放題じゃしミィナ達はいちいちこちらの攻撃方法なんぞ
注視しないだろうから、尻尾の『剣化』も可能と言えば可能なんじゃが・・・
なんかね。動き回ってると生徒らしき奴らがそこそこ『MAP』に映り込んでるので
スキル使用も慎重にならざるを負えないのじゃよ。
(まったく。これでは『浮遊』とかうっかり使えなくなってしもうたではないか。)
まぁ『ヒューイ』の索敵能力とアンヌの種族特性が優秀なんで遅れを取る場面は少ないがの。
学園としては生徒の安全対策も兼ねてクエストの凱旋先を纏めてるんじゃろうから仕方がないか。
こちらも反動の歪みはまだ完全に治っておらんし、下手に『スキル』使用して壊れるのも怖いしのぅ。
当分はリハビリも兼ねて戦い方の見直しをしないとならん。
という訳でミィナがナイフ使ってない時にそれ咥えて具合みていたりしたら
察したのかリーナが手持ちの余ってたナイフくれたので今はそれを咥えて攻撃に参加する様にしておる。
(やっぱ『刃』があるとないとでは『剣術』スキルの効果がダンチじゃのう。
お陰でムカデじゃろうが角兎だろうが簡単に切り裂ける様になったわ。)
『解体』現場とかの『浄化』はミィナ達任せなのでそこらはちょっっと楽をさせて貰っておるがの。
まぁそれでは何か申訳ないので暇を見つけて『薬草』なんぞを代わりに『採取』しては
彼女達の所に持っていく様にはしておるよ。
採取の方法は村に居た時に猫のにーちゃんの『採取』を観様見真似で覚えて脚を変形させての
掘り方工夫したからの。『採取』スキルが無くても植物位なら『採取』が可能になったのじゃ。
最も『採取』の結果のランクなんぞは私は分からんからミィナ達の『鑑定』の結果を
観て彼女らが『合格』させた現物を覚えてから『採取』をやる様にしたので安定のCランク台。
AやBランクは生えてる物次第じゃからそうそうそのランクのは出せないがまぁまぁの成果じゃないかの?
「こうやって観てると何か不思議なんだけど、あんたやっぱり『召喚獣』なんだよねぇ・・・」
とリーナが龍の雛あやしつつ採って来た『素材』の選定を手伝いながら呟く。
(まぁ『異界』の『玩具』とはいえ勝手に動きまわっておるんじゃからのぅ。
『召喚獣』ならば『ゴーレム』という例もあるし余り不自然ではなかろう?)と内心ニヤリとする。
私の『乙女ゲー』での立ち位置は知らんがその観かたは余り替えんで欲しいわな。
因みに彼女が『採取』クエに参加出来てるのは彼女自身の先生方への粘りと
危険なクエには参加させないという学園の配慮があったからとミィナ達の話から聞き齧っておる。
流石にクエ中は随伴のミィナやアンヌにまかせっきりで
戦闘行為その物には参加はしないじゃろうなぁ。と思っておったら積極的に手を出すし、
アンヌも最初その辺は怪訝そうな顔しておった様じゃが
リーナが真面目にやってるの分かったのか今ではしっかり友達になっておる様じゃな。
さて。では次は何やろうかと彼女達の傍を離れようとしていた時。
他の『採取』クエに参加している生徒達の方から悲鳴が上がった。
む?『MAP』の索敵範囲外じゃと?一体あっちで何が起こったのじゃ!?
『強化』の前に『イベント』が始まってしまった様です。リーナは果たしてどう出るのか。
次は多分久々の戦闘シーンに突入予定です。




