授業開始 ~召喚のおさらい~
3学期が開始された様です
3年初めの『召喚テスト』が前代未聞の事態に発展したとは云え
一応『召喚師クラス』全員のパートナーたる『召喚獣』達が頭数分そろっている以上
学園としても授業はやらなきゃいけないという訳で授業は例年の様に開始される事に。
授業中は基本的には『召喚獣』達は召喚しっぱなしである。
無論個人が展開する簡易型召喚魔法陣でも『召喚』と『帰還』は可能なのだが
いわゆる『従順』度を上げる為と術者本人の魔力上限の底上げに繋がるのでその方式が採られている。
『召喚』には一度『名付けの儀』を済ませてしまえば『召喚』の際に『指名』してやれば良いので
本格的な召喚をやるよりかはかなり負荷は少ない。
『召喚』している間は『召喚獣』は周りや術者の『魔力』を『糧』に行動しているが
『好物』が判明している場合にはそれを与えてやれば『従順』度は増しやすい。
回復手段とて同じ事。『薬草』や『傷薬』での『回復』だけが回復手段では無い。
これが単なる『ゴーレム』とかでは最悪パーツから創り出さないとならない場合もあるのだから
スキルを余分に取らねばならず召喚術師泣かせの存在になり兼ねない。
ミィナの場合は生家の関係で学園入学前から生産系の能力を持っているので
『修理』や『補修』時には特に負担にもならないので
問題があるとすれば補修材料『採取』の手間位ではあるが。
「んー。精霊系の子達を引き当てたヒト達よりかは楽。って事なのかな???」
とミィナも授業を受けつつも首を捻っている。
一方の狐の『玩具』はというと魔法の試しがけ等で表面の焦げはほぼ引いたが
内部はそうもいかずいまだ碌に動けないので授業中はミィナの机の上のミニ座布団?の上で待機中。
他の生徒の『召喚獣』達は止り木やらに停まって生徒と一緒に授業を受けていたりする。
「後で傷薬とか飲ませてあげた方がいいのかな?ってそもそもこの子に効くの?」
精霊系の『召喚獣』達は身体を構成している物質と同じ物を与える事で回復が早くなるのだ。
しかし『異界』の物質で構成されている狐の『玩具』と同じ物質は基本的には存在しないのが『常識』。
よって回復手段は普通の『召喚獣』同様のを採るのが一番の近道となる。
仮にも『召喚獣』なのだから、『帰還』させてやれば『回復』は早まるのだが。
この世界に『異界』から召喚された物の場合の『帰還』先はどうなるかというと・・・
結論としては『帰還』させても術者本人の所に時間差で再出現するという現象が発生してしまう。
似た様な例としてはリーナの龍の子も同様の問題を抱えているので特に問題視はされなかったが
逆に言えば術者の負担がその分増大してしまっているのでそういう意味では責任重大だ。
リーナとミィナは休憩時間の時に顔を見合わせて同時に溜息を付きあった。
「あなたはまだいいわよ。なんのかんの言っても『玩具』なんだから。
こっちは上げ膳据え膳で世話しないといけないし・・・」
とリーナがぼやくのも無理は無い。
龍の雛が一番喜ぶのは『魔石』との事でミィナが提案して村の不良在庫の山を提供する事で
村のクエスト凱旋所も置き場問題の解決に一役買ったのはまた別な話。
一応『帰還』先問題は協議の末学園寮の寝室の棚の上の簡易召喚魔法陣に設定してやる事で決着した。
最もリーナの場合は龍の雛がくっ付いて離れないのでほぼ抱えたままの様だったが。
龍の雛を『帰還』させてもリーナの元に戻ってきてしまうのは親がつっかえすから。一応育て方が気に入れらてるって事で。「所でさりげなく村の『魔石』の不良在庫消費されてる様なんじゃが?」はて?なんの事でしょー(ぉ




