鳥は後を濁さず
本人も自覚してるっぽい?
保健室内を静寂が包む。『ミレーヌ』もはっとしたのか慌ててミィナを放し姿勢を正した。
「コホン。・・・これ以上は貴方も身体がきついでしょう。養生して下さいませね?
それでは今日の所はここで退散致しますわ。御機嫌よう。あぁ、そちらのアンヌとやらもね。」
と慌てた様に振り返ると扇で顔を隠しつつ去りつつ今度はこちらをチラ見しするとドアを開け、
室内に向けて丁寧に会釈するとドアを閉め外に居た取り巻き連れて足早に去っていったのだった。
後に残されたのはボー然としたミィナと固まってるアンヌと『召喚獣』達だけ。
アンヌ「えーと。これって喜んでいい事なのかな?それともあたし等単なる踏み台代わり?」
とか困惑中。まぁ普通に考えたら『踏み台代わり』が正解なんじゃろうがの。
というかちゃっかりお主も頭数に入れてある辺り策士じゃの。なに企んでおるのやら。
ミィナ「どぅなんだろう・・・。あたしなんかじゃ良く分からないや・・・」
と強烈なベア―ハッグから解放されたばかりでフラフラなミィナが答える。
なんかまたぶっ倒れそうじゃの。『名付け』はまだ先になりそうじゃわ・・・
にしてもあの『ミレーヌ』という貴族、計略とか悪略とかとはまた縁遠うそうな性格じゃったな。
気を付けるとすればこれまたテンプレな周りの取り巻き連中と云った所か。
「キューィ。」と魔鷹がブルブルっと羽を震わせ佇まいを正す。
毛繕いしつつこっちをチラ見しとる様じゃが私は鳥用『玩具』では無いぞ?
「あ。所でミィナはこの子に『名づけ』し終えたの???」
とアンヌがミィナに水を向けるがこの状況では答えを期待するの無理だと思う。
案の定というかベットの上でひっくり返ってまた気絶してしまってる様じゃし。
「あ。あははは;流石に今聞くのは無理かぁ~。また後で来るねー。お邪魔しましたー。」
とそそくさと保健室のドアをそっと開けて退散していく。おーぃ。忘れ者じゃぞー!?
「あ。ほらほら。おいでおいでー。」と保健室の外からひょいと顔を出し
『魔鷹』を手招きする。『魔鷹』も今度は声を出さすに翼を広げるとパッと棚から飛び立ち
チラ。とまたこちらを見詰めてから廊下へと飛び去っていった。
「パタン。」小さな音を立ててドアが閉まり、コソコソとアンヌ達も去っていく。
「はぁ(溜息。運動もしてないのに私まで疲れた気がするのじゃ。」
しかしあの『ミレーヌ』といい『魔鷹』といい、
あのチラ見の動作には値踏み以外に何か意味があったりすのかの?気になるのぅ。
そういやリーナも見舞いの時にげっそりした顔で私をチラ見してた様な・・・。
この世界の鳥種にとっても『狐』に何か思い入れでもあるんじゃろか?うーん。分からん。
獲物を狙う目付きでない事は確かだと思うんじゃがのぅ。
鳥ヒト「じーーっ」狐「何かこわひ」←この辺は種族特性みたいなモノの名残り・・・かも知れません




