俺様王子は学園に行ってみたい
乙女ゲーの攻略対象が動き出した様です
「ふふふふ。ふふふふふ。」遂に来た。遂に来ましたよ。この時が。
何がって大手を振って学園に行ける口実を手に入れる時が来たんだ。
前々から学園の召喚魔法陣が不安定で不審がられてたらしいんだが
とうとう『気付かず』に『異界』から物質を召喚しちまいやがった。
挙句にそのまま召喚を続行したってんだから、学生使って何やらせてんだか。
幾ら『召喚テスト』の名目で行事が押してるからって明らかにおかしいだろ。
幸い爆発には至らなかったそうだがその後の件がトドメに近かったな。
「まったく。幾らなんでも希少種のドラゴンの子を学生に召喚させちゃ駄目だろが。」
両方共『事故』って事で処理はされはしたがこれまでも国の目盗んで
召喚魔法陣を資金繰りに私用してたんじゃないかと出資してた貴族達に疑惑の目で見られてる。
最初の暴走事故で書き換わっちゃったと言う学園の召喚魔法陣は勿論封鎖だ。
なんせ、召喚術師の卵ですら本来の仕様じゃ召喚出来ない筈のドラゴンの子を召喚出来るんだぞ?
城の魔術師や召喚師共は涎垂らしまくって大騒ぎ。今も血眼になって術式と睨めっこだそうだ。
まぁ俺様にはそんな事はどうでもいい。
俺様はこの国の第2王子だ。名前は『ルーングラウド・シャイン・ファレスター・・・・あぎ。』
コホン。まぁいい。本名は無駄に長いし普段は『ルーングラウド』で済んでるからそれでいいよもう。
俺の兄貴、つまり第1王子は別国の学園に学びに行ってるから今動かせるのは俺位なんだよね。
「城の家庭教師達の相手だけじゃ『外』の様相は良く分からなかったんだよなー。」
『影』達ですら学園に通って己の得意分野を学んでいるというのに、
俺達王族は城の中でのほほんと『帝王学』や『宮廷作法』や『ダンス』等の
『修行』に明け暮れているだけってんだからどんだけ世俗から切り離されるかお察しだ。表向きはな。
あほな貴族共はそういうのやらせるだけやらして王家を『お飾り』にしときたいらしいが
こちとら代々そういうのに反吐が出る位の思いで接しているんだ。今に見てろ。
学園には既に他国からの留学生やらが学んでいたりするし
貴族共も子息達を通わせて無駄に地位向上の為だかに勤しんでいたりする。
裏では足の引っ張り合いばっかしてるらしいがな。
そんな所に庇護を持たないとは言え龍の雛持ちが現れちゃったんだ。
そうなりゃどうなるかはど素人でも分かる。嵐が来るだなんて穏やかなもんじゃないぞ?
「当然誰か王家からも派遣しないと貴族達も立場上不味いよなぁ?くっくっく。」
そういや俺様の婚約者もあの学校の生徒だったけな。『エリーヌ』って言う娘なんだが。
貴族共が俺様用に用意した娘だがまぁマトモな方だから行ったら会ってみるか。
俺様王子ってこんな感じでしたっけ?(困惑)。以降に出てくる攻略対象やらも大体こんな感じでどっかズレる事になるとは思いますが予めご了承下さいませ。




