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生まれ変わってケモノな玩具!?  作者: きつね耳モフモフ
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前代未聞な出来事だけに

学園サイドのお話しです

 ミィナが保険室で『魔力酔い』で寝ていた頃、学園長は頭を抱えていた。

召喚テストを強行したばっかりに召喚師の卵達を危険に晒した上に

 生徒に『異界』からの物質を召喚させてしまったばかりか、

挙句の果てに希少種のドラゴンの子をも召喚させてしまったのだから。

 召喚式担当の先生方3人も顔面蒼白だが彼らはまだいい。

 もし仮に召喚魔法陣が爆発していたら生徒共々この世から消え去っていた所だし

最終決定を出したのは学園長たる自分なのだ。上や下から何て云われるかは明白だった。

 「・・・それで。『異界』から召喚した物体は『ゴーレム』ではないのだな?」

と城からの使者は青筋立てたままの顔で学園長の前で突っ立っている。

 彼は城で観測された魔力の暴走源である学園に文字通り『すっ飛んで』派遣されて来たのだ。

「はい・・・。『鑑定』した所、『玩具』である事は間違いない様です。」

と召喚式担当の先生の内の一人が恐縮したまま答える。

うっかり間違った事を返事すれば首は確実に飛ぶから嘘は言えない。

「ふん。『異界』のヒトで無かったのは運が良かったな。一応『召喚獣』なのであろう?」

と書類を手に最終確認をする。

「はっ。はぃぃっ。今も保健室で大人しく召喚した生徒に付き添ってます。」

と別な召喚式担当の先生の一人が滝の様な汗を垂らしつつ答える。

「・・・まぁいい。『ゴーレム』にも満たない『玩具』では特に害にもなるまい。」

と書類と睨めっこしてた使者は、狐な『玩具』には余りご執心ではない様子。

「それよりも。だ。よりによって希少種のドラゴンの子どもを召喚してしまったとはな。」

と学園長に向き直る。


 実際に召喚したのは学生だが、それをさせてしまった責任は学園側にある。

「は、はい。まさか召喚魔法陣が書き換わってたとは・・・」と学園長が項垂れる。

ビキ。使者の青筋がさらに深くなった。

「妙な閃光とか発した時点で召喚魔法陣がおかしいのは分かってるだろうがっ!!(怒」

召喚式担当の先生方もビクっとなる。まぁ怒られて当然だろう。

 幾ら『召喚テスト』が大事だからと言って碌に召喚魔法陣を調べない内に次の召喚を行うとは。

「今、城からの調査官が召喚魔法陣を調べているが、かなり効率が良いものらしい。」

と使者は窓の外を見やる。ここからでは観えないが今頃調査官が徹底的に調査してるのだろう。

「お陰で城の召喚魔法陣の参考になるとかでそっちは大喜びだがな。」

とさっき廊下で報告に来た調査官と会った時の嬉しげな顔を思い出しつつ深いため息を吐くと

「報告書にもあったが一応聞いておくぞ?ドラゴンの子と呼び出した学生の相性は良いのか?」

と窓から振り返りまだ何も答えてなかった召喚式の担当の先生の一人に聞く。

「はい。かなり生まれたてに近いらしく擦り寄ってくる位だそうです。」とオドオドと答える。

 使者はしかめっ面で呟いた。

「・・・いきなり怒り狂った親ドラゴンが国を襲ってこないだけマシと言った所か。」

とここで学園長に向き直り

「いずれにせよ、扱いは慎重にな。親ドラゴンの吐息(ブレス)に焼かれたくなければ。」

と釘を刺す。

「城からはおって通達があるだろう。場合によっては城から誰か派遣される事になるやも知れん。」

と使者が冷たく学園長に告げる。どうやら今首が切られる訳では無いらしい。

「本来なら『異界』の物質を呼び出した時点で呼び出した生徒でなく

  お前達の首が飛ぶ所だが『事故』ならば仕方がない。」

とパンパンと書類を叩く。

「それよりも希少種のドラゴンの育成の方が大事だ。・・・相当運が良かったと思え。」

と幾分か表情を和らげた使者が告げる。これから大変なのは現場の学園の先生方の方だからだ。

命が取敢えず助かり安心と緊張から解放されぐったりした先生方を背に悠遊と使者は城に帰って行った。

最初の事件を軽く見過ぎてたってのも良くあるパターンかも。まぁ乙女ゲー突入前の裏側はこんな感じかも知れませんがねw

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