狐は困惑する
何故か召喚獣扱いに
ただ今目の前のベッドの上でミィナが絶賛『魔力酔い』中じゃ。
後先碌に考えずに召喚魔法陣のど真ん中で身に余る『魔力』『吸収』なんぞしとった
私の方にも何かしら問題は起きてておかしくはないとは思ってたがの。
「・・・何故こうなった。」
暴走しとる『魔力』を『暴食』しまくった反動は凄まじくて身体はマヒして動けんわ、
関節のあっちこっちから煙は吐きまくるわで先生方の目がこちらに注がれる前に
多重窓を全部しまうのがやっとだったし、召喚魔法陣からは
『召喚』されるべきパートナーな『魔物』は出てこんわ、
ミィナは『魔力酔い』で目の前でぶっ倒れるわと踏んだりけったりじゃったわ。
しかも何故か私が『召喚』された『召喚獣』扱いになっておるしの。
因みに私のステータス画面でも
種族:召喚されし異界の『玩具』。タイプ:ケモノ/キツネ
になっておる。いや別に『遮蔽』で変更している訳ではないぞ?
ミィナがぶっ倒れた後で起こった騒動に乗じて『遮蔽』を切ったり入れたりしてみたが
この項目に関しては変化なしじゃ。解せぬ。
「しかしあの『リーナ』とかいう女生徒、意外とついてる様じゃの。
何でも本来召喚出来ん筈のドラゴンの子どもを引き当てたとかなんとか。」
今はまだちっこい毛玉でしかない様じゃがこの学園の名前の由来になったドラゴンの子らしい。
多分私があの召喚魔法陣を安定化させてた時に何かをミスった結果な様じゃが
召喚してしまった物はしょうがない。
ミィナを馬鹿にしてた罰じゃ。精々育成に苦労するが良いわ。
「しかし、私は私で私の処遇には『鑑定』した先生方も困っておった様じゃのぅ。」
あのドラゴンの子程では無くても『異界』から引き込んだ『異端』扱いなのは変わらんらしいし。
例えそれが『玩具』であろうが大問題なんだとか。純生命体だったら学園解体?知らんがな。
とりあえず術者にも生命の危機とやらは無かった様なので召喚式担当の先生方も首は繋がった様じゃな。
「まぁあのドラゴンの子の騒動が無ければ話は別じゃったろうがのぅ。」
とりあえず、私はこのままミィナの『召喚獣』として学園に居座り続けれる事は確定されたのじゃ。
因みに取り込んだ『魔力』に関してなんじゃが『ストレージ』内で『魔石』に変化しておったな。
:(無名)の魔石
取り込んだ魔力が結晶化した物。(無名)の努力の結晶。内包する魔力はかなり大め。
これって多分取り出したら扱いに困る奴じゃろうな。(無名)ってのは私が創ったって事じゃろうし。
売ったら売ったで相当な値段付きそうじゃが取敢えず仕舞っとくが吉じゃな。
さてこれからどうしたものかの。・・・ミィナに『名前』変なの付けられなければ良いが。
術式の上で踏ん張ってたせいもあってか暴走してた召喚魔法陣に『召喚獣』認定されてしまった様です。この先どうなるんでしょうかね。




