暴走を鎮めし物
意外?なスキルが活躍する様です
召喚魔法陣の妙な胎動は私にも伝わっていた。例の女生徒も流石に察したのか
にやついた様な顔を辞めてミィナの召喚を見守っておる様じゃな。
一応先生方も召喚魔法陣を調べてたみたいじゃがなんかちょいちょいとあちこち弄っただけで
召喚続行OKを出しおったし・・・。不安が募る。
あ。ヤバい。なんか他の生徒の時に比べて明らかに召喚魔法陣の様子がおかしいようじゃぞ!?
召喚魔法陣の魔法文の光がどんどん崩れて光の床になっていく。
先生方の顔が青くなったり白くなっていく様じゃが、これではもはやミィナの召喚式を止められん!
「そ、そうじゃ、生徒達の召喚した『魔物』達はっ・・・・あかん。皆怯えて動けん様じゃな。」
やむを得んっ!!かくなる上はこの私がなんとかせねばっ!!!!
私は辺りに溢れかえっていく光のカーテンを利用して召喚魔法陣の中心に物陰から走り込む。
光の床が熱い。
「油断すると身体が分解してしまいそうじゃな。だが私には良い考えがあるっっ!!」
設置型の召喚魔法陣は術者の『魔力』と周囲の『魔力』を利用して『召喚』を行う。
それが暴走しているのであるのであれば術者か周囲の『魔力』を『吸収』してしまえばどうなるか。
結論。『召喚』を行える分だけ残せれば『召喚魔法陣』は旨く作動する。
見極めは難しいが、これだけ光源が眩しければ召喚されるべきであろう
パートナーな『魔物』と入れ替わりに身を隠す事も可能な筈!
「どこまでやれるか分からんがっ。『魔力』『吸収』じゃっっっ!!」
術者たるミィナの『魔力』では無く召喚魔法陣の『魔力』を『吸収』するのを選んだのは
生命体よりも舞台装置である『召喚魔法陣』の方が与えるリスクを考慮せずに実行出来るからだが。
「うぐをぉぉぉっ!?こ、このままではダメじゃ!?『吸収』が追い付かん!?」
小さい『玩具』程度では本来収まり切れない程の『魔力』を『吸収』しようというのだ。無理も出る。
『ステータス』画面や『ストレージ』画面、『イークイップ』画面やら『MAP』まで暴走して
空中に多重窓式に浮かび上がるが幸いにして廻りの光量に負けて周りの連中には見えていない。
「何か・・・何かないのかっ!!私の持っているスキルの中で使えそうな物はっ!!」
光の奔流に負けずと展開している『ステータス』画面にぱっと目を通すがこれと言ったものは・・・
「いや、まてよ・・・。これならどうじゃっ!!『魔力』『暴食』っ!!!!!」
それは賭けだった。
『『魔物』と名の付く存在は『魔力』が本来の『糧』であり、それ以外は副菜やらデザートの様な物だ。』
と云う受けおりの知識。
『異界』すなわち彼女の本来の世界の知識だがこの世界でソレが通用するのかどうか。
賭けは・・・勝った。
本来ならこの騒動で学園長の首が飛ぶ所なんでしょうがこの騒動後の子の『召喚』でお釣りが出たので厳重注意で済むのは別のお話し。