嘘の日企画 もしもソラが乗用タイプだったのなら
エイプリル・フールなネタです。リーナ視点。
その猫耳な少女が暴走しかけていた設置型獣機製造機の調整に手こずり、
機械が超派手な光を発してそれが収まった後のハンガーには『狐』の姿をした
乗用メカがちんまりとお座りをしていた。
一時はどうなるかと思ったけど、どうやら学園の設置型獣機製造機は
無事作動終了したみたいね。あのメカ、なんかあっちこっち焦げてるみたいだけど。
私達が通うのこの『龍凰学園』のパイロット育成コースでは
3年生になるとそれぞれ1機づつの乗用獣機を獣機製造機で作って貰える。
垂れ犬耳な子が作って貰ったのは鷹型の獣機だった。
獣機というは文字通り、ケモノの姿をした乗用メカでパイロットを目指す
者ならば最低1台は持ってる優れもの。『魔物』と呼ばれる大型の野良獣機が
闊歩するこの世界では必須の乗り物である。
私達『けも耳』と呼ばれる種族は『単なるヒト』や『魔属』と呼ばれる
種族と一緒にこの星に暮らしている種族らしい。ちなみに私は『鳥ヒト』
と呼ばれる鳥の特徴を持った一族の出なんだけどね。
どーゆー訳か私の両親は『幻獣』種と呼ばれる種類らしくて、
私も成長次第によっては『鳥ヒト』種の中でも上位種の存在になれるらしい。
かく言う私は『転生者』である。崖から突き落とされた事は覚えてるんだけどな。
なんで機械な大型のケモノが大手を振って闊歩しているという
この惑星だかの住人に生まれ変わってるのよ!?
しかもこのシチュエーションって私がやってた『乙女ゲーム』のプロローグ
そっくりじゃないっ!?て事は私が作り出さなきゃいけない機体って、
あの貴重種な龍タイプなの?うそでしょ?勘弁してよ!?どーすんのよっ!
白い悪魔な獅子タイプとか赤い多段変形な馬型タイプ並みに洒落にならないじゃないっ!!
どうせなら『マテリアル』コースとか『保守運営』コース選ぶべきだったかなー。
なんで『パイロット』コース選ぶかな。過去の私。
この世界が『乙女ゲーム』とそっくりって思い出したのがさっきの爆発的製造の余波を
喰らった時でまだ良かったかも知れないけど。なんでこーゆーゲームそっくりな
世界に『転生』する羽目になったんだろ。『逆ハー』?無理無理。
「時間もおしてるし、このまま次の機体の製造に移る!リーナ!!次はお前の番だぞっ!!」
と学園の先生が碌に設置型獣機製造機の調子も見ずに私に出番を告げる。
気絶しちゃった猫耳な友人が担架で運ばれ、ロールアウトした狐型メカが除けられたら
いよいよ私の出番。もーこの際適当に『ランダム製造』で済ませちゃおうかな。
ポチっと。
この後、案の定というかお約束で白い龍型メカを製造しちゃって大騒ぎになるんですけどね。どんな世界でも『主人公』補正から逃れられないリーナさんでした。




