それは『混沌』として。
敵ボスの正体が判明するんです!?
唐突じゃが、ここで小難しい話をばせねばならんくなった様じゃな。
生きとし生きる物、即ちナマモノに関する話なんじゃけれどもな?
その中でも『相』と言うモノに関する話じゃよ。
現状としては中庭ボスと相対しとる訳じゃがこれだけは外せんのでな。
『相』と何かとな?ほれ、『手相』とか『人相』とか云うアレじゃよ。
占いで良く使う表現として慣れ親しんでる奴じゃな。
『人相』占いの場合には『骨格』とか『目』とか『耳』とか『黒子』とか
で観るそうなんじゃが、その『相』というモノを身体全体に当て嵌めると
大まかに4つに分類出来る。『顔』『胴体』『足』『尻尾』という具合にな。
『単なるヒト』の場合は『尻尾』が無いので『手』の『相』を見たりする
訳なんじゃが、それは置いといて。
因みにこれを動物の分類に応用した場合はどうなるかと言うとじゃな。
狐さんの場合は、『哺乳綱ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ亜科』なんて事になる。
猫なのに犬とはこれまた如何にって奴じゃな。
『楊枝な海藻の様な魚』の分類理由である
『生態や身体が魚と同一であるからこれは魚である。決して竜や龍では無い。』
も大概っちゃ大概じゃがナマモノである事には代わりは無い訳での。
結局の所、私が何が言いたいのか良く分からない?要するにじゃな。
目の前にいるこの中庭ボスにはその四つの異なる『相』が混在しとるんじゃよ。
ある程度知識のあるアンヌが困惑しとる様じゃが無理も無いかも知れんな。
狼顔なルゥスが「何だコイツはっ!?『キメラ』の一種かっ?」
と分類しかけとる様じゃが、そもそもアレがナマモノと言えるのかどうか・・・
かと言って『魔法生物』の類いと言われてしまえばそれはそう出来るかも
知れないが『ゴーレム』や『聖獣』や『魔獣』の類いと言う訳でも無い。
これはそう、正に『混沌』じゃな。確かアレの鳴き声は『鳥』にも似てたとか言うが。
『ピィィィィィィイ!』『ピイィィィィィィッ!!!!』
(ヒヨドリかっ!いや、この場合は『虎鶫』じゃったかの?煩ーーーいっ!!)
思わず狐耳を抱え込む程の大絶叫な『咆哮』を喰らってしまって
ルゥスやアンヌやミィナと同様に地面にしゃがみ込んでしまう程耳がガンガンするのじゃ。
風を操れるヒューイや聴こえる『音階』に限度があるじゃろうリーナやミラは
それ程でも無いんじゃろうが『破魔矢』な『魔術師殺し』の生体版の威力は
凄まじく、学園の窓ガラスをビリビリと振動させたばかりかその上空に展開する
魔法陣にもピシバシと被害を齎しめた模様。
「くそっ!?何だアイツは?逃げる心算かっ」と『咆哮』を耐え切ったルゥスが
白目剥いてひっくり返ってるアンヌを介抱しとるミィナの横で狼耳の片方を押さえながら言う。
「いや、逃げられはせんよ。ガレオン船の『船蛸』と同じじゃ。それよか
あ奴の正体がよーやく分かったわ。あれはの。『鵺』とも言われる存在じゃよ。」
と私も狐耳を撫でつつルゥス達の元へと移動しながら中庭ボスの正体を告げる。
にしてもじゃ。よりによって『鵺』が相手とはのぅ。
『鳴弦』と『破魔矢』が登場した時点でモロバレだったでしょうけど『鵺』の登場です。
これまた安直ですね!?次回は戦闘シーンです。




