狐軍来たれり(VS????)その⑤
今度の『破魔矢』はきっちりと当てる心算で『狙撃』を使う。
ルゥスとアンヌの『遠吠え』のタイミング出来るだけ合わせる為に
チラ。と彼らの顔を見やってコクリ。と頷くと、それが合図だと察してくれたのか
2人して目線を交わし合うと私が弓を引き絞り矢を放った瞬間に合わせて
『遠吠え』を2人して放ってくれた。
「ピィィィィィッ!!」「わぉ『ワォォォォォンッ!!』」」」
再び障壁が3種の音波攻撃を阻むが『破魔矢』は実体を伴っているが故に
突入の際の波紋が前回よりも派手になりつつも障壁を貫通し・・・
『ピギャァァァァン!!』バキ。あ。後ろ足で立ち上がった敵ボスに
前脚で払われて『破魔矢』が着弾前に地面に叩き落されちゃったよ。でも問題ない。
「ピーーンッ!!ピーン!!ピーン!」今度は連続で『鳴弦』を奏でながら、
障壁へと私はあえて駆け寄っていく。残りは1発しか残ってはおらんし
壊される前に矢を回収したくなるのは当たり前じゃと思うじゃろー!?
でもそういう思い込みはハズレじゃよ。
私は障壁に対して「ピーン!!」と『鳴弦』を発動させた弓でもって
『槍術』と『立体機動』で「エイヤーッ!!」と突きつつ障壁ぎりぎりまで踏み込んだ。
この行動、私自身は障壁内へは入れないが弦の音が発せられてる間は
超振動であらゆる物質を貫ける火薬式パイルバンカー程では無くとも
術式阻害能力の発生源ともなっている弓の本体ならば、
『破魔矢』と同じ様に貫けると見込んでの事である。
(我ながら無茶な作戦じゃと思うが今はこれしか思い付かんのじゃっ!!)
敵ボスは弓での突っ突きに対して立ったままの状態で対応せざるをえないって事も
見込んでの行動ではあったが、『鳴弦』の余韻が残ってる間に矢を番えると、
まだ立ち上がったままだった敵ボスの胸部に向けて『狙撃」を使いつつ
3射目の『破魔矢』を「ビシュッ!!」と思いっきし叩き込んでやるのじゃった。
「ピィ『◎×□△っピbギュアァァァンっ!?』ィ!!」
中庭ボスの大絶叫が『破魔矢』の発する音を掻き消さんばかり辺りに響き渡る。
なんせソレは魔力の塊を抱いておるからの。実体持ってないから油断してたかも
知れんが直撃喰らえば唯で済む筈が無いんじゃよ。
「バシっ!!バキンッ!!」危なっ。近付きすぎたたせいか、
反撃で弓を折られてしまったのじゃ!痛み分けじゃが仕方が無い。
「なんのこれしきっ!!いい加減オマエも正体を現すのじゃっ!!」
文句を垂れつつも私は折れた弓の弦を利用して両手棍の様に弓の残骸を回収しつつ
私はそ奴の懐から後退して間合いを取った。
私の目の前で4つ脚に戻って苦しむそ奴の障壁が「パリン。パリパリ。」と割れ、
地へと降り注ぐ形で消えていき、中庭ボスが遂にその様相を私達の前に晒していく。
・・・なんじゃ?あの異様な風体は!?
弓を犠牲にしてようやく敵ボスの正体が割れたみたいです。リーナやミラやヒューイが置いてけ堀状態ですが、手が出せてないだけと言う事でここは一つ。戦闘シーンはとりあえずここまで。次回は敵ボスの正体についてです。 3/27:内容修正に付き一部差し替えました。




