街に入る為のお約束
街に来ました。
カタコトと進むよ街道を~♪っと。お客と荷物を載せて馬車が行く。
馬車といっても屋根付きの箱馬車じゃなくて幌馬車みたいのじゃがのぅ。
街と村を結ぶ荷物の定期便みたいのに便乗してる感じなのか野菜みたいのとか
一緒にいろいろ積んでるみたいじゃが。
ミィナとやらの荷物は着替えとか何かの最小限度の物の様じゃな。
必要な物は向こうに付いてから買うスタイルなのかの?
つかこういう定期便とかって安全対策はどうなっておるんじゃろうのぅ?
街道筋に出る者といえば盗賊とか身を持ち崩した連中も出そうなモンなんじゃが
一向に出る気配が無いっ!!・・・襲っても旨みが無さそうからかの?
念の為に『MAP』使って警戒もしておるんじゃが・・・暇じゃの。
比較的低いのであろう山の峠を越え、少し大きめの川に掛かる橋を渡った先に街があった。
む。やはり入り口には見張り小屋みたいの立ってるの。高そうな塀で囲まれてるし。
案の定と言うか「定期便の馬車だな?そこで止まれ‼」と警備のヒトに入り口で止められた。
馬車の御者が懐から許可証観たいの出したみたいでそれを確認している様じゃ。
御者は「こちらは村からの出立者の娘で学園への入学者です。」とか細々と説明しとる様じゃの。
「分かった。お嬢さん、すまんがあんたは先に街に入って貰う。荷物は『浄化』したら届けるからな。」
と警備の人間が告げると
ミィナは「分かりました。荷物の『浄化』と学園への配達お願いします。」
と言って荷物の大半を置いたまま馬車を降り先に街へ入っていった。
えーと。ヒトは別に入る仕組みなのに手持ちの荷物は持っていけるのかの?
あ。そうか。村からの納入品とかは量が違うから別に『浄化』しちゃうんじゃな。
ふむ。荷物に紛れてるんなら『浄化』受けれるのならこのまま潜伏しとるか。
中身確認とかあって荷物のリストとかあったら少々面倒じゃが
いざとなったら『玩具』のフリをしてれば良し。
「おーい、回復師の卵、今度はこっちだぞー。」と警備のヒトが呼んでいる。
えぇー!?卵って学生とかの事じゃよな?そんなんに『浄化』やらせてとるんかぃ!?
「はーぃ。ったく。単位と経験値の為とはいえヒト使いの荒い事で。」と若い男の声が近づいて来た。
成程。学園の学生じゃったか。『浄化』のレベル上げと単位取得の為じゃ。がんばれー。
何事か呟いておった様じゃが、やがて頭上からキラキラした光が馬車全体に降り注いで来た。
業者も馬もついでに『浄化』の光り浴びとる様じゃがなんかそこら辺は納得いかんのー。
お客だけ『浄化』のサービス?受けれんとは・・・。別に受けとるのか???
まぁこちらも『浄化』の光受けれてなんか身綺麗になった様じゃし心地良いのー。
さぁこれで街に入る準備は整った様じゃ。ついでだから学園とやらも覗いていくかの。
荷物やなんかを『浄化』したのは防疫の為。旅人とかは別口で受けたりします。その方が安く済むから。多分。




