校内浄化その②(VSシャドウマスター)
ソラがPT離脱するみたいなんです!?
唯単に階段を下りるという行為がこれ程大変じゃったとはな。
「何で階段がこっちに向かって上がってくるのよ・・・」
とエスカレーターの類いを知らないであろうミィナやアンヌが
ぜぇぜぇと息を切らしながら階段下でへたり込んでいる。
理科室の備品倉庫で銀製品なナイフとか見付け出したのはいいんじゃけど
解剖用の位のしか無かったのでモップや箒の柄に適当なロープ状に巻かれてた金属
使って括り付けて即席の槍として装備して近くの階段室の階段下りかけたはいいけど、
『ガクン。』てな感じで階段が振動したと思うと階段が上りエスカレーターの如く
いきなり動き出したんじゃよ。
「痛つつ。『翼変化』の効果が完全に切れる前で良かったけどリハビリには
なったかな?」ともはや一枚も羽根が残ってないじゃろう両腕を確かめながらリーナが言う。
あの上りエスカレーター、余程私達を乗せてるのが不快じゃったのか
上昇速度があっというまにハムスター車の超高速回転な感じにまでなって上階へと
弾き飛ばされそうになったのをリーナが危機一髪な感じで空中に飛んでひっ掴んで
一纏めにして階下の踊り場まで下ろして貰ったという状況でな。
ミィナの足元を走り降りてた私は飛ばされた際にヒューイに空中キャッチされて無事だし
ミラはというとリーナの頭の上で丸くなってるので怪我も無し。
「ひょっとしてこの階段てあの数が合わないって奴?」とアンヌが恨みがましく
階段を見つめるが、役目を終えたソレはもう動かない。
ってあれ?ミィナさん?貴方の後方にある壁のそれって『鏡』ですよね?それに貴方
と反対側の『鏡』が写ってるんですがひょっとして・・・
「あ、危ないっ!!ミィナ、その鏡から離れて!?」ってリーナが気付いた時には
一足遅かったのじゃ。「へ?」と顔を見上げたミィナの目に映ったのは
凶悪そうな顔をした自分そっくりな女生徒が鏡の中から鏡の縁を掴みつつ
こちらへと出現しかけていたのじゃから。
(やはり『合わせ鏡』の怪かっ!!ミィナを鏡の中へなぞ引きずり込ませる物かっ!!)
幸い私は鏡に映る範囲外に居たので姿をコピーされていないがこのままではミィナが
鏡の中に引きずり込まれてしまう。
恐らくは『ランダム・ジャンプ』な罠の類いじゃとは思うがここでPTが分断されては
時間を余計に喰ってしまいかねないのじゃ。だが一応回避策が無い訳では無い。
((『突進』!『魔力操作』&『立体機動』っ!!とりゃあぁぁぁっ!!))))
狙い違わずモノホンの方のミィナを両足でアンヌ達の方へと軽く蹴り飛ばすと、
その反動を利用してミィナコピーを道連れにしつつ私が鏡の中へと引き込まれ行く。
(ミィナ!蹴り飛ばして済まぬ!じゃがコレしか私には思い付かなかったんじゃっ!!)
私がやったのは『身代わり』じゃ。ミィナを蹴り飛ばしたのはやり過ぎかも知れんが
こーゆー罠系魔物は写り込んだ対象物か身代わり1体分しか『強制転移』は出来ない筈じゃし。
それを願っての行動じゃったが旨くいったのかの?
(さて。ミィナを引き込もうとした代償、どうやってケチ付けてやろうかの?)
鏡の中に沈みつつも吹っ飛ばされた状態でこっちを覗き込んでたミィナコピーに対して
その両目を赤く点灯した様相の狐の『玩具』が顔を上げる。
ついでの様にその顔に赤く浮かび上がる『狐メイク』が恐ろしさを倍増し。
ミィナの代わりに鏡の中に引き込んだ相手が相当悪かった事をその魔物が理解した時には
後の祭りであった事は言うまでも無い。
学校とか良く階段室の踊り場に鏡が設置してありますよね?段数が合わない階段と何とか組み合わせられないかな?という事でこういう形になりました。ソラを単独で活躍させるには丁度良いギミックだと思ったのでそれも利用する事に(鬼。




