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生まれ変わってケモノな玩具!?  作者: きつね耳モフモフ
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空中舞台と落下事故

どうやら『フラグ』の一つが作動した様です。

 白妙の雌狼を奉る神社を後に次なる寺院へと移動する。

ルゥスのクラスもそこに居たので彼はそっちへと移動していった。

(ふむ。目立ってはおったがやはり清水の舞台の様な造りになっとる様じゃな。)

丘の中でも急峻な中腹に建っているそれはぶっとい複数の梁に

支えられた迫り出した棚の様な構造になっており、何もそんな所に建造しなくても

と一瞬思ってしまいそうなその舞台には金属製の釘が一本も

使われてないという点でも私の居た世界の物と良く似ている。

「こちらの見晴らしの良い舞台は現在でも祭事の時に使われており

鳥ヒト達や空を飛べる魔属達による奉納の鳥舞の舞等を観る事も出来ます。」

 仏教とかの多神教の宗教の場合は多数の信者をより迎い入れる為にも

元々持っている風習や何かでも問題ないと判断した物は取り入れる傾向がある。

だから鳥ヒトだろうが魔属の方だろうが祭事に参加する事を否まないという事かの?

(風が吹けば桶屋が儲かるではないが、ある程度は持ちつ持たれつって事じゃな。)

参道自体は丘の中腹をぐるりと回り込む形で意外と複雑に丘を巡ってるとの事で、

うっかり横道に迷い込むと迷いかねないと言う事でか矢印型な行き先案内用の

看板持ってる狐さんの石像とか所々に置いてあったりもしてたんじゃが、

お稲荷さんっぽい社もあったからやっぱり狐の神様もおったりするんじゃろうか?

「あ、余り舞台を囲む転落防止用の柵を過信しては駄目ですよ?かつては

祈願も兼ねてそこから飛び降りたヒトも居たそうですが、無茶は駄目です。」

と欄干な柵から下を覗き込む生徒達を注意するガイドなおねぇさん。

(つかやっぱり飛び降りた奴もおるんじゃな?て、言う事はじゃな・・・)

とリーナの居たであろう方を窺って見ると。

(あれ?居ないのじゃ?何処におるんじゃ???)ときょろきょろしながら

丘の方にある境内の方を見ると、リーナがこっちに背を向けて内部観覧に集中していた。

(わかりやすっ!まぁ、あんだけ舞台から離れていれば突き落とされたりはせんのじゃろうが。)

ガレオン船モドキの時といい、リーナは崖っぽい所から下を望む行為に類する物が

かなり苦手な様である。あの調子だと吊り橋渡るのとかも駄目かも知れん。

(そーいや露天型エレベーターだかの時も一番奥の方に詰めておったっけな。)

と『突き落としフラグ』からは縁遠そうな立ち位置の彼女に一安心する。

だがしかし、フラグは何も彼女にだけ作用するとは限らんわけでな。

「ドサッ!!」「きゃぁぁ!?どうしたの?」「何だ何だ。」ゲシ。

(あーれー!?なのじゃぁぁぁぁっ!?)ヒューーーン!!

立ち眩みだか起した生徒の一人がぶっ倒れたのを期に押し合いへし合い状態になった隙に

私が誰かの振り返った際の後ろ蹴りによって空中へと蹴り出されてしまったのじゃった。

「え?あれ?ソラ!?いなくなっちゃった!ソラ何処いったのー!?」とミィナが

気が付いた時には私は地上へ向けて落下中の身だったりする。

(うぎゃーーっ!?『軟化』じゃ『軟化』--っ!!『硬化』は駄目ぇぇぇぇっ。)

『浮遊』スキルで落下を阻止してもいいんじゃが、フヨフヨ浮く『玩具』が不特定多数に

目撃される事になるので却下じゃ。『硬化』スキルを織り交ぜて使って

スーパーボール化も試したい気しないでもないがそれはそれで問題が起きそうなので

これまた却下じゃな。理想は土に狐型な穴を刻む事なんじゃが・・・

(やり過ぎなギャグはこの際ノーサンキューなのじゃぁぁぁっ!!)

 この日、舞台から落下する狐の『玩具』が丘の下の泉付近で多数の目によって

目撃された事は言うまでも無い。「べちゃっ!!」と盛大に泉の横の柔らかめな土に

狐型のめり込み跡を刻んで這い上がってきた狐の『玩具』は参道の方へと

ヨロヨロと歩いて来てへたり込み、後から他の生徒達と参道の階段を急いで下りて来た

猫ヒトな女生徒とその友人達によって無事回収され宿へと帰っていったのであった。

実際の清水さんからの突き落としとか絶対に止めて下さいね。例え『玩具』だろうと駄目な物は駄目です。乙女ゲームといえば『突き落とし』か『階段落ち』フラグが付き物らしいですが、対象をソラに限定する事で被害を極力無くす事にしました。

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