いざ、修学旅行へ
バスに乗っていく訳では無い様です。
この世界にはいろんな移動手段がある。鳥馬が曳く荷車やら
ガレオン船モドキな木製の船は無論の事、飼い慣らされた海竜みたいのに
引っ張られてる大型船とか色々じゃ。中には複数の飛竜が運ぶでっかい箱に
詰め込まれて荷物と一緒に移動するだなんて方法もあるぞ?
例えば修学旅行に向かう私達みたいにな!
召喚魔法があるんじゃからそれを応用するなりして転移魔法として
一気に多人数を一纏めに纏めて目的地にぶっ飛ばす。
なんて方法もありそうなモンなんじゃが、出力的に足りなかったり、
所謂転送事故が起こってキメラみたいのを造り出してしまって
大損害になったとかいう事例がある為に一般での使用は見送られてるらしい。
他に発展が見送れて来た理由の一つとしては過去の大戦で相反する物質を
目的地に同時転送して送り込んだ先で反応させて敵味方構わず大破壊をもたらしめた。
なんていう末恐ろしい作戦が実行された事が真っ先に挙げられるからとの事じゃったが
それが行われた結果の地が今回修学旅行で訪れる予定の一つの大破壊の跡地なんだとか。
(実行例があるんならソレの跡地見せた方が図鑑とか見せるよか理解も早いじゃろうしなぁ。)
過去がそんな調子なんじゃし、もしかしたらだけどこの星の衛星を召喚して大破壊企んだり
妙に高性能な折り畳み式転送型巨大ゴーレムとか造っちゃったりした例もあったりしたのかも。
まぁそういう背景も手伝ってか、この学園の修学旅行は多数の飛竜が吊り下げて運ぶ
大型の箱の内部を旅客用に整備したタイプのモノに分散して乗ってく事になっててな。
属性とか異なるのか色とりどりな飛竜達は飼い慣らされるというよか
ミラみたいにお願いして働きに出て来て貰っとる様じゃが、手配する側もそれが自慢になるので
私が元居た世界の旅行会社みたいに競争とかランクづけとかもしっかりとされとるそうな。
肝心の箱型部分はというと緑色の蒲鉾状の倉庫みたいなその箱の横の蓋部分には
何かでっかく数字が1とか2とか描かれたりしてる程度のシンプルめな外装に似合わず
中身は旅客用のしっかりした内装が施されてたりしとるから多少の乱気流でも
居住性は悪くなったりはしない様な造りにはなっとったけど、流石にトイレ休憩とか
挟まないと飛竜の機嫌が悪くなってしまうので1時間毎だかに一旦地面に
下ろさなきゃいけない決まりにはなっとるらしい。
まぁ運ばれる方にしてみても箱の中に閉じ込められっぱなしってのは精神衛生上
問題あるじゃろうし、そこは仕方が無い。ひょっとするとサービスエリア的な村とか
もあったりもするんじゃろうか?その内航空法みたいの出来てお空が帰省ラッシュで大渋滞!
なんて事になるかも知れんが、こんな感じで交通網が成り立ってるのであれば
自動車とか発達する訳無いわな。
箱の側面には一応外を見れる様に小窓も設けてあったりするから運ばれる事に飽きにくい
様な配慮もなされてるし空調設備も術式組んであったりするので上空で空気薄くて
気絶するだなんて事もそうそうは無いそうだから安心じゃな!?
かくしてほぼ1クラス毎に箱に分散して重量配分に気を使いつつも箱に乗り込んだ私達は
修学旅行先に向けて旅立ったのじゃった。
なんかいろいろネタを入れ過ぎてしまった気がしないでもありませんが使える物は何でも使うのはどんな世界でも一緒だと思うんですよね。『旧都』と跡地どっちを先にするかまだ迷ってたりしてます。




