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生まれ変わってケモノな玩具!?  作者: きつね耳モフモフ
236/280

福袋のお裾分け

リーナ視点です。

裏通りでの攻防も終わり学園の寮に戻って来たリーナは荷車曳きの時の

追加報酬として店主の一人から渡された福袋の中身の処分に困っていた。

「うーん。コレどうしようかなー。」とベットの上に置いたソレを見る。

今回は街中クエストとは言っても授業の一環である以上はその分の報酬は

学園が受け取ってる形なのではあるが一応盗賊団をとっ捕まえるというお手柄に

貢献したのだし。と言う事でミィナ達にお裾分けという形で商店側が

残り物をいくつか選択押し付け・・・もとい譲ってくれたのだ。

 ミィナやアンヌ達もそれぞれ別な物を受け取っていた様だがリーナは

報酬群の中から『福袋』を選んでいる。雑貨の類いは日常生活でも役に立つ物ばかりだし

擬似錬金術の素材に回せたりするので処分先にもそう困らなさそうという理由で

受け取ったのではあるが、彼女を目下悩ましているのは1本の呪文書であった。

 ソレとは回復呪文(ヒール)の呪文書。魔法取り扱い店が福袋用に提供した

不良在庫品の一つである。『福袋』の中身としてはハズレの部類ではあるものの、

回復手段が増えるという利点においてはあった方が便利。なのではあるが

リーナ本人としては擬似錬金術の応用の幅を増やす事の方が有意義だったし

かと言って売ってそのお金で何か素材を買うというのも何かあれだし。

という事で使い所に頭を悩ましていた。折角だから何かに役立てたいのよね。

 「そうだ。この際ミィナ達にこれ要るかどうか聞いてみようかな?」

レベルアップを済ませたミラは後頭部には龍の証である角が生え始めたみたいで

2個の瘤が出来てて射程こそ短い様だが電撃だか雷撃を飛ばせる様にはなっているし

ふわもこ具合が上がった結果防御力も上がっている。

ミラが回復呪文を唱えられる様になればかなり頼もしいが召喚獣とは言え

特殊な立ち位置に該当するミラの機嫌を損ねさせわける訳にも行かないよねー?

 ミィナかアンヌが覚える気があれば万々歳なのだが幸い適役は他にも居るのだ。

「そうと決まれば善は急げだわ♪」かくして休み時間に3人で話し合った結果、

呪文書の内容を覚えさせる相手はソラだと自然の流れで決まったのであった。

 教室ではなく中庭で呪文書の封印を見せられたソラが首を傾げると3人の顔と

空中停止する1羽とリーナの腕のまどろむ1匹の顔を「ほんとにいいの?」とばかり見上げ

そして遠慮がちに右脚でちょん。と封印を解き回復呪文(ヒール)を習得した。

「これでまた戦闘の応用の幅が上がったのね。」とその様子を見ていたミィナが呟く。

「そうよ?あ、でもミィナも後で回復呪文(ヒール)覚えておいた方がいいわよ?」

とアンヌが彼女に突っ込みを入れておくのも忘れない。

 3人の中では魔法の適性が一番高いのはミィナなのはアンヌもリーナも既に

周知の事実なのである。いずれは3人とも回復呪文の一つ位は唱えられる様になりたいが

今は『巫女』としての能力も持つソラが適任であろうという事でソラが最優先されたのだった。

「あ。やっぱりそう思うよねー?」とミィナも苦笑いしているが

彼女は彼女で(攻撃呪文覚えてね。とか言われなかっただけマシかも?)と

内心冷や汗物だったのはまた別な話。

遂にソラが回復呪文を覚えました。召喚獣が強くなると術者が楽をしがちになるのはある意味リアルな話なのかな?ソラは自力でお金稼げるので自分で買わさせても良かったのですが覚えさせるタイミングが難しいのでこの形に。ソラ「何か申し訳ないのぅ。後で何かお返しせにゃ。」

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