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生まれ変わってケモノな玩具!?  作者: きつね耳モフモフ
235/280

釣られた盗賊団

まんまと引っ掛かった連中だった様です。

 盗賊団の残りが逃げる方向のまがり角から現れたのはルゥスであった。

邪魔だとばかりに襲い掛かるのかと思いきや逃げる事を優先した彼らは

その横をすり抜けようとしたものの、

 ルゥスが怪しすぎる格好の彼らを見逃す筈も無く無表情なまま

彼らを武器を抜く事無く素手で次々と転倒させていく。

「思わず手が出てしまったがこいつら盗賊団で間違いない様だな?」

と近寄って来たルゥスが念の為になのか私達に聞いて来た。

「あぁ。荷車を狙って来たしまず名乗りとかもしない。間違いないだろう。」

と拳を収めたケインがルゥスと対面する。

「う"ヴヴヴ・・・」彼らの足元で痺れて碌に動けない奴の一人が

それでも最後の抵抗とばかりに小ぶりなナイフを彼らに投げようとしたものの

トテトテと荷車から降りて近寄って来たミラにコツンと頭付きされて

「ビリビリビリ!」と電撃喰らわされてパタンと気絶した。

 その様子を若干呆れた様な顔で見たルゥスが周りのひっくり返ってる連中を観て

ケインの倒し方を確信したのであろう。

「成る程、そういう事か。こいつらを倒したやり方は分かったが余り感心はしないな。

もう分かっているとは思うがいつもいつも他者の能力を借りれるとは限らないんだぞ?」

と彼らに取ってはもはやお馴染みなのであろう苦言をケインに呈して言う。

 ある意味では銀狼の能力を借りてるルゥスは以前の様にはケインに詰め寄る様な

物腰は出来ないのじゃろうが、彼は彼なりにケインを心配しているのじゃろう。

 私が覚えている限りケインが今まで借りた『力』は火・水・雷の三大属性に分類される

であろうある意味王道な物ばかり。王道であるが故に借り易いという利点はあるものの

それぞれに制約やら反動が付きまとうのが世の常という物でな。

 現に今も使い切れ無かった電撃の一部が今だ帯電という形でケインに纏わり付いてる

みたいじゃし、うっかり今の状態の彼に触ったら「ビリッ。」ときそうじゃな。

「分かってるさ。今回の成果がたまたま転がり込んで来ただけの物だって事位はな。」

とそこでケインがツカツカと気絶から立ち直りかけてたらしい盗賊団の一人に近寄り

「ビリビリ。」と帯電していた残りを放電してまた気絶させると

うっかり周囲に触って感電する事を恐れて立ち往生していたミィナ達に近寄り

「後の処理は俺達で何とかしますので、荷車の配送の続きをお願いします。」

と荷車が通れる様に転がってる連中を一纏めにしつつこの場からの離脱を促した。

「あ、はぃ。分かりました。後の事は宜しくお願いします。」

ミィナが答え、リーナもナイフを懐にしまい、ミラが再び荷車に乗ったのを確認すると

「有難う御座いました。助かりました。それでは後の事を宜しくお願いします。」と

深々と礼をすると荷車を曳き始めアンヌやミィナも荷車を押してそこから離脱した。

 今回ケインやルゥスがこちらの名を呼ばなかったのはあえてじゃな。

いちいち襲った側にこちらの名前教える必要も無ければ周囲にバラす必要も無いんじゃし

仮に学園の誰かが遠目で現場を見ていたにしても今回の『主役』は助けに入った

ルゥスやケイン達であって私らではないんじゃしの。

 後で聞いた話じゃが、街の警護に当たってた連中にドナドナされた盗賊団が狙ってたのは

やはり荷車の荷物の中身じゃったらしい。じゃがそもそもお目当ての荷車では無かったらしく、

骨折り損の草臥れ儲けだと言ってがっくりしてた。とか聞いたけどイチバチで襲ったのか?

 ミラが守ってるの観て良しこれだ!と思ったのかも知れんが残念じゃったな。

いかにもそれっぽい荷車を襲ってみたら大ハズレだったという盗賊団にしてみたら当てが外れたという話でした。誤魔化す方もまさかミラという龍の雛で重武装をしている荷車を襲うなんて思わなかったかも知れませんけどね。

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