地下墳墓にて
造りは結構複雑みたいなんです!?
予想した通り、観察路を暫く行った所に地下墳墓への入り口があった。
ガレオン船モドキの時同様に出入り口部分には魔物避けの術式が組まれているし
「これより先『死者の街』に付き死者の眠りを妨げぬ様お願いします。」
等と言った警告文が刻まれてたりする。火気厳禁で無いのは有り難いかの?
「ヴー。ここ通り抜けなきゃ行けないの?」とミィナが口を轢き付かせながら
尻込みしてるけど、ひょっとして肝試しの時の事思い出してるのかの?
「しょうがないわよ。順路的にここ通り抜けないと先に進めないみたいだし。」
とメモ帳に書いたマッピングした地図と睨めっこしてたリーナが言う。
「キューイ。」パタパタと周囲の偵察に行っていたヒューイを腕に留まらせた
アンヌに顔を向けるミィナだったが「駄目ね。鼠なら兎も角ヒトは通り抜けられないわよ。」
とあっさり偵察結果を告げられてがっくしと項垂れとった。
既に何組か先行してるんじゃしここに留まってても後発組に追い抜かれるだけ。
例の3人はそれぞれ別々のヒトと組んでるみたいじゃがその分危険度上がってそうで
不安なんじゃよな。出来ればあやつらより先行したい。
ただ『死者の街』という文句が気になっとる。生前の生活を出来るだけ再現する為の
仮初めの街なのか、あるいは街そのものが地下にあるのか。
前者ならば構造は簡単じゃろうが後者だとその構造は迷宮並みとなる可能性がある。
(正体が地上の街が襲われた時なんか用の地下砦じゃとするとやっかいじゃな。)
先生がわざわざ地下行きを行程に含めた理由は街の下にはこういう施設もある
という事を教える為でもあろう。
例えさわりの部分だけでも存在知ってればいざという時には役に立つんじゃしな。
不承不承といった感じのミィナをアンヌが引き立てつつ地下墳墓部へと脚を踏み入れていく。
(む。『MAP』に赤い点が多数ひっ掛かってる。またゾンビィかスケルトンな連中か?)
かつて葬られた際に『浄化』とか掛けられてても周囲の環境によっては遺体も『魔物』化する。
攻め込む方にとってはアンデット達が壁になるので攻めにくくはなるじゃろうが
お参りしたいヒトも気軽にお参り出来なくなるというデメリットが存在するのじゃ。
(中にはそれを利用して特定の『魔物』を討伐したがる奴も出てくるんじゃろうけどな。)
『魔物』になってしまった相手を『眠らせてやる』のは生者の務めでもあるんだろうけど
死した後まで喧嘩とか恨みを持ち込み易いのは良いのか悪いのか。
壁の所々に設けられた簡易墳墓に眠るかつての街の住人達の遺骸は長い年月の果てに
ミイラ化していたり風化して砂状になっていたりと状態も様々じゃったりしてる。
ごく最近のが無いっぽいのは埋葬の仕方とかの編纂によるもんじゃろうけど、
単にこの地下空間の容量の問題もあるやも知れんな。
「この辺意外と湿気ってないのね。さっきの所で下水道と繋がってる筈なのに。」と
リーナが首傾げてるけど、それは多分換気システムを旨い事やりくりしているからだと思う。
(風の流れを利用してるのかの?だとすればやはりここは砦の一種か。)
と壁に灯されている明かりを見上げてみる。壁の窪みに付けられた明かり用の窪みの造りは
相当古い物の様で、風の流れに左右されない様に作られているみたいである。
砦ともなれば弱点となる通気口を隠したくなるのは当然っちゃ当然の事じゃからなぁ。
先が思いやられるわ。
地下墳墓部分と下水道部分の繋がり部分をどうしようか迷いましたがある程度構造が被ってた方が見回りもしやすいだろうという事でちょっと有耶無耶状態に。現実問題として地下を掘ってたら忘れられてた地下構造に繋がっちゃったなんて例もありますしね。




