ライフライン行
帰還路として活用する様です。
私達に課せられた事は地下を通り抜けて学園へと帰る事じゃった。
入り組んだ地下通路は学園近くの出入り口へも通じているのでそれを利用するらしい。
防御的に街の弱点晒しそうだけどそこはどうなのよ?と思わなくも無いが
一応そこら辺も何らかの対策はされとると考えた方が良いじゃろうな。
降り始めた雪はやがて本降りとなり、街を白い色に染めていく。
街を行きかってた人々もそれぞれの家路へと就いたのか
どんどんと人影が減って行っているみたいじゃな。
(冬山で遭難するのと街で遭難するのとどっちが良いのじゃろうか?)
幾ら見回り役のクエストを続行しているヒトが居るかも知れないとはいえ、
このまま街角の片隅で凍り付くのはまったくもって洒落にならん。
温泉地に行ってた時よりも薄着なのは間違い無いので防寒対策も弱いし
雪の中地上を無理して戻るよりか、地下を行った方がまだ楽ではあろう。
(但し、今回ミィナ達は武器らしい武器を持ってはいないんじゃよなぁ。)
持っていたとしても精々採取用のナイフ程度の護身用武器までじゃな。
(今日のギルド訪問もこれも見据えてかの?やり方としてはせこいが。)
あの時先生が何故あそこの武器を振る様に仕向けたのかこれではっきりした。
練習場の仕組みを利用して生徒達の手持ち武器をこっそり確認する為じゃったんじゃな。
(後は生徒がどういう武器を使うかの傾向をも把握したかったのかの?)
これはミィナ達がほぼ素手や『召喚獣』だけで何処まで出来るかを見る『テスト』じゃ。
魔物避けの『結界』が施されているこの街の地下はその影響もあって
魔物が生息していたとしてもその危険度はたかが知れている筈じゃし、
護身用の武器でも踏破は可能と判断した上での平均攻略時間を計りたいのかも知れん。
(まぁ流石にやばそうなのは予めクエストで間引きされた後じゃろうけどな。)
地下墳墓なんてのは回廊式で作られてるじゃろうし入られたら不味い部分は
閉鎖される等の誘導措置は取られてはいたとしても中で迷う輩は出そうである。
(うーむ。ミラの火力と私とヒューイでごり押しするしか術は無いのか;)
幸い先生がランダムで班決めとかしなかったので何時もの3人で地下へと進む事に。
(そりゃあんな騒ぎを起された後でランダム班決めとか出来んよなー。)
そこはあの3人の仕業に感謝しつつも所々点検用の明かりの灯る通路を行く。
雪が降らなくてもこの地下行きは行程に組み込まれてたりしてます。『召喚獣』が居れば術師のメイン武器が無くてもなんとかなる筈ですが当然想定外の行動を取る生徒も居る訳で。次回は戦闘シーンです。




